so067
(せんりゅうつれづれそう)
第67号(19年7月)
茄 子 (なす) の 章
(科 目)ナス科 (花言葉)よい語らい、優美、希望、
原産はインド、日本には奈良時代に中国から伝わったといわれる。
ほとんどの果皮は紫色又は黒紫色であるが、黄緑色や白色のナスも存在する。
紫の色素は「ナスニン」と呼ばれ、動脈硬化の予防や活性酸素の除去などの効果がある。
「親の意見と茄子の花には千に一つも無駄がない」「瓜のつるに茄子はならぬ」
「秋ナスは嫁に食わすな」「一富士二鷹三茄子」「茄子を踏んで蛙と思う」
など茄子に係わることわざは多い。それだけ身近であるということであろう。
川柳も身近なものにして、創作する生活を楽しみたいものです。
(★印は英人の推奨句)
課 題 「 ハンカチ 」 ハンカチは喜怒哀楽の玉手箱 みいちゃん 真心の白いハンカチ今いずこ 柳立 あの人がくれたハンカチ持ち歩く 酒仙 ハンカチで人柄はかる初対面 さくら ハンカチも振らずに去っていく背中 ★ 靖坊 見送った後でハンカチ濡れてくる 悠澪 貝殻も夢も包んだハンカチで ぺ天使 ハンカチーフ嬉し涙も拭いたよね ぺ天使兄 思い出のハンカチ褪せても捨てられぬ ぺ天使妹 お別れはいつもハンカチ何故だろう まつぼっくり 汗ぬぐうハンカチ母の匂いして ★ 美智優 ハンカチを出そうかどうか迷う手だ 桃華 ハンカチがまだ必要で安堵する 英人 |
「 歯 痛 」 まつぼっくり
知らぬ地で歯痛に悩む不安感
「抜きましょう」主治医宣告あっさりと
あきらめと悲しみ混ざる消失感
★診察後古い茶店で一休み
壁のしみ妙に何だか落ち着いて
(はがなくてははじまらぬ、この痛みを大切に)
「七十代の喜怒哀楽・第六十二回」
みいちゃん
★ 明日のこと考えてるの木の葉たち
我慢して善人でいること辞める
川柳に税掛けられる夢を見る
デイケアのバスに園児が手を振りぬ
鏡見る亡母と酷似の顔映る
(今日のことをまず考える政治家)
「 何 」 酒仙
広々としていた前に家が建つ
つぎつぎと家の周りが囲まれる
物言わぬ隣の人は訳ありか
★暑い日を感じないのに蝉がなく
このところ追われ追われて過ごす日々
(なぜなぜなぜ・・・問うは健在の証)
・・英人の20句抄・・ 「 自宅改造 」
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「 片思い 」 靖坊
涙して叶わぬ恋を抱きしめる
帰れない大好きだったあの頃に
断じてもあなたへの思慕消えやらず
諦めたきのうの夢を懐かしむ
★気が付けば涙は枯れて過去のもの
(片思い・・・若い・・・羨ましい)
「親子喧嘩」 美智優
叱ったら娘は口利かず十日経ち
★年老いて強情な娘に惑わされ
母の夢次々壊す娘が三人
娘に意見すれば「古い」とあしらわれ
三人娘に今だ振り回され五十路
(喧嘩できる幸せもある)
「 雨 」 柳立
独り居てタイヤの音に雨を知る
何もかもかき消す様に強い雨
★次々と思いつながる細い雨
濡れ犬の今日も立ち寄る曲がり角
雨宿りセーラー服の肌も透け
(いろいろな雨がある自然、知る感性)
「梅雨の季節に」 さくら
梅雨明けにやりたい事があふれてる
青空がひと足お先に夏休み
当たらない天気予報を当てにする
短冊に子供のような願い書く
★バーゲンで服と満足手に入れる
(梅雨が明ければすぐ盛夏、出番です)
(随想) 「 草 取 り 」 桃華 「草がよく伸びてきたねえ」 こう言われると草取りなんて好きじゃなくとも やらざるを得ない。わが夫は言い方がうまい。 腰痛持ちの私はせいぜい1時間が限界。 それでも1本1本取り始めると何もかも忘れ夢中になっている。 常にながら式の私がこの時ばかりは無心になっているから不思議。 この無心の時間が腰痛のせいでアッという間に終わってしまうのは もったいないが、回りが少しきれいになり、 しばしの間、優越感に浸っている私である。 |
「 号 令 」 ぺ天使
ひまわりは右向き右を守ってる
兄弟で速さ競ったヨーイドン
揃ったらいただきますと皆が言う
★柏手は夫とふたりでうまく合う
ワンテンポ遅れて廻るジャズダンス
(号令をかけるのはだれ???あなた・・・)
「 梅 雨 」 悠澪
★曇天に漬物石が重い午後
人間は降っても照っても不満顔
アジサイが咲いて梅雨もよしとする
着信音外は土砂降り一人きり
ジメジメがチクチクチクと肌を刺す
(降っても照っても自然、にこにこ顔を・・・)
「 雨 」 桃華
雨が降るとなりの雀楽しそう
手に受ける雨はつぎつぎ逃げていき
水たまり跳び越せるまで挑戦し
★雨に打たれてどろんこもいい駆けっこも
雨の道傘を逆さにして闊歩
(雨を楽しむ子供、小言いう・・・)
(鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ ・貝殻も夢も包んだハンカチで(ぺ天使) まつぼっくり 少女の頃をふと思い出しました。小さな貝殻も大きな夢も、花模様のついたきれいな ハンカチにそっとくるんで引き出しの奥にしまっていました。あの頃はそれが人生の全ての ような気がして、それを手のひらに抱けることにわくわくしていました。 なつかしく甘い思い出です。 ・次々と思いつながる細い雨(柳立) 英人 太い雨ではない、細い雨が音もなく降り続く。静かな部屋でそんな雨をぼんやり眺めて いる。いろいろなことが次から次へと思い出されてくる。わが人生はこれでよかったのか ・・・・これまでを良しとし、そして残りの人生はもう少し自然体で行こう。 ・鏡見る亡母と酷似の顔映る(みいちゃん) 桃華 20年先の自分の顔なんて想像もつかないが、きっと母とそっくりなんだろうな。 現在の母の姿は私の行く道か・・・・ああはなりたくないと思うが(母は脳梗塞後、車椅子 生活)、なるかもしれない。でも老いても母の顔は美しい。骨と皮だけでやせ細っているが、 母には生きてきたという自信と安堵が入り交じり、柔和な顔になっている。感謝しながら 生きている素敵な母である。 みいちゃんもそんな在りし日のお母様を思い出されているのでしょうか。 投稿をお待ちしています |
「川柳連れ連れ草」への投稿案内 次の要領で川柳及び感想文を募集します。 投稿をお待ちしています。 1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度 メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて ください。課題の題は2)の通りです。 2)2007年「課題」 (1月)思い出 (2月)青い (3月)レモン (4月)幼い (5月)つなぐ (6月)ブランコ (7月)ハンカチ (8月)読む (9月)泣く (10月)顔 (11月)似合う (12月)ラブレター 3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文 (150字以内)も募集いたします。 4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行 います。感想文もその句のページに随時掲載します。 掲載方法は一任してください。 5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。 川柳投稿 |