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     (せんりゅうつれづれそう)

               第77号(20年5月)

連翹 (レンギョウ)の

(科 目)モクセイ科  (花言葉)集中力、希望、希望の実現、
中国原産。葉が出る前に花が咲き、木全体が黄色く色づく。ヨーロッパでも
春を告げる花の代表となっている。果実に解毒・利尿・消炎の作用がある。
枝が垂れて地面に接触すると、そこからすぐに根が出て新しい株ができる。

地に触れると芽を出す連翹の生命力の強さ、今の時期は若葉が眩しい。
今月は青春を思わせる句が数多く見られる。川柳はどの時代の句を作るのも
思うがままである。皆さん十分に川柳のよさを謳歌されているのである。
                      (★印は英人の推奨句)


  課 題   「 書 く 」

  我見つめ姿勢正して写経する   悠澪
  ガラス窓あなたが好きと書いてみる  ★まつぼっくり
  縦書きの手紙に気品漂いて    さくら
  新聞の書き取りクイズ孫とやり    柳立
  書いて消し消しては書いたあなた宛    ぺ天使
  書きとめたメモの置き場所書きとめる  ★ぺ天使兄
  脳内へインプットされずメモをとる   ぺ天使妹
  手紙には絶好調と書いてある   靖坊
  砂に書いたイニシャル波が消しに来る   美智優
  何度でも書いて覚える好きなこと   酒仙
  現代っ子恋文なんて認めない   みいちゃん
  ありがとう 何度書いても足りない語    桃華
  遺書を書き後顧の憂い少し減り   英人





  「携帯電話」    悠澪

遠くても毎日逢おうね携帯で
★返信の速さで愛を計ってる
遠距離を縮めてくれるEメール
彼からの電話に限って電池切れ
マニュアルのとおりにしてもできません

  (携帯電話は便利だが忙しい)



「 初節句 」     さくら

すくすくと成長願う初節句
団地鯉みんな元気に泳いでる
菖蒲湯で家族の健康祈る夜
家康のかぶとに天下取る野望
★子の笑顔囲む顔もみな笑顔

(絵に描いたような幸せしています)



「こどもの日」  靖坊

柏餅大人になっても葉は苦手
低いけど望みは高いこいのぼり
★いい湯だな菖蒲がなくて雑草湯
折り紙の兜装着いざ出陣
川岸で屈原ほどの意地もなく
(こどもの日には子供になるもよし)



「母の日に」   ぺ天使

贈られて亡母にも花をお裾分け
子や孫をひと目見せたい思いあり
★こだわってカーネーションは濃いピンク
無期限の肩たたき券宝物
母の日に電話とメールを待っていた

(母の日は母になった方がいいかも)



(随想)   「 涙 」    ぺ天使

16年前のあの時に体中の涙はすべて流し出したはずなのに・・・・。
でも時に、昔のかわいかったしぐさや言葉を思い出したり、
無期限の肩たたき券をなでたり、
また靴箱に大切にしまってある大きな黒の革靴を
磨いたりしながら、涙が滲んで前がみえなくなるのです。

そんな時には嬉し涙も沢山あるからと
自分に言い聞かせて切り替えることにしています。
その一つに、近いうちに、家族みんなが待ち望んでいた
二人目の孫が誕生するのです。
その時には「初めまして(^O^)」と
パールピンクの嬉し涙が溢れるでしょう。




 「 発 見 」   ぺ天使妹

  ゆりの木の苞に隠された花発見
去年植えたサクラタデに芽 愛しい
  詫助が蕾を持った三年目
新しい発見もある散歩道
  ★ここにきて発見もある夫のこと
   (いつまでも発見があって良い夫婦)

  


「薫風の頃」     柳立

薫風にそよと揺らいだ馬の耳
舞い香る薄紫に藤娘
睡蓮の真白きひかり水香る
赤白と爆発咲きのツツジ園
★目を閉じて雅にふけるカキツバタ
(風に花 楽しむを幸せという)


「平々凡々」    美智優

母の愛ぎゅっと詰め込む梅むすび
あなたのにおいする布団干す
★電話鳴る私じゃないと爪を切る
ご馳走のど真ん中にお漬物
つつがなく一日終えて茶をすする

(平々凡々という幸せもある)



「七十代の喜怒哀楽・七十回」 
              みいちゃん


高齢者赤信号が押す背中
★ 押入れに放り込んでる夢の跡
百合の香を画布から貰う絵画展
直向な愛が煩い反抗期
あんたダレ姑に言われする介護
(押し入れから引っ張り出して夢を追う)



・・英人の20句抄・・ 「道東の旅」
               5月中旬、北海道東部に出かけました。

 道東へ来たと身が知る温度差
 GPSとデジカメ使う旅始め
            湿原を余裕を持って川蛇行する
            一瞬に霧がかかり虚無となる
            霧多布 霧に包まれ謎のまま
                   散歩して朝食前の気分よし
                   偉人像見つけて嬉し根室の町
                   満開の千島桜に夢刻む
     納沙布の先に怨念横たわる
     厳寒に返還の文字かすれる地
     オホーツクの海に寂しい歌聞こえ
        トドワラに見る人生の終末図
        残雪に余命数える旅愛し
                 エゾシカの後をゆっくり走るバス
                 キタキツネカメラ無視して睦みあう
                 バス止めて丹頂鶴は演技する
 感動はいくら撮っても撮りきれぬ
 アレルギーの孫のみやげに苦労する
             異国から帰った気分の三日間
             旅終えて変わらぬものは夫婦仲



  「 中 国 」    酒仙

パンダより食の安全守ってね
 餌で釣る中国政治もう厭きた
   パンダで釣られる国もある世界
 ごたごたと地震暴動隠れ蓑
★隠しても情報社会暴かれる
   (大きすぎる事の難しさもある)

「 追 憶 」  まつぼっくり

なつかしい名前の駅に君浮かぶ
帰り道君の笑顔が華やいで
★美しく笑うあなたを見つめてた
あこがれの君は遥かな空の上
白い花のように生きた君いない

(追憶することがある幸せもある)



「  道  」       桃華

どこまでも続く私の一本道
友達と仲よくしよう行く道は
余計なこと考えすぎて曲がる道
★納得のいく道歩く雨しきり
立ち枯れの木々にも生きた歴史あり

(どこまでも続く道はない!)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・折り紙の兜装着いざ出陣(靖坊)     まつぼっくり
 ・いい湯だな菖蒲がなくて雑草湯(靖坊)
    
まだ小さくて元気のいい男の子が、顔が隠れそうな新聞紙で作った大きな兜を
    かぶって、空き地へくりだしているような姿がパッと浮かびました。そのいかにも
    「自分は強いんだぞ」という勇ましい顔がとってもかわいくて胸キュンものです。
     そういえばこのごろ菖蒲湯もしなくなりました。まだわが家には一人男の子が
    残っているんですが、だんだん行事を離れた手抜きの母になってきました。それ
    にしても菖蒲湯ならぬ雑草湯というのにも思わず笑ってしまいました。どんな雑草
    だったのでしょう。

 ・あんたダレ姑に言われする介護(みいちゃん)     桃華
    
介護は孤独です。今でこそ施設も増え、一人の人の負担にならないようになっ
    たけれど、少し前までは家族(主に嫁)の介護が当たり前だった。大変だったこと
    でしょう。そんな時、介護している人に「あんた誰?」なんていわれたらショックで
    すね。あなたの心境、十分に理解できます。私も現在進行中ですから。


 ・ここにきて発見もある夫のこと(ぺ天使妹)     英人
    
夫婦を何十年やろうとも、お互い知り尽くせないもの。自分自身も変わり、また
    分からぬものだから当然でもあろう。しかし、この発見があって良い夫婦になって
    いくのだろう。
     ここにきてとは、はてどこに来てでしょうか。


 ・赤白と爆発咲きのツツジ園(柳立)    まつぼっくり
    
ツツジのことを爆発咲きというのをはじめてみました。すごい的確な表現でびっく
    りし、またおかしくもありました。本当に小さな爆発が数え切れないほどズラ〜ッと
    続いていますよね。花は一つだけ見るときれいなんですが、あまりたくさんあると
    だんだん「ふ〜ん・・・」といった感じになってしまうのは私だけでしょうか。でも
    こんなふうに「あっ、この爆発は潔いぞ。」「う〜ん、この爆発はいまいちかな?」
    なんて鑑賞しながら花をながめていくのも一考かもしれませんね。


    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2008年「課題」
      (1月)昔 (2月)助ける (3月)亀 (4月)絵
      (5月)書く (6月)美しい (7月)舞う (8月)珍しい
      (9月)夢 (10月)遊ぶ (11月)帰る (12月)みやげ

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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