so087
     (せんりゅうつれづれそう)

              
 第87号(21年3月)

山茱萸(サンシュユ)の

(科 目)ミズキ科    (花言葉) 持続、耐久、強健、
中国・朝鮮半島が原産地。 秋にはグミのような実がなる。葉の出る前に黄色の小さな
花をたくさんつけ早春を代表する花木のひとつ。 別名は春黄金花(はるこがねばな)。

サンシュユはわが家にもあったが枯れた。この写真は今年訪れた水戸・弘道館の
庭で撮ったもの。かなりの古木、大樹であり小さな花が見事に咲き誇っていた。
その上雪が舞った。ここに紹介したくなった。こうして思い出を残していく。
川柳も思い出残しの大きな手法、それぞれの人生の軌跡を残そう。
                      (★印は英人の推奨句)


  課 題   「 若 い 」

絡まった枝をほぐすと若い芽が    酒仙
若い風胸いっぱいに綾を織り     柳立
不思議がる心に若さ飛んでくる     悠澪
若いねと最後に言われたのはいつ     靖坊
寝坊して若い証拠と言い訳し    ぺ天使
若い芽に今年の風の冷たさよ    ★ぺ天使兄
昔には気付かなかった若さかな    ぺ天使妹
時戻らず今が一番若い時    美智優
若いねと言われて実感する年齢    さくら
10歳も若く見られるその理由    まつぼっくり
いつからか若さを口にしなくなり    ★桃華
仕残したことが気になり歳取れぬ    英人



「春のこたつ」     靖坊

窓際にこたつごと来て日向ぼっこ
足先も頭の中も春うらら
明日はまた寒くなるかも春こたつ
★春こたつ憂きこと夢の如くなり
一人身のこたつにて我が春を待つ




 「希望の光」    まつぼっくり

  赤ちゃんの澄んだ瞳に溶けてゆく
★そういえば赤ちゃんだったうちの子も
   他にないいとしさだけが手の中に
     幼子を死んでも守ると思ってた
  赤ちゃんの笑顔が世界救うかも



「 夫 」     美智優

何かある無口な夫が口笛を
久しぶり夫と外食差し向かい
★不器用の背中が見せる感謝の意 
夫の前何をやっても怒らない 
髪切った夫の目には映らない 



(随想)  「 ひとりごと 」  美智優
                 
  
2月25日は31回目の結婚記念日でした。
夫は「自由にしていいんよ、ただし自分の言動には責任を持たないけんよ」
と言う人ですから、何をしようと何を言おうと腹を立てたことがほとんど無く、
為すべき事(例えば家事など)をしていなくても何も言わず、目に余るときは
自分でしてくれるので夫婦喧嘩らしいこともしたことがありません。

人は「いい旦那さんやないね、贅沢言ったらバチが当たるよ」と言いますが、
共通の趣味がないから一緒に何かをするということも滅多に無く、
外食嫌いの夫はたまに二人で食事に行くことすら嫌がり、
ましてや二人で旅行するなんてことは・・・
ところが、数年前から徐々に変わり始め、話をするようになり、
外食にも年に2・3度行ってくれるようになりました。
思えば、私は夫を思いやったことがあるだろうか、
自分の不平不満ばかり訴えて来たようだ。
若い頃ならまだしも、この歳でかまってくれないもないものだ。
今度は私が変わる番だ。




 「手相見」    ぺ天使

行列の多い占い師へ並び
  この筋が健康線だと教えられ
    手の平の単純な線誉められて
  もう少し金運線が長ければ
★手相見の不思議な言葉信じるか



「 梅 」    酒仙

 しだれ梅たれ梅と言われ今人気
 温かい陽を浴び南光花が散る
 ★啓蟄を迎えたことで虫元気
 福寿草庭を賑わし散っていく
 沈丁花このときばかり匂い出す



「健康が第一!」    さくら

風邪ひいて天井の木目とにらめっこ
寝込んだら全く減らない家事炊事
我が家では風邪のリレーがエンドレス
★健康で笑顔生まれる事を知る
見渡せば春の便りが届く街




・・英人の20句抄・・ 「 春十色 」
               
        雨降って桜前線動き出す
          柏手を打って開花を呼び寄せる
             真善美 菜の花畑にうずもれる
                  浮かれる血桜見物に不要です
 人形の目に春写りカラフルに
     春色にあっけなく染まるやせ我慢
         春雷に襟の乱れをとがめられ
             花に鳥忘れた歌を思い出す
                 週末の雨の意地悪さ受け入れる
        土筆摘む人が陥る自己欺瞞
      悠久の時間流れる喫茶店
    喫茶店のランチを食べる定年後
       好物を出され誓いがゆるむ戦
           万年筆書いた古傷覚えてる
                嘘のない話はすぐ忘れられ
                 赤いセーター着て母性を押さえ込む
               風評が気になってバス遅延する
    迂回路をいとわぬ人に来る出合い
       ジャンケンに負け良いこともある帰路
          古書店で天国へ行く地図探す



  「ある旅立ち」     柳立

   つかみたい形無いまま踏み出した
人知れず前を向けない船出有り
  本当は一日づつが旅立ちで
振り向けば曲がりくねった道ばかり
  ★雲流れきずなも切った青い空



「娘の結婚」   悠澪

  胸の奥深くにひとつ不安あり
★振り向くな未来は二人で築くもの
式前夜我が町を見に丘へ立つ
  晴れの日に新婦の父の目に涙
    前置きが長くて誰も聞いてない



「春・カゼ」     桃華

上り坂上りきれない弱い足
長びいた風邪に春風遠慮がち
ベッドから見ている白い雲と鳥
★咳き込みの激しいときも流れる雲
カメラ向け撮りたい春がいっぱいに




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 健康で笑顔生まれる事を知る(さくら)      美智優
     
本当にそうですよね。具合の悪い時には笑えませんものね。健康な時には意識
     しませんが、病になって健康と家族がいるありがたさに気付きます。
      日頃から感謝の気持ちを忘れないようにしなければと思いました。

 ・何かある無口な夫が口笛を(美智優)      まつぼっくり
     
美智優さん、結婚31周年おめでとうございます!(ちなみに私は27年目です)よき
    伴侶に恵まれてここまで生きて来れたこと、本当に神様に感謝の気持ちでいっぱいだ
    と思います。「ひとりごと」を読ませていただいても素敵なご主人の姿が浮かぶようです。
    ここへきてご主人もきっと二人でいる幸せをかみしめていらっしゃるのではないでしょう
    か。どうぞ40周年50周年を目指して、末永くお幸せに!!


 10歳も若く見られるその理由(まつぼっくり)     ぺ天使
     
昨日あるところで、「○○さん(私のこと)と同じ位の方がご一緒の部屋です」と
    言われ、待っていました。そしたら何と、絶対に70歳は越えていらっしゃると思う
    感じの方が入ってこられました。私、それはもう心の中でプンプンでした。だから、
    その理由を是非是非、お教えください。


 手の平の単純な線誉められて(ぺ天使)     まつぼっくり
     
私の手もほとんどのっぺらぼう。主な線しかありません。多分これが10歳は若く
    見られる魔法。つまりかなり単純と言うかあまり難しいことを考えられません。
    (もちろんぺ天使さんは違いますよ)
     何故か昔から若く見られるのであまり理由はわかりません。自営で夫の妹と働いて
    いるのですが、3歳しか違わないのに私を娘だと間違える人が何人かいるのです
    (私だって白髪いっぱいなのに)。ぺ天使さん、気にしない方がいいですよ。

 昔には気付かなかった若さかな(ぺ天使妹)     悠澪
    
 同感です。若い頃には当たり前のように感じて若さを意識していませんでしたが、
    最近は「あ〜 私も歳やね〜」とか「あの頃は若かったなぁ」とかよく思います。
    今思えば若さを無駄にしてきたようで、もっと大切に使えばよかったと思います。

 ・10歳も若く見られるその理由(まつぼっくり)     酒仙
     
いつまでも若く見られていいですね、僕は老け顔でおまけに白髪ときているので、
    若いときから逆に年齢よりも10歳多く見られていました。欧米で私より年上で禿げて
    いるのにその人のほうが若く見られてにがにがしく思った経験もあります。そのため
    妻は一緒に歩くのを嫌いました。今では妻も60歳をすぎたので、まあ何とか一緒に
    出かけています。どうしたら若く見られるのかその秘訣を教えて下さい。


 つかみたい形無いまま踏み出した(柳立)     美智優
     
夢か幸せか成功か、何にせよじっとしていたのでは何もつかみ取ることができませ
    んよね。何をすればよいのかわからないけどとにかく行動しなければという思いが伝わ
    ってきました。


 一人身のこたつにて我が春を待つ(靖坊)      桃華
     
何と寂しい句でしょう、1人でこたつに入り、1人で春を待っているなんて・・・・。
     
待っていて!きっといい春が来ますよ!!桜ももうすぐ満開ですよ!

 時戻らず今が一番若い時(美智優)       悠澪
     
死ぬまで歳は取り続けますが若返ることはないから、常に今現在が自分にとって
    一番若い時なのですね。今が一番若いんだと思って、一日一日を大切に生きねばと
    いうことですね。


 絡まった枝をほぐすと若い芽が(酒仙)      まつぼっくり
    
本当に気づかないところでも若い芽はしっかり芽生えてきていると思います。今の
    若 い人たちが思い切り活躍できる世の中に早くなることを期待してやみません。
      「若く見られる法」ですが、今日お宝鑑定団で伸介さんが、よくしゃべる人は顔の筋
    肉が活発になって若く見られると言ってましたよ。(私もすごいおしゃべりなので)表情が
    豊かになってそのせいで若く見えるのかもしれません。
     若い頃老け顔の人はある年齢から老けないといわれますよね。これから酒仙はどん
    どんお若くなっていかれるのではないでしょうか。


 髪切った夫の目には映らない(美智優)     ぺ天使
     
昔わが家では、私が美容室から帰ると、3人の子と夫が玄関で迎えてくれ「母さん、
    綺麗!!」と言ってくれていました。きっと夫の心遣いで、子ども達に教えていたのだ
    と思います。が、あれから30年以上たった今、迎えてくれる夫は「お帰り」だけです。


 寝坊して若い証拠と言い訳し(ぺ天使)      まつぼっくり
    
 年を取ってくると何度も夜中にトイレに起きたりして、なんとなくたっぷり寝た気が
     しません。子どもたちは何が起ころうとも朝までぐっすり。これが若さのバロメー ター
    なんですね。とてもうらやましい・・・。
      うらやましいといえば、ぺ天使さんのご家族のなんというやさしさ!思いやり!ご主
    人と子供さんたちが玄関に並んで「おかあさん、綺麗!」なんて信じられません!わが
    家では私が髪を切ってくると「おやじが二人になった」といってました。


  カメラ向け撮りたい春がいっぱいに(桃華)     靖坊
    
  撮りたくなる様な春って自分には何があるだろうと考えてみますと、いの一番に
    思い浮かぶのは、やっぱり満開の桜。でも春に咲くのは桜だけでなく、近くの田んぼの
    畦道に生えている名もない雑草だって、健気に花を咲かせているんですよね。そんな
    ちっぽけな花には春を感じるどころか、咲いている事にさえ気づきもしない自分という
    ものは、何とも貧しい心の持ち主だなあと今更ながらに思います。空にも石ころにも
    街の看板にも、どんなモノにも春は来ているのだと思います。大事なのはそれに気づく
    か気づかないか、という事でしょうか。桃華さんの心豊かさを感じます。


 嘘のない話はすぐ忘れられ(英人)      まつぼっくり

      この歳になると、この人はホントのことを話してるのかなあとちょっとかんぐって聞く
    ときがあります。割合人が読める年齢になりますよね。まあはずれているかもしれない
    にしても、ちょっとしたかんぐりと言うのは私は好きです。だってただ真面目でまともって
    のは、あまりおもしろくありませんから。だから嘘や秘密が大好きで、持っているとなん
    となく幸せなのは私だけでしょうか?(もちろん悪意のないものですよ)


 振り向くな未来は二人で築くもの(悠澪)      英人
     
結婚する二人に送るに本当にふさわしい言葉です、句です。結婚後の家庭、社会
    は二人で築くものです。それを生活している内につい忘れ、二人で批判しあってしま
    う。結婚記念にこの句を色紙にでも書いて、贈られるというのはいかがでしょうか。


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       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2009年「課題」
      (1月)暮れる  (2月)島  (3月)若い  (4月)心配
      (5月)畑  (6月)幼い  (7月)行く  (8月)小さい
      (9月)泣く (10月)船 (11月)夕焼け (12月)祝う

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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