so082

     (せんりゅうつれづれそう)

               
第82号(20年10月)

芙 蓉 (ふよう) の 

(科 目)アオイ科    (花言葉) しとやかな恋人、繊細な美、富貴
落葉低木で、草丈1m〜3m。開花期は7月〜10月。
花色は白、ピンク、赤で径10cm〜20cmの大柄。

芙蓉の花のように美しく、しとやかな顔立ちを「フヨウの顔」と言い、昔から
美しい女性のたとえに用いられているようだ。最近は散歩中にもよく見かけるが、
残念ながらわが家にはない。どこかで求めるか・・・妻がいれば不要とは言い難い。
                      (★印は英人の推奨句)


  課 題   「 遊 ぶ 」

年々と遊びの夢も小規模に    ★まつぼっくり
来る来ない少女に戻り花占い    美智優
定年後遊びが仕事の忙しさ    柳立
一人より二人の方が遊びよい     ぺ天使
秋風と遊ぶコスモス揺れている  ぺ天使兄
あやしてるはずの幼子に遊ばれて    ぺ天使妹
墓参り目的かない妻静か    酒仙
子と遊び子供に帰る我が心    ★さくら
公園で無垢な想いを遊ばせる    靖坊
光芒に見え隠れして孫走る     悠澪
  なんでもないことが遊びになる孫と    桃華
秋半ば 次々遊び加えてる     英人



  「 夢 」   ぺ天使兄

   みどり児の夢みてるのか口緩む
 夢の間に過ぎゆく月日今日生きる
親の恩夢々忘れてならぬけど
   ★故郷の山に昔の夢還る
     夢の間に頭の白い写真帳

   
 (ますます夢みて川柳作り)

   

「 戦 い 」   まつぼっくり

走れてる自分の足に感動し
引き締めた唇にある強い意志
気構えを見せる意地でも座らない
頷くが心はここにありません
体中花になりきる壁の前
★Tシャツに青空宿り弾んでる

(戦い済んでまた夢を見て)



「 生 活 」   悠澪

音たてずラーメン食えば味はせず
中減りのまな板だけど捨てきれず
思いたい明日は良い日と日記付け
思い切り石にぶつけるかけた皿
★一日の終わりにジャズと水割りと

(生活の中にひそむ夢もあり)


    (随想1)   「野菜作り」   悠澪
      
五年ほど前に、夫が「野菜を作る」と言いだして、
庭に小さなスペースを作りました。が、何も出来ないまま単身赴任になりました。
空いた土地がどうにも気になってしかたなく、
自分で野菜作りをしてみることにしました。
土の耕し方も知らず、野菜作りの知識もなく、手探りで始めたのですが、
これが結構楽しくて小さな幸せをもたらしてくれました。
花はそれぞれに個性があってきれいで、実が徐々に大きくなっていく姿に
喜びを感じ、トマトが陽を受けて緑や赤に輝く姿に感動します。
ゴーヤの葉の輝きには涼と癒しをいただきます。
収穫する時に一番ワクワクするのはジャガイモで、
どれくらいの大きさに育っているだろうかと土を掘る手に力が入ります。
そして何より、家で採れた野菜の味は格別です。
無農薬で、生産者も生産地もはっきりしているので安心して食べられます。
野菜作りをしてみていろいろな発見もありました。
はじめから、私には無理だとか、私には向いてないとか決め付けないで、
なんでもチャンスがあればやってみるものだと思いました。
どこに喜びや幸せが転がっているかわかりませんからね。
さぁ、これからは白菜・春菊・ほうれん草・青梗菜・レタス・・・




「 秋 」    美智優

日本の端と端とで同じ月
★公園に子の姿消え秋の風
朝顔の命終って採種する
紅葉にゆとりのなさを知らされる
夏行きてスタミナ切れか重い足

(秋が来て次の夢を考える)




「にゃんこ先生」  靖坊

日の当たるベンチにどしり太い猫
野良猫の先生目線に起立礼
もしかしてにゃんこ先生でありますか
★欲しいです裸ひとつになる勇気
我と猫たった二名の昼下がり
  (にゃんこ先生と描く夢)



(随想2)   「冬コスモス」     ぺ天使妹

昨年の秋、冬コスモスの苗を買いプランターに2個植えた。
ひとつは門の内側に、、もう一つは2階のバルコニーに置いた。
名のごとく真冬の風にも耐えた。春が過ぎ夏となって驚いた。

置き場所によって茎の太さと丈にとても大きな違いがあることである。
バルコニーのものは十分な日当たりで、茎は太いが丈は40cm位なのに、
門の内側のものはひょろひょろで80cmにもなる高さである。
太陽を求め必死で伸びたのだろう。植物のひたむきさに心打たれた。
淡黄色の花が待ち遠しい。




「 無 情 」    酒仙

何ゆえに主客転倒犬が上
この歳でハトコのことで惑わされ
窓を開け寂しく聞こえる鈴虫が
★人の気を引いて引かれて70年
まかされてやることばかりゆとりなし
  
 (いろいろあって夢が続く)



「 記念日 」   ぺ天使

★カレンダーに赤丸つけた誕生日
十月は家族の記念日重なって
記念日はみんな合わせて十を越え
記念日に花も団子も贈られて
お財布を緩め記念日祝いましょ

(記念日が多くて夢多し)


「思い出の神戸」     さくら

★思い出の街に子連れで秋の旅
夜景みてロマンチックに浸る夜
プロポーズした店忘れた我が夫
魚より迫力のある人の群れ
子の為に人を掻き分け最前列

(思い出から続く夢がある)



・・英人の20句抄・・ 「 道央の旅 」
               
             行き先が不明な旅を選んでる
            据え膳ならどこでもいいと妻の旅
           ヒントから道央と信じ旅支度
          行き先を知って楽しみな三日間
 雨のち雨はずれて欲しい天気予報
 空港に降りたら雨が迎えてる
      豊平峡バス着いて雨上がる運
       試飲して今夜のビールは終わりです
        定山渓河童の迎えにゆるむ頬
              色づいて旅人迎えるナナカマド
                始めてのスープカレーに惑わされ
                  右ひだり首が疲れる層雲峡
                美人の湯と言われて誰が入れるか
            温泉に浸りストレスゆっくり消え
          列作りキャラメル買う人眺める目
                     観客が気になる鮭が躊躇する
                   鮭遡上 果たした後に悲劇待つ
     どこまでも紅葉が続き目が染まる
     ミステリーに運が味方し旅終わる
     旅終えて次の旅を考える


  「味覚の秋」   柳立

今日明日と鯖か秋刀魚か舌迷う
  ★渋皮煮ほっこり栗のほろ苦く
    もらい来て茎の親芋母の味
  柿笑うアンパンマンの顔に似て
今日だけとメタボ忘れて箸すすめ

    (味覚という夢に要注意)


  


「旅に出て」     桃華

北海道 虹も私を待っていた
だだっ広い平野を走る心が走る
右見ても左を見ても紅葉だ
携帯をしばらく切って紅葉狩り
★日常をすっかり忘れ旅半ば
(旅という夢をどこまでも描こう)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

  ・(随想1)「野菜作り」(悠澪)    英人
     
真っ先に感想文を書きたくなる随想でした。野菜作りは知らなくてもできる、
     やってみれば楽しい。まさに私の主張の実践者です。私の2008年10月7日
     付けの〈「話・話」第2002話 「農のある暮らし(その2)」〉を読んでいただけれ
     ば分かります。「話・話」にこの随想を近いうちに活用させてもらいますので、
     ご了解ください。


 ・(随想1)「野菜作り」(悠澪)    まつぼっくり
     
私も同じく感動しながら読ませていただきました。すごいですね!一口に野菜
     作りといっても、やはり誰にでもできることではないと思います。種を植えて自分
     の手で育て上げる。それは育てた人にしかわからない感動があると思います。
     悠澪さんは何でもトライできる方なんですね。これからもぜひ、かわいい野菜た
     ちを元気いっぱい育ててください。

 
 ・(随想2)「冬コスモス」(ぺ天使妹)   まつぼっくり
     
こちらもいいですね〜。人って根本的に何かを作る人にあこがれるのかもしれ
     ません。特に自分ではやりそうもないことをする方に。コスモス、秋の風物詩です
     ね。私は昔からのうす桃色や白のコスモスが好きですが、この季節コスモスの
     群生を見たりすると本当に心がさわやかになります。ご自分の家にコスモスが
     咲いているなんて、うらやましい限りです。


 ・思い切り石にぶつけるかけた皿(悠澪)     桃華
    
 家事や育児に疲れ、イライラしていたとき、皿を割ってやると心がすっきりする
     だろうと思い、思い切り投げつけました。その一瞬はすきっとしましたが、後片づけ
     は自分の仕事。その大変さに閉口し、それ以後、ものに当たることは止めました。
     昔、昔の苦い思い出がこの句から蘇りました。
      主婦は投げるときも家計を考え、欠けた皿を使うのですね、私もそうでした。


 みどり児の夢みてるのか口緩む(ぺ天使兄)    英人
     
あのニヤニヤした口の緩みは何なのだろう、孫の話ばかりしている日ごろから
     みて、多分その孫の夢を見ているのであろう。幸せなんだ。わが家の妻もこんな
     状態なのだ。
      こんな句を作るぺ天使兄さんの自由句への挑戦をこれからも期待したい。


 ・思いたい明日は良い日と日記付け(悠澪)      ぺ天使妹
     
誰しもが願うことでしょう。ある僧侶のご法話の中での提案、どんな小さな事で
     もよいので、自分が「あ〜良かった」と感じたことをノートにつけてみなさいと。
     例えば「今日は洗濯物が気持ち良く乾いた」「電車内で座れた」「家族が元気で
     帰宅した」など。当たり前としていたり、ありがたさを感じていないことでも文字に
     することにより、認識でき、日々「良かった〜」があるのです。私も多々あります。


 ・「冬コスモス」・・・まつぼっくりさんへ      ぺ天使妹 
 
    
 まつぼっくりさん、気ままに一言への投稿、ありがとうございます。
     “咲きましたぁ〜♪♪”コスモスより一回り小さい淡黄色のかわいい花が・・・・。
     開花した朝「見て見て!!」と感動の声。そして、冬コスモスには「早く咲いてくれ
     たけど、冬まで長〜いのよ」と。一番花はご仏前にお供えしました。

                           
 (2008年11月1日受け)

    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2008年「課題」
      (9月)夢 (10月)遊ぶ (11月)帰る (12月)みやげ

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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