so093
     (せんりゅうつれづれそう)

              
 第93号(21年9月)

竜胆(リンドウ)の

(科 目)リンドウ科    (花言葉) 正義、貞節、的確、悲しみにくれるあなた、
山野に育つ多年草。草丈20cm〜1m。別名疫病草(えやみぐさ)苦胆(くたに)と呼ばれ、
根が胆汁のように苦いことにちなみ、漢方では、胃の薬として用いられる。
日光を好むが、強い日射は花が日焼けするので半日陰で育てるとよい。

先日、女優高橋恵子さんらによる谷崎潤一郎の名作「細雪」を劇場で見た。
1966年の初演以来、何人もの役者で1200回以上上演されてきたという。
森光子さんのように一人の場合も素晴らしいが、このような継続の仕方も素晴らしい。
                      (★印は英人の推奨句)


  課 題   「 泣 く 」

義兄逝き気丈な義母の目に涙    悠澪
泣きなされと言われた人も今は亡く    靖坊
泣く声で子供のカラス餌ねだる    酒仙
泣くものか泣くものかと泣いている   ぺ天使
剪定に木の泣く声が聞こえ来る    ぺ天使兄
泣きもせずまばたきもせず医師見つめ   ぺ天使妹
嬉しくて少し泣いてもいいですか   まつぼっくり
思い切り泣いて明日から出なおしだ    ★美智優
ありふれたドラマここから泣く準備    野のはな
泣き方も以前と違う満二歳    さくら
お茶の間に釘付け韓ドラ泣けてくる    柳立
泣くのにもパワーがいると知った夜     ★桃華
泣くことを忘れ老化が加速する    英人



    「鬼になる」   野のはな

妻たちの晴れの休みはこれからだ
  涙出て来ない乾燥注意報
    ★コスモスも私も素直揺れている
  ゆで卵つるりと剥けたわが快挙
じゃんけんに弱くていつも鬼になる



  「 初 盆 」    まつぼっくり

賑わってさぞ仏壇もうれしかろ
これまでの生き様のフォト満載に
一区切り終われば次の仕事あり
★喜びもあれば憂いもあり多忙
健康な体でこなす他はなし





「 予 想 」     酒仙

  恋人と呼んでみたいな寝ぼけ顔
  ★好きな人顔を眺めて声も出ず
  神社では同じ顔みて声を掛け
  観光地誰もかれもが二人連れ
 若者は階段眺め後ずさり




(随想)     「 これも愛 」   酒仙

退職後、自分の主張が食べ物に関しては通らず、
いつも妻の意見に従わなければいけなくなった。

妻は運転が出来ないため、遠くに行く買い物
(3Km)は理由をつけてひっぱりだされる。
日常の食材の買い物は自分で自転車を漕いでいくため、
私は家で留守番をしている。一応何が食べたいか
聞いてくれるが、いつも同じ物を買ってくる。
なかなか自分が食べたいと思うものを口にすることが出来ない。

食べたいものがある場合は外食に連れ出すが、
店へ案内しようと思うとなかなか折り合いがつかず、
いつもの行き着けの店へ入ることになる。

愛しているからこうなるのか・・・健康を考え
気を使っていてくれるからこうなるのか・・・知らない。



    「 空 」    ぺ天使

    ★秋空へ希望を持って赤とんぼ
  伸びすれば空に近づく指の先
銀杏の空から落ちる様子なり
     空は青 大地の赤はヒガンバナ
  星空にあしたの天気確かめる



「 天高く 」    柳立

天高くイガははじけて栗ご飯
鯖サンマこんなに美味く安い値で
★秋草も水を欲しがる青い空
朝晩の手足の冷えに布団変え
名曲に妻の笑顔と吾亦紅

「 おやつ 」      靖坊

昼食はおやつの為に控えめに
三食より待ち遠しくて楽しみで
三時です不意にお腹が鳴りました
束の間の喜びですがしあわせです
★満ち足りた目には全てが美しい



   「 川 柳 」   美智優

川柳を日記代わりに作句する
苦心の句駄作に変わる次の朝
★駄作でも消すに消せない胸の内
川柳でぼやき愚痴って明日を待つ
句が薬今日のストレス忘れ寝る



・・英人の20句抄・・ 「 遺書を書こう 」
   
        探しもの見つからぬままに秋迎え
          ラーメンの熱さが苦になる残暑
              ヒヨドリに一瞬の油断盗まれる
   食材を大切にする夕ご飯
 十薬と呼んでイメージ変えてみる
 ドクダミと孫の類似点問うてみる
    一言の優しさ欲しいその不遇
                 風評を気にする道は曲がっていく
                 ため息の理由を聞いて後悔し
        パトカーの前走る 汗流れ出す
       救急車ボクの後をついてくる
      雑草は確かに人をあなどってる
               車窓から眺める村が美しい
              秋は愛 向かいの席が気にかかる
            果てもなく空が抜けきり気は軽く
              鏡見て笑顔作りに苦労する
    人間は働くことを知ればいい
      大根の種蒔く不安の種も蒔く
        しがらみがまだ増えている後半生
           気がかりをひとつずつ消す遺書書こう




  「 母 」      悠澪

母の目に見つめられたら嘘つけず
気の弱い彼に母性をくすぐられ
★鍵っ子にメモから母の愛が舞う
母親の役勤め上げ今青春
炎天下水子地蔵に帽子かけ



 「夏の日のTDS(東京ディズニー・シー)」
                 さくら


夢の国自然に瞳輝いて
   ★見渡せば平和な笑顔あふれてる
        夢冒険前へ前へと進む足
  ひとまわり背中大きく見える夏
夢の中夢の世界が続いてる



「萩こぼれ」    桃華

背負うものひとつ減ったよ萩が咲く
★萩咲いて母の姿は消えたまま
萩の道思い出ばかり浮かんできて
“ありがとう”誓紙に書いた母の言
私が歩いてきた道萩こぼれ




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 じゃんけんに弱くていつも鬼になる(野のはな)      まつぼっくり
     「負けたほうが勝ち」よく思います。その場でちょっと勝ったところで相手に不愉快な
   思いをさせてはすっきりしません。自分が負けたり悪者になっていたほうが場がおさまる
   ことってよくありますよね。負けたことなんてすぐ忘れちゃえばいいんですもの。

 ・川柳を日記代わりに作句する(美智優)      まつぼっくり
     私も日記を書かないので、まさしく川柳は日記代わりです。美智優さんのお気持ちよく
    わかります。「川柳&ウォーク」に参加させていただくようになって丸3年になりました。
    寺さんのきちんと管理されている記録のおかげで昔々のもちゃんと今でも観覧できます。
    久々に紐解いてみると3年前の初々しさ、3年後のふてぶてしさがはっきりわかって
    苦笑してしまいます。

 ・「これも愛」(酒仙)       まつぼっくり
     世のご主人の思いを代弁していただきましたね。「何食べたい?一応聞くが上の空」
    以前何かの川柳で書いた拙句です。まあ毎日献立を考える主婦としては少し意見も
    あるでしょうから、時々美味しいものを食べに連れて行ってくださいね。

 コスモスも私も素直揺れている(野のはな)      桃華
     赤、白、ピンクと色とりどりのコスモスが今は満開。風にやさしく揺れている様は心を
    癒される。反発することなく心穏やかに、素直に風になびいて生きていらっしゃる
    野のはなさん、素敵です!

 賑わってさぞ仏壇もうれしかろ(まつぼっくり)     酒仙
     お盆と秋分の日の間が1カ月のため、私は仏壇でなく墓の前としたい思います。私の
    妻の実家の墓地は名古屋の平和公園という一画にあり、沢山の参拝者とたくさんの
    お花が花壷にいけられますので、その様子がありありと目に浮かびます。以前はあまり
    訪れて手を合わせる人が少なかったが今は多くなりました。参拝に訪れる人の年代層
    は私達ぐらいとなりました。心に余裕があるのでしょうね・・・・・。

秋空へ希望を持って赤とんぼ(ぺ天使)     英人
     秋空に赤とんぼが飛んでいる。どんな思いで飛んでいるのだろうかと思いをはせる。
    それは見る人によって様々であろう。楽しんで・・はかなくて・・・作者は希望を持ってと
    感じられた。それは作者の前向きな姿勢がそのように感じさせたのであろう。

 満ち足りた目には全てが美しい(靖坊)     英人
     世の中のものを美しいと思うか、醜いと思うか・・・・ぺ天使さんの句でも述べたように、
    それは見る人によって違ってくる。満ち足りた目にはすべて美しいのである。その目を
    養うのは自分自身である。

 気がかりをひとつずつ消す遺書書こう(英人)     靖坊
     この句を読んで遺書を書いてみようと思ったのですが、何を書けばよいのかさっぱり
    浮かんできませんでした。もはやこの世に何の未練もない、実に希薄な我が人生。
    逆に言えば、作者に気がかりが多いのはそれだけ充実した人生という事なのでしょう。
    立派な遺書が書けるように、これからも一層精進したいと思います。

 ・川柳を日記代わりに作句する(美智優)      酒仙
     私は毎日日記をつけています。まとめて書くこともありますが、今何冊も書いた日記帳
    がたまっています。一日にやったことをただ書くだけですが、段々記憶が薄らぐときに書
    いておくと大変参考になります。昭和57年から書き続けていますよ・・・海外生活をした
    時の日記帳は今も何々をやったと懐かしく読んでいます。

     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2009年「課題」
      (1月)暮れる  (2月)島  (3月)若い  (4月)心配
      (5月)畑  (6月)幼い  (7月)行く  (8月)小さい
      (9月)泣く (10月)船 (11月)夕焼け (12月)祝う

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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