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     (せんりゅうつれづれそう)

               第80号(20年8月)

苦瓜(ニガウリ)の

(科 目)ウリ科    (花言葉)強壮、情熱
果肉が苦いため苦瓜という。和名はツルレイシ、沖縄地方ではゴーヤ。ツル性の一年生草本。
果実は細長い紡錘形で長さ20-50cm、果肉を構成する果皮は無数の細かいイボに覆われ、
両端は尖り、未成熟な状態では緑、熟すと黄変軟化し裂開する。
さらに完熟した種子の表面を覆う仮種皮は赤いゼリー状となり甘味を呈し、食すこともできる。

苦瓜は最近、東海地方でも家庭用に栽培されているのをよく見るようになった。
わが家でも、妻が苦くない料理法を覚えてきてから、毎年栽培している。
苦手の食べ物からこれだけ好物になったものも珍しい。何事も工夫である。
                      (★印は英人の推奨句)


  課 題   「 珍しい 」

喜怒もなく珍しくもなく無事暮らす    柳立
大笑いクイズに孫の珍回答    美智優
収穫の野菜土産に友が来る    みいちゃん
珍しく早起きしても用はなし    靖坊
帰省した息子が背中流すとは    酒仙
珍しく夫より早く起きたけど     ぺ天使
珍しや靴に浴衣の娘達    ぺ天使兄
珍しく返礼されていい日和    ★ぺ天使妹
来客もないのに妻が掃除する   ★まつぼっくり
珍しい看板の店ふらり寄る    さくら
珍しい地名に惹かれ途中下車     悠澪
秋近し珍味を下げて友が来る    桃華

珍しい話はないが喫茶店へ    英人



「 洗濯物 」    まつぼっくり

そのままに風に揺れてるイカリ肩
木綿シャツ太陽の声聞こえそう
シャツの袖肩にからんで仲直り
★不機嫌もカラリと乾きハッピーに
赤ちゃんの靴下思わず頬寄せる
(乾きが早い夏の洗濯物)


 


  「七十代の喜怒哀楽・第七十三回」
                  みいちゃん


     向日葵は太陽慕い信じ咲く
  ★きょうあった良いことだけに指を折り
酷暑です必死になって料理する
   ゆだる夏心の糸が溶けそうに
      食い下がる執念託す川柳に

    (数えているうちに酷暑終わる)


「夏の花見」    靖坊

夕明かり蹴散らし開花たーまやー
空に向け乾杯をする花火酒
飛ぶ鳥は熱かろう焼き鳥食べる
★散って咲き咲いては散って悔いもなし
散り果てて深さ増したり夏の夜
(花火を花見としゃれて夏)


「蝉しぐれ」    柳立

あちこちと穴を数えて蝉しぐれ
木陰着て元気を出せと蝉しぐれ
エアコンの音にも負けず蝉しぐれ
★蝉しぐれいっとき止んで風通る
(蝉しぐれきて夏の終わり近し)



    (随想)   「空気のような人」    柳立

長年連れ添った仲の良い夫婦は相手を「空気のような人」と言うそうです。
私から妻を見た場合この世で一番信頼のできる正に空気そのものだった。

彼女が逝ってもう七年になる。
毎回私の為だけに作っていた料理、 茶の間のテレビを挟んだ何気ない会話、
 家事に全く不満は無く、帰宅すれば必ず彼女が居た、そんな穏やかな毎日。

彼女の仕草は私の大事な酸素なのだ。
酸素不足の空気を吸い続けると日に日に寂しさが増す。
ただ携帯電話の待ち受け画面、毎日彼女が微笑みを返してくれる、
かすかに酸素を補給して居る今の私。




  「 水 」    ぺ天使

  こだわりの水を求めて人が寄る
新米を炊く水加減慎重に
  水槽で夏バテ知らずメダカたち
寄せる波ギリギリまでにサンダルで
  ★水を待つ日没を待つ草花よ

   (水のあるありがたさ、怖さ)


「 盛 夏 」     美智優

息止めて耳そばだてる蚊の羽音
母親の甲高い声夏休み
★カラコロとそろいの浴衣で行く祭り
他の人を先に行かせるお化け屋敷
夜景見て君と二人で夕涼み

(盛夏には盛夏の楽しみ二人連れ)

「 盆休み 」     さくら

子の昼寝一緒に寝たいが家事がある
義母来たり孫に色々教え込む
祖父母帰りぐったり眠る孫愛し
ありがとう夫が育児の盆休み
★渋滞も子供が眠り平和来る

(子供が寝ているときが盆休み)




・・英人の20句抄・・ 「 夏野菜 」
               
    何となく句になりそうな夏野菜
 かぶりつくトマトの味に旬を知る
 ミニトマト数の多さで勝負する
         ピーマンが好きで皆に嫌われる
                 いつの間に食卓占めていたゴーヤ
               苦瓜の苦さが消えてもの足りぬ
     キュウリの曲がり具合が気にかかる
     堂々と曲がってみせるキュウリです
                     西瓜の取り頃に悩むボクの夏
                    西瓜の熟れぐあい知る音と色
                   夏最中真っ赤な西瓜に敵は無し
  ゆで茄子が好物で妻楽をする
  無駄となる余裕が欲しい茄子の花
       里芋が乾いた畑で耐えている
          粘り気が命のオクラ生き残る
              トウモロコシ焼く臭いに足とられ
                   夏草に覆われ南瓜見あたらぬ
                  絵手紙は南瓜が一つ残暑かな
            ごろごろと冬瓜実って冬支度
          夏野菜使命果たして晩夏なり



    「 お 盆 」     酒仙

オリンピック成績聴いて胸痛む
  何処もかも北京一筋テレビ漬
    甲子園球児の努力影潜め
      ★通う道いつもの顔と今日も会う
        久しぶり兄妹集う孫の声

     (スポーツ漬けのお盆もまた良し))


   「高校野球」    悠澪

    球児らの暑気吹き飛ばす好プレー
  負けたって内容良けりゃ悔いはない
いたずらな風に球児らの一喜一憂
   ★あせらずにあきらめないでまず一点
     球児らの砂取る姿甲子園

       (暑い夏がより暑くなる高校野球)


「 暑い夏 」    桃華

球児も孫もそして私も暑い夏
シャボン玉暑い空へと舞い上がり
★肌焼ける音する盆の墓参り
汗の量孫と争う草むしり
打ち水でやさしい心取り戻し
(日本では暑いから夏という)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 珍しい看板の店ふらり寄る(さくら)       まつぼっくり
     
まさしくこれは旅の心です。ちょっとした好奇心が目覚めるときめき。どきどきして
     扉を開きます。思ったとおりの店であれば1時間くらい物色して何かを買います。
     あまり知らない土地での遭遇であればそれはホントに一期一会の楽しみです。
     そうして部屋に飾った品物を見てはその楽しい時間を思い出します。


 ・肌焼ける音する盆の墓参り(桃華)     悠澪
     
今年の、いえ近年の夏の暑さには本当にうんざりですね。“肌焼ける音する”の
     表現が猛暑を、お墓参りが大変だったことを物語っていると思います。

 ・珍しい地名に惹かれ途中下車(悠澪)     
まつぼっくり
     
この句もまた、旅心ですね。若い頃を思い出しなつかしさでいっぱいになります。
     学生時代は、帰省の途中気ままに途中下車をしていました。ふらり立ち寄った
     ところでの色々な出会い。大げさなことは何もなくても、その町の空気の匂いとか
     子供たちの他愛ない会話とか・・・。なんとなく谷内六郎さんの世界を垣間見たよう
     な満足感でまた古里へ向かう列車に乗り込むのでした。


 ・母親の甲高い声夏休み(美智優)     桃華
     
今年の夏は毎日が酷暑。ただでさえ暑いのに、夏休みで子供らは駆け回り、
     兄弟げんか。うるさい!とつい怒鳴りたくなるお母さん・・・・よく分かります。
      わが家にも近所に住む男の孫二人がしょっちゅう来て一暴れしていきます。
     私はこの時間だけの我慢ですみますが、親御さんは一日中。本当にご苦労様。
     あと少しで夏休みは終わります。

 ・「夏野菜」の一連の句(英人)      まつぼっくり
     
いいですね〜。土と生きる農夫の姿を想いました。こういう風に生きていたら
     人は余計なことを考えずに生きれるのではないかと思います。今や、人間は土を
     離れてしま いました。荒れている若者たちは、でも自分がどうしていいかわから
     ないし、また回 りの大人たちもどう対処したらいいのか見当がつかないのです。
     心の余裕を失ってい く現代人は何処へ歩いていけばいいのでしょう。


 
水を待つ日没を待つ草花よ(ぺ天使)      英人
     
今年の夏は特に暑い。草花も息絶え絶えである。水が欲しい、涼しさが欲しい、
     草花はただ待つだけである。待って待って、耐えて耐えて生きのびる。それに
     比べ人間は行動ができる。この利点は大きい。この利点を生かして生ききろう。


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             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2008年「課題」
      (5月)書く (6月)美しい (7月)舞う (8月)珍しい
      (9月)夢 (10月)遊ぶ (11月)帰る (12月)みやげ

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
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