so071
(せんりゅうつれづれそう)
第71号(19年11月)
千 日 紅 の 章
(科 目)ヒユ科 (花言葉)不朽、変わらぬ愛、
ボンボンのような可愛らしい丸い頭花をつける一年草の園芸種。切花や鉢植え、花壇に
植えられ、乾燥しても色褪せしないのでこの名があり、ドライフラワーとしても使われる。
「名は体を現す」というから、千日紅は百日紅(サルスベリ)より10倍
長持ちするのだろうか。百日草、日々草はどうだろうか。名称と特徴を
調べるのも面白い。川柳も人間を少し斜めから見ると面白い句になる。
(★印は英人の推奨句)
課 題 「 似 合 う 」 無精ヒゲ似合う男に色香立つ ★まつぼっくり 気が付けば似合いの夫婦になっていた ★悠澪 わが町に高層ビルは似合わない 美智優 やる気出たわたしに似合う仕事来る みいちゃん お似合いと言葉上手にのせられて ぺ天使 お似合いの言葉に踊り無駄使い ぺ天使妹 バーゲンも似合う似合うと妻を上げ 柳立 いつまでもスーツの似合う父でいて さくら 陰日向無い人ほど影薄い 酒仙 叱られる辛さに似合う寒い空 靖坊 孫よりも似合う帽子を探している 桃華 歳だから似合うネクタイ見つからぬ 英人 |
「お留守番」 靖坊
餞別はいってらっしゃいの言葉だけ
★お土産はただいまの笑顔だけでいい
南国の夢を見ながらお留守番
パンフレット閉じて夢想の旅終わる
永遠に終わらぬ留守番ひとり暮らし
「 秋 」 美智優
一年の苦労が消える収穫祭
新米が箸の動きを活発に
秋風が吹いて一枚衣増え
夏疲れ湯舟に沈め癒される
★冬間近胸に染み入る寂しさよ
「 夜 長 」 柳立
夜学と云うお茶の道具にまた学び
独学のパソコン画面につい夜中
早寝して早起きオリオン目の前に
★シンとして日記短く夜は長く
時雨来て柿まで食べて句をひねり
・・英人の20句抄・・ 「 まだ未練 」
|
「 みかん 」 ぺ天使
みかんの皮剥くまですねる孫娘
選ぶ手は大きいみかんの方へ向く
買ってその上貰ってみかんの中
ジャンケンで勝ってみかんが増えてくる
★噂では平たいみかんが甘いとか
「 商店街 」 まつぼっくり
人々に忘れ去られた商店街
売り出しに客も電話も来ない街
向こうまで見晴らしのいいアーケード
★色々と言いつつ持った二十五年
お客様仏に見える日もありて
(随想1) 「 地球の管理人 」 ぺ天使妹 先日、チベット人学者の講演を聴く機会を得ました。 仏教人としての謙虚なお姿からは崇高ささえ感じ、 こころ洗われるひとときでした。 「人間のエゴイズムが、小動物から植物に至るまで すべての生物に悪い影響を与えている。 私たち人間一人一人が地球のことを思って生活していれば、 現在のような危機を迎えることはなかったであろう。 かけがえのない地球をこれ以上壊すことのないよう、今一度、 地球の管理人としての自覚を持って生活しようではないか」 と言うお話は真剣に受けとめなければならないと思いました。 |
「 夜 長 」 悠澪
読み返す日記に目立つ誤字当て字
思い出をしまいこんでるアルバムに
虫の音絶えて月と会話する
★今日も無事終えて感謝の手を合わす
頑張った自分に送る努力賞
「 お供え 」 酒仙
お供えに注文つけぬ神は知る
この時期はいつもどうりの物ばかり
お供えはところと場所で品代わる
いいときと悪いときとの差が出てる
★七五三女の子には着物着せ
「七十代の喜怒哀楽・六十五回」
みいちゃん
★ 起床する生きてる幸を噛みしめる
心労でダウンやる気が消え失せる
逆境にこそ真価が現れる
複雑なリバーシブルの心です
決断を即座に下すのは自分
(随想2) 「 心 労 」 みいちゃん 突然わたしより一回りも年下の弟の介護をする身になり 年齢のゆえんもありわたしなりに万全を尽したが、 心労でダウンしてしまいました。 「健全な精神は健全な体に宿る」ということを痛感しました。 コレではいけない今死んで たまるかと 医者のアドバイスも素直に受けて薬を飲みました。 やっと一ヶ月以上経過したいまどうやら元気を 取り戻しました。 十一月は投句が出来て幸せです。 「ピンチです私の真価試される」 自分がピンチに弱い事を改めて認識した思いです。 もっともっと強靭な精神を持たなくてはと思いますが、 やっぱり喜寿という年齢は感じます。 |
「新米ママ」 さくら
寝顔見て全て忘れる悩み事
★泣き声で気持ち判る日来るのかな
ひとつでも自分に似てるとこ探す
皆からの祝いの言葉が良い励み
息ひそめ起こさぬように忍び足
「 空仰ぐ 」 桃華
★空仰ぐ けんかしたこともう忘れ
空仰ぐ 九九が上手に言えました
空仰ぐ 悔しいけれど負けは負け
空仰ぐ 焼きいもの匂いしてきたよ
空仰ぐ みんなみんな元気だね
(鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ ・一年の苦労が消える収穫祭(美智優) ぺ天使妹 数年前のこと、鹿教湯(長野県)への旅先で神社へ参拝したところ、ちょうど収穫祭が 行われていました。地元の方々は山の幸を前にお酒を酌み交わし、満ち足りた笑顔で 話が弾んでいました。この句より、その時の光景が鮮明に思い出されました。天候に左右 される農業というお仕事の大変さに、収穫の喜びはひとしおだろうと感じました。旅人の 私たちにも「どうぞ、どうぞ」とお酒ときのこ汁を振る舞ってくださり、素朴な温もりに触れた ことです。 収穫祭 旅人の背に赤とんぼ ・複雑なリバーシブルの心です(みいちゃん) まつぼっくり 「心労でダウンやる気が消え失せる」「逆境にこそ真価が現れる」も好きな句です。 大変なご苦労をされているみいちゃんさんだけに重い言葉ですね。まだまだ脳天気に 暮らせている自分にとっては本当には実感できない思いです。実際にこのような状況に 出くわしたとき自分に何が出来るのか、また何か出来るのだろうかと思います。未熟者の 私ですが、今回のみいちゃんさんの言葉は深く胸に沁み込みました。これらの句に出会え たことを感謝したいと思います。 ・向こうまで見晴らしのいいアーケード(まつぼっくり) 悠澪 シャッター通りという言葉を見事に言い当てた句だと思います。人でにぎあっていた 頃の商店街を思うと寂しい気持ちにさせられます。 ・いつまでもスーツの似合う父でいて(さくら) 英人 スーツはキチンとしたもの、それが似合うにはシャキッとしてしていなければならない。 逆にスーツを着ればシャキッとする。それでも似合わなくなったら退場だ。と言いながら、 娘らはどんな目でボクを見ているのだろう。聞くのは怖い。 ・早寝して早起きオリオン目の前に(柳立) 桃華 久しぶりに早寝早起きしたら外はまだ暗く、オリオン座が目の前に迫っていた。その 輝きは感動的だったことでしょう。これも早寝早起きしたおかげですね。昔から「早寝 早起きは三文の得」と言われますが、まさにその通り。良い1日になりましたね。 投稿をお待ちしています |
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