so094
(せんりゅうつれづれそう)
第94号(21年10月)
酔芙蓉(スイフヨウ)の章
( 朝 方 ) |
( 夕 方 ) |
課 題 「 船 」 豪華船旅の話を友に聞く まつぼっくり 受験生ハチマキ締めて船をこぐ 美智優 黄泉行きの出船のドラは待った無し 柳立 船を漕ぐじいじの膝で孫も漕ぐ ぺ天使 今もなお耳に懐かし焼き玉舟 ぺ天使兄 電車内船漕ぐ人に肩を貸す ぺ天使妹 未来への希望を乗せて船渡る さくら 引き上げた船に思い出残ってた 野のはな 舵のない小船のように街を行く ★靖坊 手を繋ぎ小船に乗って繋ぎとめ 酒仙 船が出る出会い別れのドラマ乗せ ★悠澪 船出する 今日も元気をありがとう 桃華 行き先は不確かなまま我が小舟 英人 |
「病気して」 悠澪
抵抗する力が落ちて秋の風
病院へ早めに行けと人に言い
ひどくなり病院へ行く医者嫌い
★この姿見るなと人を遠ざける
病気して健康である価値を知る
「ハッピー・バースデー♪」
さくら
午前0時誰より早くおめでとう
ありがとう親に家族に感謝する
★来年は子から聞きたいおめでとう
より長く子の成長を見つめたい
折り返す歳には早い我が人生
「旅に出て」 桃華
新しい空気を吸いに旅に出る
どの人も明るい顔を向けてくる
旅に出てしばし忘れる母の影
見知らぬ町にひとり降り立つのも勇気
★安心してとなりの人と歩いている
(随想) 「 ミニウォーク 」 桃華 同級生がうどん屋を営んでいるから 食べに行こうと友と名古屋駅で待ち合わせ。 ナゴヤキャッスルホテルの近くというので歩いていくことに。 駅前はビル群で歩いていても圧迫されるような気分。 堀川沿いを北へ向かう。見知らぬ町は何となく心うきうき。 どんな人がどんな生活をしているのかな、想像しながら通り過ぎる。 名古屋城外堀が見えてきてホテルも見えてきた。 その傍を通り過ぎ筋違橋を探す。あった! さてどっちだ?キョロキョロまわりを見回すと 看板が方向を示していた。そちらへ急ぎ足。 簡単な地図だけで腰痛持ちの二人旅。約45分のウォーク。 40年ぶりの友の満面の笑みがそこにあった。 もちろん帰りも歩いて名古屋駅へ。 |
「スカートの裾」 野のはな
夫が妻のスカートの裾踏んでいる
的を射た言葉で返す術がない
秋晴れにうっかり涙してしまう
★いえこれは欠伸の涙拭いただけ
幸せな人だあなたに看取られて
「やれやれ・・・」 まつぼっくり
★やっかいな回り道行く思春期は
さか向けの彼らの心止められぬ
勉強に手がつかないと言い訳し
ヒーローになりたい恋もしたい歳
ニキビ面老いた両手に持て余す
「 人 」 酒仙
ひとごとと言いたくなるよな民主的
切り捨てる簡単なこと他人事
当選し頼み込んだら後知らん
なんとなくひとごと思うわけ知らず
★情けない期日がせまり字を埋める
「 旅 路 」 美智優
霧の中白い太陽追って来る
越後路は濃霧と晴れの忙しく
岩手山薄化粧して燐と立つ
我足で知らない都会歩いてる
★旅に出て我方言を知らされる
・・英人の20句抄・・ 「 出羽三山の旅 」
(参考) 近々、随想欄に「川柳で綴る出羽三山の旅」を 掲載する予定ですので、そちらもご覧ください。 |
「 帰宅中 」 靖坊
帰るのは嫌じゃないけど途中下車
予定外だからよけいに胸ドキドキ
傍らの草さえ新鮮見知らぬ道
★誰も居ない自宅に電話してみたり
では帰ろう帰る場所あるありがたさ
「 秋深し 」 柳立
しばし見る残花の葉にも秋深し
★澄み渡る夕焼け空に悔いもなし
虫の音も途絶えたままで寂しくて
道草のズボンに種蒔く裾模様
柔らかく柿の実日ごと甘くなる
(鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ ・船を漕ぐじいじの膝で孫も漕ぐ(ぺ天使) まつぼっくり う〜〜〜〜〜ん・・・。かわいい・・・。状況がありありと浮かんで、もう抱きしめたくて たまらなくなるくらいかわいいです。このすこやかな時間よ、どうぞ永遠に・・・・・。 ・迂闊にも結婚記念日忘れてる(英人) まつぼっくり 珍しいですね!記念日を大切になさる寺さんにしては・・・。ちなみにわが家のだんな 様は記念日を覚えていたことは一度もありません。つい先日結婚記念日だったんですが 案の定忘れていたので、翌日言ってみました。「あ・・・・・」と不思議な顔をしていました。 別にいいです。今さら始まったことではないので。以前私の誕生日に誰も祝ってくれない から自分でケーキを買ったら「あれ?今日○○の誕生日?」と子どものことを聞いていました。 半年も先なのに・・・・・。 ・「病気して」(悠澪) まつぼっくり 悠澪さん、その後ご病気のほうはいかがですか?とても心配しています。一日も早い ご回復お祈りしています。 ・誰も居ない自宅に電話してみたり(靖坊) 桃華 人は時々思ってもみない行動を取るときがある。外出時、ふっとわが家へTEL、誰も いないことに気づき、苦笑い・・・何てことよくある。私の場合は年のせいにしてTHE END。 靖坊さんは誰もいないこと知っていてTELされたのかな?誰かいることを期待して・・・・。 結構ロマンチストですね。 ・抵抗する力が落ちて秋の風(悠澪) 桃華 思わぬ病に力が抜けてしまった気持ち、よく分かりますよ。元気なときには考えても みなかった健康のありがたさ・・・・何事も失ってみて始めて分かるのですね。お大事に! ・引き上げた船に思い出残ってた(野のはな) 英人 捜し物をしていて、ふと見つけた別の品物に思い出がよみがえる、よく残っていて くれたと感激する。この歳になると、もういろいろ処分しなければならない。しかし、人は 思い出に生きるもの、あわてて処分することはない。こんな楽しみを残しておくのもいい。 ・豪華船旅の話を友に聞く(まつぼっくり) 英人 旅の話は聞くものというより、自分でしたいものですね。そして話す役に回りたいもの。 しかし、豪華船の旅というとなかなかそうはいかない。聞いておいて、いつか自分でも 果たしたい、そんな夢をふくらませるのも良いでしょう。時間と金、もう少し待っていてくれ。 ・どの人も明るい顔を向けてくる(桃華) 靖坊 すれ違う人みんなが明るい顔に見えるってのはいいですね。中にはどんよりして歩いて 行く方もあるはずですが、自分の心の明るさが全てを明るく見せてしまう、まさに歩くお日様 状態ですね。いかにウキウキした旅だったかよく伝わってきます。いつでもこんな心持ちで 過ごすことが出来たらいいなあと思います。 投稿をお待ちしています |
「川柳連れ連れ草」への投稿案内 次の要領で川柳及び感想文を募集します。 投稿をお待ちしています。 1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度 メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて ください。課題の題は2)の通りです。 2)2009年「課題」 (1月)暮れる (2月)島 (3月)若い (4月)心配 (5月)畑 (6月)幼い (7月)行く (8月)小さい (9月)泣く (10月)船 (11月)夕焼け (12月)祝う 3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文 (150字以内)も募集いたします。 4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行 います。感想文もその句のページに随時掲載します。 掲載方法は一任してください。 5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。 川柳投稿 |