so074
     (せんりゅうつれづれそう)

               
第74号(20年2月)

花 月 (カゲツ) の 章

(科 目)ベンケイソウ科  (花言葉)一攫千金、温厚、幸運が招かれる、
俗称は金の成る木、
和名でフチベニベンケイという南アフリカ原産の多肉植物。
低温に弱いが、乾燥には比較的強い。肥料をほとんどやらないでも育つ。

旅先で花をいっぱいにつけた金の成る木を見つけた。わが家にも金の成る木は
あるが、残念ながら花をつけたことはない。花をつけやすい木と、つけにくい木が
あるようで、わが家の金運のなさのせいだけではないようだ。
金の成る木とはいかにも俗っぽいが、花月とはまた優雅な名称である。
物事にこうした二面性はつきもの、良いものを伸ばしていきたいものだ。
                      (★印は英人の推奨句)


課 題   「 助ける 」

助けたと思う心が助けられ    酒仙
助けたいせめて手紙で慰める    みいちゃん
助けてと叫ぶだけでは助からぬ   ★ 靖坊
思いやる夫の言葉に助けられ   美智優
居るだけで不安な気持ち助けられ   さくら
SOS水を求めてシクラメン   ぺ天使
助けられ助けられ来てこの歳に ★ぺ天使妹
飼い犬の交わす笑顔に助けられ   柳立
愚痴聞いてあげてるだけの助け舟   悠澪
人助けしたと言う夫われを見て  まつぼっくり
躓いてさっと手を出す友がおり   桃華
最後までボクを助ける妻だろう   英人



 「 娘 」    美智優

娘が入れるコーヒー癒しあり
思惑を見透かし娘熱を出す
腹立てど親は娘を許してる
娘発つ前夜夜通し話しする
★親ゆえに言えぬことあり娘には

  (母親と娘に理由はない)


  


「七十代の喜怒哀楽・六十七回」 
              みいちゃん


★年輪が降り積もる身に心にも
飾らないわたしの姿見て欲しい
神様のなさる事ですミスはない
不安増す後期高齢制度です
純粋な気持ちは人に伝わらない

(純粋な気持ちは伝わると信じ)


「恩師の死」     酒仙

  電話から知らせる声が踊っている
   気を使う恩師の訃報胸痛む
   ★物言わず微笑む顔に目が潤む
   死の知らせこのときばかり友に会う
   さまざまのおもい伝える恩師の死
    (死を持って教わることがある)


・・英人の20句抄・・ 「 確かな明日 」

     鬼は外過去と決別図ります
   確かな明日を呼び込む福は内
 七草の意味を考え食べる粥
                使い手がなくなったピアノ朽ちていく
                  古い家具早く捨てよと妻は言う
                   古井戸を残してボクの危機対策
                     アルバムを捨てる決意は先のこと
           使い道見つけてゴミがひとつ減り
         椋鳥から学ぶことあるエコ生活
                      二歳児の覚えのよさに帽子脱ぐ
                         神童といいたくなるボクの孫
   粗大ゴミならないようにただ歩く
    真新しい駅で思い出消えている
      後半は片道切符でただ走る
        占いに任せた旅は蛇行する
          人の名が一瞬消えてうろたえる
                     空腹の時があって知る豊かさ
                   柏手を打つ善人の顔になる
                早咲きの水仙見つけ春気分
              三月を前に確かな明日が見え



「冬の楽しみ」    さくら

★世の中のニセモノ達よ鬼は外
福は内豆まき後は大掃除
バレンタイン本命チョコは一握り
チョコ渡す胸のときめき忘れたな
軽やかにワルツを踊る粉の雪

(そして、春の楽しみ、愛児の楽しみ))



  「万両の実」     ぺ天使妹

 いつになくたわわに緑の実をつけて
   厳寒に万両の実の数細る
★時満ちて真っ赤な実へと変身し
     三年ぶり万両の実は雪かぶり
  正月に活けた万両なお健在

   (ここにも金にまつわる木があった)

   



「 浮 輪 」    靖坊

水中の心は重く沈み行く
身を寄せた浮輪の空気抜けている
★膨らまそう浮輪の中へ息と夢
夢一杯浮輪に詰めて手を離す
沈み行く心に夢は似合わない

(ここにも助けられるものがあった)


(随想1)  「ビリーズブートキャンプ」  靖坊

昨年大ブレイクした短期集中型エクササイズ「ビリーズブートキャンプ」、
まだ頑張って続けております。知らない方の為に少し紹介しますが、
長時間かつ超ハードなラジオ体操と考えてもらえればよいでしょう。
もちろん肉体への負荷はラジオ体操とは比べ物にならない程キツイので、
こんな体操を夏休みの早朝に毎日実施すれば、数日で参加者は一人も
いなくなるものと思われます。ある意味、拷問に近いような激烈な運動で
ある訳ですが、基本的に軟弱な私が、なぜ入隊して半年経過した今でも
続けていられるのかと言えば、「皆でやっているから」・・・これに尽きるでしょう。

テレビの画面の中の「皆」とは言え、自分と同じように汗を流し、
苦しみに耐えて体を動かすナイスバディなお姉さんたちの姿は、
間違いなく自分のやる気を倍増させてくれています。それがなければ三日、
いや、三分でDVDの停止ボタンを押しているに違いありません。

一人ではなく皆でやる事が継続力に対して如何に大きく貢献しているか、
その効果の大きさをしみじみ感じるのですが、それはまた、
この川柳も同じことで、ここまで続けて来られ、まだまだ続ける気で
いられるのは皆さんのおかげだと思っています。




  「 靴 」      まつぼっくり

     軍艦の寄港の如し靴並ぶ
    靴下の色でごまかす破れ靴
百足も持ってあなたはムカデかな
一足を履きつぶすまで買わぬ主義
  ★赤い靴履くとなんだか軽くなる

      (何見ても句になる感性))



「 花粉症 」   ぺ天使

連発のクシャミで止まった今朝の経
日によっていたずらをする花粉たち
★春風に混じった花粉にいじめられ
誕生日来るたび花粉が強くなる
延期したランチの約束花粉症
(辛さの次が待っている)
 



「 夫 」    悠澪
............

プラモデル手にする君は口利かず
君のそば君の笑顔と君の声....
君とならたとえ茨の道だとて
★君からの便りもなくて雨模様
うちの君涼しい顔でうそをつく
(君と言える人がいる幸せ)


 


 (随想2)  「晴天の霹靂(U)」  ヒロ・アキニレ

正月過ぎに思わぬ人から電話をもらいました。
高校時代に思いを寄せた人の娘さんからでした。
その人は15年前(当時52歳)脳内出血で倒れ、
以後半身不随となりました。2年前には奥様を亡くし、
今、特別養護施設に入っているとか、
俳句を作る事が、唯一の楽しみで、
作ったものを冊子にして欲しいとの電話でした。
早速パソコンで句を打ち、和紙で表紙をつけて
句集を作ってあげました。

それを手にした時の父は大喜びで、周りの人に見せて、
同級生が作ってくれたんだと自慢したそうです。
父にとって最高の日でした。と娘さんから礼の電話が入りました。
沢山の思い出があって、沢山のホンワカを味わえます。




     「義理チョコ」     柳立

   義理チョコの数は激減定年後
★義理チョコにちょこっと咲いた春えくぼ
  やっと来た一番チョコはほろ苦く
 この日だけ手作りハートの形は良く
    お返しは忘れないでと義理固く

     (まだチョコが来る君の幸せ)



「 カ ゼ 」    桃華

もらってはいけないカゼをもらってきて
部屋中に菌を散らしている夫婦
★止まらない咳の重さよ生きている
あのカゼも孫が運んできたらしい
薬飲む元気になれよ笑顔になれよ

(カゼひくも生きているうち)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・身を寄せた浮輪の空気抜けている(靖坊)       まつぼっくり
   
 私にも全く同じ思い出があります。小学生の低学年の頃、海で沖まで出ていい気持ちで
    揺られていました。ふと気づくといっぱいにふくらませていたはずの浮き輪がいつのまにか
    空気が抜けていてぺっちゃんこになっているのです!必死で浮き輪の口からふーふー息を
    吹き込みましたがなにせあせってしまっているのでうまくいきません。真っ青になりましたが、
    近くにおばあちゃんがいて助けてもらいました。靖坊さんはどうされたのでしょう。


 
・日によっていたずらをする花粉たち(ぺ天使)      桃華
     これからいよいよ花粉症の季節。風が吹けば花粉達は気持ちよさそうに空中を飛び回り、
    元気溌剌。その代わり、人間の方はクシャミの連発、相反しますね。早く対策を施して、元気
    に生活をしましょう。

 
・物言わず微笑む顔に目が潤む(酒仙)      英人
    哀しいことがある。言葉をかけても声も出ず、ただ哀しく微笑むだけ。そんな顔を見ると
    ついこちらの目も潤む。年老いてそんなことも多くなる。人生の定めと、自然に任すより
    仕方ないことではあるが・・・・。
     先ほどもそんな来客があり対応していたが、ある程度の期間がたったら、笑顔を取り
    戻して欲しいものだ。


    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2008年「課題」
      (1月)昔 (2月)助ける (3月)亀 (4月)絵
      (5月)書く (6月)美しい (7月)舞う (8月)珍しい
      (9月)夢 (10月)遊ぶ (11月)帰る (12月)みやげ

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

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