so085
     (せんりゅうつれづれそう)

               第85号(21年1月)

砂 糖 黍 の 

(科 目)イネ科    (花言葉) ???
テンサイと並んで砂糖の原料となる農作物。世界各地の熱帯、亜熱帯地域で広く栽培される。
茎は竹のように木化し、節がある。節間の茎の中心は空洞ではなく、髄になっており、
糖分を含む。 茎は高さ3mにもなる。葉は幅広い線形。秋にはススキのような穂を出す。


花言葉は調べてみたが見つからない。それならと私が試みてみよう。風で倒れても
倒れても伸び上がってくるので「根性」、噛むと甘く味わいのあるものなので「味わい」、
まだいろいろ考えられるがどうであろう。砂糖黍はサツマイモと並ぶ私の子供の頃の
貴重なおやつだった。懐かしさも川柳の題材だ。いろいろな試みがあってよかろう。
                      (★印は英人の推奨句)


  課 題   「 暮れる 」

暮れ果てた空に孤独なひとつ星     靖坊
年の瀬に母の命が暮れなずむ    悠澪
あれこれと思いめぐらし暮れている    酒仙
除夜の暮れ長蛇の列に春望む    ★柳立
喜びがたくさんあった年暮れる   ぺ天使
遠富士にひかり留めてきょう暮れる    ぺ天使兄
日が暮れる地球の裏に朝が来る    ぺ天使妹
夕暮れは私が私になれるとき    ★まつぼっくり
白菜を洗って洗って日が暮れる     美智優
日が暮れて灯に帰る人の群れ    さくら
日が暮れてわたしの虹も消えました    桃華
仕残したことが気になり暮れ残る    英人



  「年末年始」    さくら

指差して初めて数える白い雪
 来年もいっぱい見たい子の笑顔
ひとつずつ心に響く除夜の鐘
 ★年賀状変わらぬ笑顔にほっとする
鍋囲み心も身体も風邪知らず

  



「 正 月 」    柳立

氏神の除夜のかがり火顔も萌え
氏神に長老笑顔の初詣
平穏と無病願って先ずお屠蘇
香梅と一人正月テレビ欄
★子雀のさえずり響け春の朝




「 検 診 」     まつぼっくり

レントゲン写ってる胃がいとおしい
感じます体の中の小宇宙
★宝物立ち止まったら見えてくる
たくさんの昨日があって今がある
見えぬ手で生かされている今日明日




 (随想)  「 本年もどうぞよろしく 」 
                    
 まつぼっくり 

2009年が明けました、明けましておめでとうございます
「川柳連れ連れ草」も8年目を迎えたわけです。

私もあきたらやめようと思いつつ、早や2年と3ヶ月の歳月が流れました。
本当に月日の流れの速さに驚くばかりです
ここまで健康に過ごして来れたことをいっぱい感謝したいです
鑑賞文でも書きたい放題、それをみんな掬ってくれるんだなあと思います。

川柳ばかりでなく、表紙のページに「掲示板」というのがあるのですが、
寺さんがクイズを出してくださっています。
今のところ回答者は悠澪さんと私くらいですが、
ぜひ皆さんも参加されてみませんか?
頭の体操プラスそのときの思いも書けるので、
人様の土俵で「勝手にブログ」的な要素もあるかもしれません。

日々、それぞれの方がそれぞれの人生を過ごしていらっしゃることでしょう。
そんな中で、なんとなくつれづれに何かつぶやいてみたいなあと思うとき、
この「川柳&ウオーク」がやさしく受け止めてくれるような気がしています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
寺さん、そして参加されていらっしゃる皆様へ感謝の気持ちを込めて。



「 知らず 」    酒仙

知らずとも人に知らせず知らずとも
知ることを人に知らせず一人だけ
知らせずにただ済むことを聴きたがる
いつまでも友達でないことを知る
★知らずとも過ぎていくだけ年の瀬は



  「 運 勢 」    ぺ天使

靴放って裏か表か運だめし
人によってグーチョキパーを使い分け
鳥のフン落ちて今年の運とする
大吉が出るまでおみくじ引きたいな
★運勢は今日も耐えるが良しと出た



 「 母の死 」    悠澪

手を握り涙を流す母骸骨
★人間はここまでやせるものなのか
元日に母の灯火燃え尽きる
通夜の朝なぜかカラスがよく騒ぐ
また一人大切な人召され逝く




・・英人の20句抄・・ 「 いま昔 」
               
           おばさんの知恵が生きてるいま昔
     その昔子どもは外で遊んでた
  賞品をめざして走った徒競走
    昆虫が災難に合う夏休み
       寒くなってベーゴマメンコ出番待つ
          切られ役決めて始まるチャンバラ
                   家中で伸びるモヤシに味がない
              銭湯は同じ時間に同じ人
              銭湯がテレビに負けて冷えている
    手紙来る差出人が見あたらぬ
    手紙という文化が絶える詩が絶える
         貧しくて噛み甲斐のあるサトウキビ
         サトウキビ噛んで鍛えた歯が残る
                  少年の腹を満たしたサツマイモ
                  ギンナンの臭いに足がうろたえる
                  サンマ焼く臭いにつられ路地裏へ
                  餅つきの音が消え春遠くなる
        美しい食卓にあるカップラーメン
     タイムスリップどこへ行こうか決めかねて
         いま昔近くの他人あてにする


「 ミカン 」     靖坊

そこにあるから食べたくなるミカン
初日の出のようにミカン乗る鏡餅
両頬にミカンを当てて初笑い
★皮捨てる我が口の奢りたることよ
手の平の残り香握り街を行く



 「 年 末 」    美智優

ピカピカに磨いた廊下に足跡が
★出来たわねほめて使えば孫動く
混む店でおばちゃん邪魔よ立ち話
五割引買わなきゃ損な気にさせる
願い事見直ししては書き直し




「 新年に 」   桃華

わが家から見えなくなった初日の出
新年を迎えてくれてありがとう
幸せと思えるような朝が来た
★元気だと訴えてくる年賀状
雪が降る悲鳴出るほど降り続き




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・鳥のフン落ちて今年の運とする(ぺ天使)      まつぼっくり
    
私も何故か鳥のフンとは縁があるのです。何年か前自転車で走行中、パタッと肩に
    何かが落ちてきて「何だろう」と思い自転車を止めました。見れば、鳥のフン。空を眺
    めても鳥の姿なんて全然見えないのです。影さえも。とても不思議でした。こんな
    確率っていったいどのくらいだろうと思ったのです。不思議に思った私はこのことを
    詩に書いて投稿しました。もちろん全く相手にされませんでした。

    
ぺ天使さんに幸運があることを祈っています。

 ・運勢は今日も耐えるが良しと出た(ぺ天使)     酒仙
    
私は毎朝新聞を取りに行き最初に見るのは最終ページに掲載されている運勢欄
    からです。悪いと感じた時は今日の自分を示唆しているのだと自戒し、何事もなく一日
    を終えた時は気分爽快です。何も自分ひとりの運勢でなく卯年生まれが全部そうで
    あるのにあたかも自分だけのことのように思い読んでいます。
     気持ちよく読んで一日を過ごしたいものですね。


 ・暮れ果てた空に孤独なひとつ星(靖坊)     ぺ天使
    
あまりに切なくてジーンときました。一つ星とはどなたでしょうか。
    
人間社会では周りに沢山の人々が係わっていて、いやなこともありますが、愉快な
    ことも多いのです。夜が明ければ輝く朝日が靖坊さんに降り注ぎ、楽しい1日が
    始まりますね!!


 ・ひとつずつ心に響く除夜の鐘(さくら)       桃華
    
あっという間の1年でもあり、長かった1年でもありますね。子育て中はそんな思いを
    より実感させてくれます。除夜の鐘はそんな思いをひとつずつ響かせてくれます。
     私には腰痛に悩ませられた1年でした。体力減少を感じる年齢になり、気ばかり
    若くても駄目だと知りました。しかし、こうしてつつがなく暮らせることに感謝の日々
    です。今年もよろしくお願いします。
 

 ・
夕暮れは私が私になれるとき(まつぼっくり)     ぺ天使
     
洗濯物の取り入れに始まり、夕食の支度やお風呂の用意などいそいそと楽しみ
    ながら奥様とお母様をしっかりやっていらっしゃるのですね。ハツラツとされたまつ
    ぼっくりさんを想像しています。私は私になれる時っていつでしょうか。胸に手を当
    ててよ〜く考えて見ます。

 元日に母の灯火燃え尽きる(悠澪)       英人
     
親の死は子にとって最高に哀しい出来事です。新年早々の哀しい出来事に、
    お悔やみ申し上げます。
     そして「人の死は時を選ばない」といいますが、まさにその言葉通りです。元日と
    いう年の始めに亡くなるというのは・・・でも、もう誰もこの命日を忘れることはあり
    ません。私の孫は12月31日生まれです。これも誰も忘れません。
何が幸となるか
    分かりません。前を向いて歩いてください。


 人によってグーチョキパーを使い分け(ぺ天使)     靖坊
     
最近は年のせいか波風立たない生き方を好むようになった私としては、人がパー
    を出せば自分もパーを出すという、人生事なかれ主義を心掛けているのです。が、
    ふとした拍子にグーを出したら周囲一同全員チョキで、握り締めた拳を開くことも出来
    ず、退っ引きならない状況に茫然自失状態に陥ったりする事もある訳です。まあ、
    いつでも後出しOKならいいんですけど、そうもいきませんよね。


 そこにあるから食べたくなるミカン(靖坊)     英人
    
 本当にそうだ、無ければ無いですんでいく、そこにあるからつい手が出てしまう。
    でもそこにあるのがミカンでいい。もっと甘いものやカロリーが高いものであったら、
    皆メタボになってしまう。ミカンがそばにあるのは日本の正月の風景である。


 混む店でおばちゃん邪魔よ立ち話(美智優)    さくら
    
 この句には「うんうん」と頷いてしまいました(笑)。お店に入り、何か買う目的がある
    のか無いのかわかりませんが、皆で横に広がっておしゃべり。おばちゃん達の後ろで
    ベビーカーを押す私は前に進めずイライラ。なかなか退いてくれないので声をかける
    と、気付かなかった振りをする…。よくある光景ですが、おばちゃんにはきっと悪気は
    無く、私も将来はこうなるんだろうな〜と思うと許せますね。


 除夜の暮れ長蛇の列に春望む(柳立)       英人
     
大晦日である。あの長蛇の列は何を買う人であろうか。迎春の準備であろう。
    こうして新しい春を迎える。来年はきっと良いことがあるだろう。気持ちを切り替えて
    進もう。こうして切り換える時があるのは人間の上手な知恵だと思う。


 わが家から見えなくなった初日の出(桃華)     悠澪
     
そうなんですよね、家の近くにビルや二階建て家屋が新しくできたりすると、今まで
    見えていたものが見えなくなってちょっとがっかりすることありますよね、私も以前住ん
    でいた家で夜空の花火が見えなくなってがっかりしたことがあります。


 銭湯は同じ時間に同じ人(英人)      美智優
     
もう何十年も銭湯には行っていませんが、子どものころ不思議と行く時間が決まっ
    ていて、行けばこれまた来ている人たちの顔ぶれが大体同じで「今日あの人来て
    ないね、どしたんやろね」などと来ていない人のことを噂したりしていました。


 美しい食卓にあるカップラーメン(英人)      靖坊
     
「いま昔」の一連の句を読んでおりますと、作者とは若干世代が異なることから、私に
    とっては映画や小説でしかお目にかかった事のない風景も少々出現しております。
     昔には昔の良さがあったのだろうなあと感じました。輸入ブランドのインテリアに囲ま
    れたリビングダイニングで食べるインスタント食品と、使い古しのちゃぶ台で食べる母
    ちゃんが蒸かしてくれたサツマイモと、どちらが豊かと言えるのだろうと思ったりします。


 ・いつまでも友達でないことを知る(酒仙)     悠澪
     
とても親しくしていた友と双方の都合で離別して何年かぶりに偶然再会したとき、
    とても懐かしくて昔話に花が咲きます。が、中にはなんとなく気まずくて会話が弾まない
    こともあります。会えなかった何年間かにどのような心の変化があったのか、悲しい
    ですよね。この句には寂しさを感じます。



    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2009年「課題」
      (1月)暮れる  (2月)島  (3月)若い  (4月)心配
      (5月)畑  (6月)幼い  (7月)行く  (8月)小さい
      (9月)泣く (10月)船 (11月)夕焼け (12月)祝う

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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