so072
     (せんりゅうつれづれそう)

               
第72号(19年12月)

万年青(おもと)の章

(科 目)ユリ科  (花言葉)崇高な精神、長寿、長命、母性の愛、
おもとは「大元」の意味で大きな株をあらわす。寒い冬にも緑の葉の色を変えない
所から「万年青」の文字があてられ、めでたい植物とされている。お正月の花として
緑の葉と赤い実は重宝され、また新居の玄関に飾ると 縁起がいいと言われる。

万年青は文字からも、花言葉からも、いわれからも非常に好ましい。
わが家の庭には、鳥が種を運んでくるのか、沢山の株が知らないうちに増えている。
この縁起を生かしてこれからも生きたい。ここに集う人は万年青年を自称しよう。
こうして川柳連れ連れ草は6年目も無事走りきりました。
                      (★印は英人の推奨句)


課 題  「 ラブレター 」

にっこりと微笑む顔がラブレター    靖坊
ラブレター悩みの重さも八十円     柳立
ラブレター貰った人と住んでいる  ★ぺ天使
ラブレター束ねて焼いた夢をみた   ぺ天使兄
ラブレター貰ったかしらと問うてみる   ぺ天使妹
ラブレター恋の数だけございます   まつぼっくり
亡き夫のラブレターまだ持ってます   みいちゃん
ラブレター書いては消してまた書いて   美智優
改めて夫へ感謝のラブレター    悠澪
ラブレター心に永久保存済み   ★さくら
いつまでももらった手紙しまい込む   酒仙
死ぬまでに必ずくださいラブレター   ★桃華
年を経て重みが増したラブレター   英人



「遠い日の記憶」    まつぼっくり

出かけては迷子になったよその国
冬木立まるで寓話の森のよう
★迷い込み森から出れぬ小人です
宇宙までつながっている高い空
道を行く人は誰でも宇宙人

(出かけては、新しいことを知る))

             


「七十代の喜怒哀楽・第六十六回」
                みいちゃん


    老医師は触診をして話聞く
病癒え友がご馳走してくれる
      デーケアのふっくら美人人気者
  若者の倹約言葉耳傾げ
  ★老いたって品格備え前向きに

   (病癒え、新しい年近し)


「December」     さくら

イブの日は用は無くても早帰り
年賀状手付かずのままクリスマス
この胸の高鳴り届かぬメールです
★家族増え丸いケーキを注文する
キャンドルを点し貴方を待つ聖夜

(家族増え、笑い声増え)



  「 年の瀬 」     柳立

  何となくこんな坂の一里塚
   赤青黄電飾祭りも温暖化
★流星群寒空見上げ夢を待つ
   鍋囲む雪の便りが味加え
人混みの駅まで来ると赤い羽根
  (赤青黄、注意して渡ろう)




・・英人の20句抄・・ 「 ボク走る 」

          人並みにボクも走って師走です
          年末と追い立てられて庭を掃く
 人を責め私を責めて年の暮れ
 平凡に走ってここまできたけれど
     引き出しに詰めた思い出朽ち始め
     傷口をさらけ出し気が軽くなる
                  結論が見えにくくなってめがね換え
                   右左振り子揺れつつ思案する
               ラブレター決断が揺らぐ黄信号
               赤信号立ち止まれば回り見え
               信号は青 決断をするは今
         遮断機が降りて舞い込む運もある
         予定のない休みも時にはあります
                  落ち葉落ち空見上げて気分新た
                  椋鳥に残した柿があとひとつ
     大掃除始まって書く年賀状
     年賀状一年に一度書く便り
     年賀状書き終えゆっくり蕎麦を食べ
                門松を立てたら過去と縁を切る
                ぬかりなく準備して春待っている



「 年の瀬 」       酒仙

 としのせの思わぬ人の知らせは死
  ★としのせを迎えることに吉と凶
 子の気持ちうれしさもあり悲しみも
 としのせは思わぬひとから届け物
  年の瀬はあれもこれもとせがまれる
(としのせは、次への一里塚)



  「 砂時計 」   靖坊

いつもより砂早く落ちていく師走
過ぎていく日々のはかなさ砂の音
★落ちきればまた砂山の粒となる
砂積もるように重さを増す人生
除夜の鐘また一粒から始めよう

   (過ぎていく、そして新しいことが来る)



「 冬到来 」     悠澪

なまんだぶ湯船に浮かぶ祖母の顔
戸をゆする風に身震いコタツ出す
木枯らしが吹いて洗濯辛くなる
★風邪引くな北海道は雪という
暑くても寒くても厭動くのは

(戸をゆする、心をゆする句もある連れ連れ草)


(随想)  「今年また何もせぬまま師走入り」
                       悠澪

新年を迎えるたびに「今年こそは・・・」と夢を描いたり、
目標をたてたりするのだが、正月休みが終わると仕事と家事に
追われてそんなことはすっかり忘れてしまう。
ふと気がつくともう師走である。
月日の流れはなんと速いものだろう。
今年もまた何の進歩も変化もなく終わりを迎えることになり、
私は本当に駄目な人間だと落ち込みそうになる。

しかし、無駄に年を過ごしてしまったと嘆くのはやめよう。
何事もなく家族が平和に過ごせたことを良しとしよう。
これからもささやかな夢を持ち、自分なりに、自分らしく生きていけばいいのだ。
来年も無事に過ごせますように・・・、そして皆様に幸多からんことを・・・。




  「シクラメン」    ぺ天使

陽の当たる窓辺が似合うシクラメン
十歳の蕾は固いシクラメン
噂では香りあるらしシクラメン
★この冬を一緒に過ごすシクラメン
春までは疑いもせずシクラメン

  (噂では****は良いらしい。)


                 

「年の暮れ」    美智優

ファイト湧く大掃除だぞ年末だ
★アルバムが片付けの手を止めさせる
主婦の辞書御用納めはありません
でしゃばらずコツコツ生きて年の暮れ
振り返りゃいつも家族に甘えてた

(ファイトだ、ファイトだ、何はなくてもファイトだ)


「冬眠します」     桃華

一日も休まず学校通ったよ
友だちがボクより速く走っている
本読みがうまいと皆にほめられて
失敗をしてきた道だが帰りゃんせ
★二学期終了そろそろボクも冬眠だ
 
             ・・・・・この辺でボクは冬眠します。長い間
                  お付き合いありがとうございました。

(成長してまた活躍ぶりを見せてください)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ラブレター貰った人と住んでいる(ぺ天使)   まつぼっくり
    
羨ましい!・・・夫からラブレターを貰ったことが一度もありません。ラブレターどころか
    手紙さえ。私は結婚前に一度だけ手紙を出したことがあります。昔は本当に筆まめで
    したが今はとっても億劫です。でもメールがあるおかげで遠くに住む子供たちとも簡単に
    話せて、筆不精な私には本当に助かっています。メールがなかったら多分「川柳&
    ウオーク」にも参加していなかったかもしれませんね。ネット社会の賜物といえるかも
    しれません。

 ・鍋囲む雪の便りが味加え(柳立)       桃華
    
鍋は人数が多いほどおいしいですね。鍋の回りに人が集まれば話も弾み、心も
    温かくしてくれます。この句から家族の楽しそうな笑顔が見えてきます。


 ・除夜の鐘また一粒から始めよう(靖坊)       英人
    
除夜の鐘が響いて、そして新年です。刻の流れに何の区切りもないが、天体の
    動きに併せて暦を作り、生活にメリハリをつけてきた人間の知恵。この知恵を上手に
    生かさねばいけない。昨年までの嫌なことは忘れて、またイチから始めよう。作者は
    健全、健康である。

    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2008年「課題」
      (1月)昔 (2月)助ける (3月)亀 (4月)絵
      (5月)書く (6月)美しい (7月)舞う (8月)珍しい
      (9月)夢 (10月)遊ぶ (11月)帰る (12月)みやげ

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


             川柳投稿


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