so081
     (せんりゅうつれづれそう)

               
第81号(20年9月)

 ( ニ ラ ) の 

(科 目)ユリ科    (花言葉)多幸、快活さ、星への願い
ビタミンA、B2、C、カルシウム、カリウムなどの栄養成分を豊富に含む緑黄色野菜。
スタミナ増強食品として使う他、食欲増進、風邪の予防などにも効果が期待できる。

わが家の韮は手入れもされないのに庭の隅で延々生き続ける。
匂いも強いが生命力も強い。その強さを食べてわが家は健康をもらっている。
花もきれいだ。種をつけた感じもいい。植物は観察すれば意外な発見がある。
                      (★印は英人の推奨句)


  課 題   「 夢 」

ひとつずつ子が消していく親の夢   悠澪
夢書いた古いノートを捨てました    靖坊
子の夜泣き母は夢見る暇もない    さくら
大切な人の幸せそれが夢     まつぼっくり
あとひとつ夢叶ったら終わりとし    ★ぺ天使
咲いた夢枯れた夢あり古希近し    ★ぺ天使兄
夢の中笑顔の君に安堵する   ぺ天使妹
胸の内夢育んで天仰ぐ     美智優
 夢覚めてただの暮らしが性にあう    酒仙
秋の身も夢はほのかな花衣     柳立
正気かなボケかないつも夢うつつ    桃華
夢捨てた数だけ悔いを積み重ね     英人



    「 道 」     悠澪

   歩めどもこの道先が見えてこぬ
 監視付き寄り道できない登下校
陽の当たる道を歩こう堂々と
     歩いても歩いてもなお道遠く
       ★君の行く道が私の進む道 

      (歩いて道です)



「旅行かず」  靖坊

怠慢な足に履かせる靴はなし
★詰め過ぎて持てなくなった旅行鞄
チケットの日付は過去を指している
旅日和の空の下にて旅行かず
雲だけが目的地へと流れ行く

(行って旅です)



「祝・一歳」     さくら

子が一歳親も一歳バースデー
痛かった唯一の記憶よみがえる
ありがとう子供の寝顔に感謝する
★一歩二歩前へ歩いて靴を買う
親よりも高価な靴しかない売り場

(子があって母です)



    (随想)   「子供って!」    桃華

小2の男子が登校して、15分後にあわてて戻ってきた。
「ママ、急いで!体操服忘れた!」  エッ、大変だ!
ふと見ると体操服は背中に背負っていた。

もうすぐ3歳の男児。用水路が道路より下にあり、
ギリギリまで身体を寄せ、下を覗き込む。
「あぶない!」と言ってもいうことを聞かぬ。
ある日、そこでおしっこをした。
チンチンをふりふりしているうちにバランスを崩し、
用水路にドボン!
幸い水はなく、軽傷で済んだが大泣き。
この二人は私の孫。
子供っていろいろやってくれて気が気でない。でも面白い!




「 頭の中 」    酒仙

★おべっかを言われることで知る自分
何もなくただ言われて頭掻く
さりとても言葉に出せずただ黙る
人様の頭の中を思い知る
書くことで頭の中はうりふたつ

(考えて頭です)


 


   「 夏休み 」  まつぼっくり

帰省の子ありて室内活気づく
一日中何か食べてる盆休み
★食卓が見えぬくらいに皿並べ
思い出す流しを占める洗い物
子が戻り洗濯物もどっと減り

(にぎやかで休みです)


      「 秋豪雨 」    柳立

      盆明けて異常気象の風立ちぬ
    夕顔も集中豪雨に目がさめて
   道は川エンスト車二つ三つ
  秋豪雨この時ばかりは家も漏り
★雨やんで虫の音一つほっとして

      (降り方を考えて欲しい豪雨です)



・・英人の20句抄・・ 「 豪雨から良風 」
               
                 メロディをつけて気ままに雨が降る
                納得がいくまで雨は降り続く
              突然のゲリラ豪雨の晩夏だよ
            信念がゲリラ豪雨に揺らいでる
 種蒔いてすぐ雨が降る運不運
  中古車も水に浸かって残る悔い
                ウォーク日を豪雨の始末無常なり
                 流れ出た土を戻して賽の河原
                   決別は早めが良いと橋渡る
    サイレンにどうした訳か胸騒ぎ
     促され君の忠告理解する
       パトカーが夫婦の前を通り過ぎ
          豪雨にも人生を問う向上心
                いつ見ても時計は正午気は楽に
              絵の中の時計に合わせ飯を食う
            割箸が気持ちよく割れうまい飯
          思案しているうちに咲く彼岸花
               私と縁を結んだ影ひとつ
                  つじつまが合う夢をみて安心し
                     秋迎え風はよし夢追うもよし



    「 笑 う 」    ぺ天使

ゼロ歳を褒めれば笑うタイミング
  集合の写真は決まってハイ・チーズ
    ニガムシは生まれつきだとご謙遜
      ★笑顔する前にシャッター切らないで
        失敗を笑ってごまかすこともある

     (笑いは健康の元です)

「 旅 」     美智優

瀬戸内の波キラメイて船行き交う
★前を行くお遍路さんの背は曲がり
杖突いて札所巡り汗拭きつつ
地図頼り二人同行一人行く
道連れは弘法大師胸に抱く
(旅は人生です)


「 月 」   桃華

美しい月だやっとか目に出会い
名月や今夜も家族揃っている
泣き虫も月を見ているだんご食べ
★歩きましょう月がこんなに丸いから
めちゃくちゃに走って月と遊んでいる

(月は見るものです)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 子の夜泣き母は夢見る暇もない(さくら)       悠澪
     
本当にその通りですよね。私も長女が夜泣きがひどくて他の家族の眠りの
     妨げにならないようにと、娘を抱いて1時2時までも暗い部屋で行ったり来たり
     したものです。でも通り過ぎれば懐かしい思い出、もう少しの辛抱ですから
     頑張ってくださいね。


 ・夢覚めてただの暮らしが性にあう(酒仙)      まつぼっくり
    
 ああ、これぞ今の私にピッタリの句です。50代の私にはまだまだ自由になる
     時間もなく、やらなくてはならないこと、気がかりなことで体も心もいっぱいです。
     今の私は小さな旅にいくこともできません。だから大きな夢はもう抱いていません。
     毎日ただ自分のノルマをこなして過ぎていく時間が決して嫌いではありません。
     そんな中で、川柳を書いたり、テレビで見る美術の番組で小さな感動をしたり、
     些細な幸せを喜んでいます。これからの人生は「おつり」だと思っている脳天気な
     おばさんですけど、荒波にもまれている若い人たちは本当に大変だなあと胸を
     痛めております。(たとえば、これからの子どもたちのこととか・・・)


 
めちゃくちゃに走って月と遊んでいる(桃華)       悠澪
     
小さなお子さんが左右前後に走っては、月がついてくるように見える不思議さ
     を楽しんでいる光景が見えるようです。私も子供の頃、銭湯からの帰り道で月を
     眺めては歩いたり立ち止まったりして不思議を感じていました。


 ・雨やんで虫の音一つほっとして(柳立)     桃華
     
今年のゲリラ雨は凄い、あっという間にざあーっと来て、地をひっくり返す。
     人も車も花も米もめちゃくちゃにして走り去っていく。
      虫たちも流されてしまったかと思いきや、何事もなかったような虫の声。
     癒されますね!生きる喜びをもらったような一夜でした。


 ・君の行く道が私の進む道(悠澪)       英人
     
同行一人の全く麗しい句である。若い恋愛中の二人であれば盲目と言うことも
     あるだろうが、いろいろ経験した熟年であればこれはもう信頼しきった二人と言う
     ことになる。いずれにしろこういう句が作れると言うことは幸せなことである。
 

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  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2008年「課題」
      (9月)夢 (10月)遊ぶ (11月)帰る (12月)みやげ

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    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
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