so076
(せんりゅうつれづれそう)
第76号(20年4月)
花蘇芳 (ハナズオウ)の章
(科 目)マメ科 (花言葉)豊かな生涯、喜び、裏切り、疑惑、
中国原産の落葉低木。葉が出る前に、幹や枝から直接花が咲く。
花が終わると豆の鞘のような実をつける。別名「ユダの木」という。
銀貨30枚でイエスを売ったユダは、この木で首を吊ったとされている。
花言葉は、地域柄、故事・伝説・言い伝え・宗教・小説(物語)等から引用されており、
世界各国で違っている。しかし、豊かな生涯と裏切り、この花言葉は違い過ぎる。
何事にも裏表があるということか。この裏表を上手にとらえると面白い川柳になるだろう。
(★印は英人の推奨句)
課 題 「 絵 」 人の絵に自分も書けると励む人 ★酒仙 桜咲き書いてみようか苦手な絵 美智優 まるで絵だ左手で書く自分の字 靖坊 絵に描いた餅だモデルの夢の服 みいちゃん 絵に描いた幸せ団子君と食べ 柳立 君色に心の塗り絵染まる春 さくら 絵に書いた心の幸せ額に入れ ぺ天使
餅の絵をいくつも書いた六十年 ぺ天使兄 絵の中のムンクの叫び聞こえそう ぺ天使妹 出来た絵を鏡に映し下手を見る まつぼっくり 咲いても散っても絵になる桜 ★悠澪 絵手紙のその一言に癒されて 桃華 春爛漫 絵心起きて戸惑いぬ 英人 |
「メランコリー」 まつぼっくり
気が付かぬうちに病に侵されて
杖をつき歩いているのは私です
表情を電車の棚に置き忘れ
仮面つけまだ生きなくちゃダメですか
★退屈なわれと向き合う昼下がり
(人生山あり谷あり、耐えて待つときもある)
「七十代の喜怒哀楽・六十九回」
みいちゃん
知ってても初めて聞いた顔をする
笑い過ぎ血圧上がるのも忘れ
可愛いとベビーを褒めていぶかられ
早口で人の二倍も話す我
★上天気お花と会話する平和
(人生は喜怒哀楽、上手に付き合い分け)
「 惜 春 」 柳立
★春祭り賑わい終えてまだ寒く
散り桜雪より白く庭に敷き
流れゆく光る思い出花筏
夜桜も続く雨音葉桜に
おぼろ夜に替わって鳴いた渡り鳥
(人生、出会いがあれば別れもくる)
「新入・進級」 美智優
風吹けば新入生に桜舞う
通学路子等を見守る地域の輪
★席替えで隣に来る子誰だろう
真新しいスーツの肩に舞う桜
飛び立つ子平和へ続く道長し
(人生、初々しさに勝るものなし)
(随想) 「 春 」 美智優 二月のまだ寒い頃から鶯は歌の練習を始める。 「チャッチャッ チャッチャッ・・・」 「ホーホケッ ホーホケッ・・・」 寒いのが苦手な私は、春の近づきに喜びを感じる。 そして、「ホーホケキョ、ケキョケキョケキョ」と、 上手に歌えるようになると桜が咲き始める。 そうなると、私はなんとなくウキウキしてくる。 もともと出不精なのに加えて、歳とともに悪化してくる 持病のために、日頃から外出を苦痛に感じているのだが、 そんなことも忘れて外へ出かけたくなる。 日の光を浴び、色とりどりの花を見て、 真新しいスーツを着た新社会人と思われる若者たちを 見かけると、いよいよ新年度の始まりだと、わくわくしてきて この先何か良いことが待っているような気がする。 “春”には人を元気にする力があるようだ。 |
「 鳥たち 」 ぺ天使
ムクドリに蕾食われてハナミズキ
ホーホケキョ声する方へ後戻り
★一羽来てまた一羽来てオシドリよ
電線のスズメ数えぬうちに飛び
鳩だけは豆を求めてそばに来る
(鳥にもあるそれぞれに生き方)
「 花 」 酒仙
★桜散り心に何か求めてる
心地よい花より団子酒すすむ
花の時期神仏和楽浮かれてる
庭に咲くいろいろの花覚えれない
近づいて匂い嗅ぐ鼻つい惚れる
(人生に花あり、鳥あり、四季があり)
「 春の雨 」 さくら
★しっとりと桜も濡れていい女
飲みすぎの言い訳桜のせいにする
春雨に打たれて今年初の風邪
つややかに桜が光る雨上がり
待ちわびた桜も終わる春の雨
(さくらが桜を詠う、いい季節)
・・英人の20句抄・・ 「 スケッチブック 」
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「歯の治療」 悠澪
ご馳走を前に虫歯が痛み出し
問われても返事できない治療中
★あの医者は何度加齢と言っただろう
削る音聞けば奥歯が痛み出す
治療あと唇痺れもの言えず
(いい歯があっていい人生)
「 裏 」 靖坊
樹の陰になっているからここが裏
★花びらの裏を見せない桜たち
読み終えて裏表紙にも陽を当てる
花びらを噛みながら行く裏道で
花吹雪裏も表もわからない
(何事も表があって裏がある)
「 桜 」 桃華
いろいろな思いを込めて見る桜
夜桜もときに悲しい顔をする
記念写真サクラの下で満面で
★散るときも美しく散るサクラかな
来年もきっと見ようと約束を
(春は桜、花は桜、人生は忍耐)
(鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ ・上天気お花と会話する平和(みいちゃん) まつぼっくり 今年は何となく気ぜわしくてゆっくりお花見をする機会に恵まれませんでした。 しかしある日ふと、ちょっとした待ち時間、そばに桜の木があるのに気が付きまし た。今を盛りに美しく咲いていました。晴れていて空は淡いブルー。花々は桃色に 輝いて、「ああ、なんてきれいなんだろう」とうれしくなりました。ひとときを花と 会話しました。ゆったりした暖かい気持ちが心のそこから湧き出てくるような思い でした。これを平和というのでしょう。 ・杖をつき歩いているのは私です(まつぼっくり) みいちゃん 最近名古屋の伏見まで久し振りにでかけましたが、階段の上り下りをするのに 手摺に掴ってゆっくり歩きました。 若い人の中にも私に調子を合わせてくれる 人、さっさと先に行ってしまう人と 色々ですね。 杖を買う事にしました。今まで杖を持つ事に凄く抵抗があったのですが、友人が 転んで大変な目に遭遇するのを目の当たりにしたりすると、恥かしいなんていら れません。後期高齢者に線引きされちゃったのですから、歳を認識しなくてはいけ ませんね。 ・一羽来てまた一羽来てオシドリよ(ぺ天使) 英人 オシドリはいつも一緒いる姿しか浮かばない。慕うように後からやってくる。 これも仲のよさ。この着眼はなかなかのものである。こういう上品で少しエスプリ のきいた川柳を作りたいものだ。 ・花びらの裏を見せない桜たち(靖坊) 桃華 桜は可憐でやさしいイメージがあるけれど、裏側を見せず咲き誇っているという のは、見せられない何かがあるのだろうか。 人は他人には良いところだけを見せたい気持ちが大きいけれど、誰か一人で いいから自分の弱点を知って欲しい気持ちもある。裏を見せずに咲いている花 たちもきっと誰かに裏側も気付いて欲しいと思っているに違いない。そう思うと ますます愛おしくなってくる。 ・春爛漫スケッチブックを買い求め(英人) まつぼっくり なんというのどけき風景でしょう。スケッチブックを片手に好きな風景の前に立ち 尽くすなんてこと、完璧に忘れていました。自分の時間を思うように取れない生活 の中で、自分のことは一番後回しに生きているのですね。それはそれで幸福な 選択ともいえるのですが、この句と出会って自由な時間を思い切り自分のため だけに使えていた時代を思い出し、とてもなつかしく思いました。 ・席替えで隣に来る子誰だろう(美智優) まつぼっくり 新しいクラスになって誰の隣になるかというのは子どもにとって、とってもスリリ ングなできごとのようです。ましてクラス替えがあって仲のいい子とみんな離れ ちゃったなんて時はなおさら・・・!子どもの世界って、子どもが小さければ小さい ほどとっても深刻な問題が多いみたいです。うちの子も小学生の頃はいつも仲 のいい子と離れてドッキドキの新学期のようでしたが新しい友達ができてそれな りに楽しい一年間をすごしていたようです。 投稿をお待ちしています |
「川柳連れ連れ草」への投稿案内 次の要領で川柳及び感想文を募集します。 投稿をお待ちしています。 1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度 メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて ください。課題の題は2)の通りです。 2)2008年「課題」 (1月)昔 (2月)助ける (3月)亀 (4月)絵 (5月)書く (6月)美しい (7月)舞う (8月)珍しい (9月)夢 (10月)遊ぶ (11月)帰る (12月)みやげ 3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文 (150字以内)も募集いたします。 4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行 います。感想文もその句のページに随時掲載します。 掲載方法は一任してください。 5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。 川柳投稿 |