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     (せんりゅうつれづれそう)

               第69号(19年9月)

藪 蘭 (やぶらん) の 章

(科 目)ユリ科  (花言葉)隠された心、忍耐、謙遜
藪のようなところに生え、葉がランの葉に似ていることからこの名がある。
常緑多年草で花期は6〜10月、 草丈30〜50cm、葉は根生。
長さ40cmぐらいの花茎を出し、総状花序をつける。

「名は体を表し、花言葉は心を表す」、木々の下で耐えながら凛と咲く藪蘭、
藪蘭を調べてこんな言葉を思いつく。すぐに忘れてしまうことではあるが、
知るのは楽しい。川柳を作るのもまた同じ楽しさである。
                      (★印は英人の推奨句)


 課 題   「 泣 く 」

泣き顔もとても愛しい我が宝    さくら
介護の日孤独のわれに救いの手   みいちゃん
俺一人思う心で妻が泣く   ★ 酒仙
人生はあの産声がスタートだ   ★悠澪
泣き止んでにっこり笑ったママの膝   ぺ天使
涙腺が加齢とともに緩みがち   ぺ天使兄
訴える手立てはひとつ赤子泣く   ぺ天使妹
涙せぬ非情な我に涙する    靖坊
思い切り泣いて心が軽くなる   まつぼっくり
思い切り泣いて明日から出直しだ    美智優
犬が泣く空は関せず稲光る     柳立
泣き顔は見せないようにごあいさつ     桃華
感動で泣くこと忘れ歳重ね    英人




「 退 職 」  靖坊...............

パラシュートなく飛び降りる退職す
★自由落下自由の風に息詰まる
働いても働かなくても24時
職業欄 家事手伝いと書いてみる
生きることだけは今でも継続中
(退職?・・・ボクは負かされた)


「夏から秋へ」   美智優

★蝉時雨部屋の温度が二度上がる
体内で百鬼が騒ぐ猛暑日は
休日は蝉よ朝から鳴かないで
黄昏てヒグラシの声寂しげに
物寂し秋の気配がそこかしこ

(足踏みしてじらしながら秋は来る)


  「七十代の喜怒哀楽・第六十四回」 
                 みいちゃん


ダイエット成功したと言いふらす
 ままならぬ世に七色の闘志滾る
  喋っても無駄だと思う日もあって
   ああ人生試練がまたも降って来た
    ★若さっていいなひとみが眩しいね
   (成功しないのがダイエット、すぐ戻る)



・・英人の20句抄・・ 「 遠い秋 」

          どこまでも続く猛暑と思わぬが
           抵抗を示して秋が遠くなる
             秋ひとつ近寄りがたいボクの癖
 夏過ぎて空元気だけが残っていた
 空元気ポケットに詰め家を出る
 詰めすぎてポケットの穴が広くなる
 空元気それも頑張っている証
                      自己否定重ねて遠い終着駅
                   終着駅扉が開きする決意
           味方だと思っていたのは彼岸まで
        その色は行き場をなくす彼岸花
      新聞を丸めて世間狭くなる
    責められて責めて自由が欲しくなる
              丸くなって使い道が広い石
               利用価値まだあると孫寄ってくる
                 敬老の日に孫から電話来る
        早起きし窓開けるのが日課です
        傷口は気にしないと小さくなる
                 いまだ未練なかなか秋になりきれぬ
                 言い訳がまだまだ続く残暑です




「 歳重ね 」     悠澪

風鈴に涼をいただく熱帯夜
★まな板の音が年々遅くなる
またひとつ歳を重ねて進歩なし
終電に疲れた顔が並んでる
たそがれて家路を急ぐカラス二羽

(進歩なしはまだいい方と知れ)



  「 温暖化 」   まつぼっくり

手のひらに地球の重さずっしりと
  戻れない地球の涙見えますか
欲望が破壊招いた青い星
  ★この星を壊してしまったのは私
子供らに謝りきれぬ罪の数

   (良いことと言えぬ暖かさもあり)


「 仏 心 」   酒仙

 勝ち負けは仏になれば皆同じ
 急ぐなとあれほど言っても馬の耳
 森林をとぼとぼ歩き出会う佛
 馬面と言われてジット鏡見る
 ★罪許す 仏心で罪つくる

(川柳で仏心という言葉知る)


(随想1)  「 メキシコ訪問 」   酒  仙

平成19年7月23日から28日までメキシコの地を訪問してきました。
一緒に旅をするお友達は7年前にメキシコにご夫婦で住んでいた人です。
昨年、私は別の友人と二人で訪問していますが、今回は夫婦連れと
いうことで違った視点、角度で旅することが出来ました。
また今まで予測もできないことを体験することができました。
それは現地人の家庭に招待を受け歓待してもらったり、
アステカ文明の別の場所を知ることができました。
日程は一週間と短い旅のため、日本の国土の5倍の面積の国ですから
何度訪れても全てを観光することができないので大変残念でもあり、
また訪問する気持ちをかきたてられたりします。

最初は現地人の指導のため訪問したのがきっかけで、数多くの現地人と友好を
結ぶうちに切っても切れない縁が生まれました。同じ国を5回も訪問していますが、
何度もその国を見ることによって進歩して行くことを目の当たりすることができます。
 妻もメキシコを訪問するのは7年振りの2度目の訪問ですが、
自然と会話が結びつき楽しい旅となりました。




 

  「9月12日」    ぺ天使

★待ち侘びて君が生まれた嬉しい日
赤飯を供えて祝う誕生日
兄弟が君のこと褒めメールくる
熟れすぎたトマトをひとつ見つけた日
看護師がやさしい顔して針を刺す

   (ボクは9月○日ですが・・・)




「中国旅行記」     柳立

地に立てば五輪の旗のせわしなく
街行けば人と車とクラクション
★汗しぼる黄土大地に森は無く
昔見るチャイナドレスにほっとして
歴史きて略字漢字にビルの海

(見てきたのは象の・・・????)


 (随想2)  「中国旅行」     柳立

  妙興寺(一宮市)からの中国各地の仏教遺跡を訪ねるツアーに初参加。
北京から500キロ程南西の山西省太源市は、来年の北京オリンピックに向け
街のいたる所でビルや道路工事が進み渋滞が激しい。
また石炭資源の大同市と並んでその公害でも有名な町、
改善されたと言っても空はホコリとスモッグでひどい。
国道沿いには柳とポプラ並木が続く。見渡す限りの大地はトウモロコシと
ヒマワリ畑、代表的なやせた黄土で森とか林は全く無い不思議な景色である。
市街地のビル以外一般の家は赤土レンガ造りしか無く
小さくて古くどこを見ても貧しさが目立つ。
渋滞を抜け山岳スカイラインを経て標高1500から2400メートルの山々の
平らな所に五台山の寺院群は在る。ここまで6時間も掛かった。
ここは今本堂の新築工事中「中国では太い材木が不足して世界中から
輸入している、日本の援助協力も有り難い」とご住職は話す。





「夏のドラマ」      さくら

街中で日陰を探し右左
露店にてあれこれ食べ過ぎ帯弛め
★夜空にも毎日ドラマが起ってる
この夏もドラマが待ってた甲子園
駆け足で過ぎ行く夏を見送って

(秋のドラマも楽しみだ)



「新しい自転車」    桃華

七歳の祝いに新車やってくる
どの人もボクの新車に目を細め
注意事項いっぱいもらいペダル踏む
★許される限りペダルをこいでいる
トンネルを抜けても青い空があり

(朝六時 新車がやってくる)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

  泣き顔は見せないようにごあいさつ(桃華)       まつぼっくり
   
  なかなか難しいことです。面白くないことがあったとき、気分が優れないとき、いやな顔を人に
    見せるのは大人げのないものです。わかっちゃあいるけど・・・って感じの時もありますよね。
    心で泣いて、顔で笑って・・・です。近頃は年のせいか、自分でもこらえ性がなくなったなあと
    思うことがあります。でも、できるだけ素敵な笑顔ができるようにがんばります。
     一緒にいて、気持ちのいい人になりたいです。


  ・職業欄 家事手伝いと書いてみる(靖坊)   桃華
     
就業中は会社員とか公務員とか書けるが、男性は退職してしまうと無職?
     私は無職と書くより主婦と書いた方が無難だからそう記入しておくが違和感はある。
     主婦って職業かな?靖坊さんも家事手伝いって記入するのに抵抗感があるのかしら。
     それにしてもパラシュートなくして飛び降りてしまった靖坊さん、度胸ありますね。


  ・待ち侘びて君が生まれた嬉しい日(ぺ天使)    まつぼっくり
     
なんて素直な喜びの表現でしょう。それだけにそのままキュッと胸に響いてきます。
     私も三人の子供と初めて出会ったときの新鮮で強烈な記憶を呼び起こされました。
     これだけは実際に母になってみないとわからない気持ちでしょうね。
      今この世の中に新しい命を生み出すことにかなり不安を感じており、娘にも子供を
     生まないならその選択も悪くはないと思うけど・・・なんて言ってますが、女である以上、
     母としての喜びは実感したほうがいいのでしょうか。


  ・人生はあの産声がスタートだ(悠澪)        英人
     
明らかな事実を詠った句ではあるが、こうしてはっきりと示されると改めて納得する。
     作者はどんな赤ちゃんを見て詠われたかは知らぬが、大きな感動を覚えられたので
     あろう。ただ生まれた喜びだけではなく、これからどんな人生を進んでいくのか、
     赤ちゃんと共に歩む決意を感じる。


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       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2007年「課題」
      (1月)思い出 (2月)青い (3月)レモン (4月)幼い
      (5月)つなぐ (6月)ブランコ (7月)ハンカチ (8月)読む
      (9月)泣く (10月)顔 (11月)似合う (12月)ラブレター
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
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