so065
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第65号(19年5月)

睡 蓮 の 章

(科 目)スイレン科  (花言葉)清純な心、純情、信仰、
一度開いた花をその日のうちにもう一度閉じることから、睡眠するハスの名がついたという。
エジプトでは、ナイル河畔に咲いているので 「ナイルの花嫁」と 呼ばれ、国花になっている。

今自宅の一部を改造している。老後のためのバリアフリー化と耐震補強である。
これであと30年持って欲しい。リフレッシュが必要なのは住宅も人間も同じである。
                      (★印は英人の推奨句)


 課 題   「 つ な ぐ 」

つながれるしがらみ徐々に多くなる     靖坊
手をつなぎ上り坂行く老夫婦     ★悠澪
お互いが結び結ばれ長い日々    酒仙
メールでも心つながる里の友      さくら
つないだ手ささいなことで離される    まつぼっくり
放すときは教えて欲しいつないだ手   ★ぺ天使
つながっていると思うは亭主だけ   ぺ天使兄
川柳で見知らぬ人とつながって   ぺ天使妹
片想いつないで青春蘇る  ★みいちゃん
竹の子は地下でつながり天地裂く    柳立
明日へと望みつないで生きようよ   美智優
つないでもつないでもまた切れる糸   桃華
つながりを強めたいころ切れる縁   英人



  「七十代の喜怒哀楽・六十回」  みいちゃん

      いやな波私で止めて流れ変え
  ★深呼吸鬱の気分を解き放つ
子の発想未来に芽吹き翔んで行く
     長生きはしたいが遠慮しています
       久々の賞状を抱きかかえ

      (長生きに遠慮はいりません)



「 巣 立 ち 」    まつぼっくり

巣の中にあと一人だけ口あける
飛ぶように消えてたおかずまだ皿に
部屋中の散らかり物も今はなく
★羽広げ飛んでくれればそれでいい
離れてもメール開けば君がいる

(自分にも巣立ちはある)


 

「そのときばったり」    酒仙

バス旅行いつもながらの荷の多さ
握る手の皺の多さに年を知る
★握る手のその温もりに味がある
旅をして土産物だけ増え続け
鶯の声を聞きつつ祝詞読む
(旅には奇遇もある)



・・英人の20句抄・・ 「 自己改造 」

         米寿を見据え身辺整える
              夢描く自宅改造自己改造
          世も家も段差無くして穏やかに
       耐震の工事するまだ惜しい命
                自己嫌悪ふとん叩きで落ちません
              冗舌になってから胃が痛くなる
       胃カメラに心身共に素直です
       古傷をえぐり出していく胃カメラ
       聴診器に心の内も読み取られ
  寂しさを隠すに使う二本の手
     砂時計悲しみ先に落ちている
        見たくないものから包む包装紙
                    鉛筆を転がしゆくえ問うてみる
                 淡々と老いるに十指ある強み
                   遠回りする楽しみを見つけたよ
             中流の顔してはいるレストラン
             上流にほど遠いが飯を食う
                     睡蓮の下で出番を伺う鯉
              食卓に笑顔が戻る秘密あり
          少しずつ気分を晴らす五月晴れ



  「五月の風」       柳立

  ★本閉じて昼寝のほほに風薫る
連休も人混み避けて窓を開け
香りする木の芽田楽花も負け
    八つ橋に平安みやびの風そぞろ
    藤波の香りシャワーに人の波

    (5月の風に気分もリフレッシュ)



「五月晴れ」     さくら

洗濯機フル回転の五月晴れ
★本年も予防出来ない五月病
連休で体験をする我が老後
温かい笑顔待ってる里帰り
日傘差す季節年々早くなる

(五月病を吹き飛ばす五月晴れ)


「 友 達 」   ぺ天使

友達に誘われ貯金始めます
★友達と別れたあとは雨になる
友達が言った言葉が気にかかる
友達の後に並びパンを買う
友達にもらった風邪が長びいて

(友があっていろいろあって)



 「日常茶飯事」    悠澪

めがねかけ虫めがね持ち辞書開く
★娘の若さちょっぴり妬み化粧する
二階へと何しに来たっけまた降りる
無意識に聞き耳立てる娘の電話
時として忘れてる これが幸せ

   (いろいろあって日々の面白さ)



(随想)     「 野菊の墓 」   ヒロ・アキニレ

私が伊藤左千夫の「野菊の墓」を読んだのは、たぶん50年も
昔のこと。しかし何年たってもあの民さんの哀れさは忘れられない。
何かにつけてふと思う、死ぬるほどの恋とはあの様なものかと。


正月気分も終わった1月9日の中日新聞の朝刊に、「野菊の墓」の
連載が始まり、嬉しかった。
昔を懐かしみながら読んでいたが、
再び心洗われるような、清逸な思いに浸され、何度か涙した。

この年になってまだこのての話に泣かされる自分に驚きもした。
何かがどんどん遠ざかって行き、毎日がただ元気で暮らせれば、
それだけで幸せだと思うようになったこの頃。
久し振りに青春が蘇ったような、人を恋うるせつない気持ちを
擬似体験させてもらえた様で、毎日読むのが楽しかった。

せめて心の中だけの恋でもしてみようかな。



「 孫 」    美智優

重い口孫の笑顔で軽くなり
★「孫ですよ」肩車して爺闊歩
糸通しした孫 今はしてもらい
孫帰り部屋にぽっかり穴が開く
孫帰る私も充電できたらな
(孫に勝る○○無し)



  「 新 茶 」    靖坊

 新茶です言われ新茶の味になる
初夏の風吹き抜けて新茶の香り
★新緑を飲み込むように飲む新茶
 古ぼけた我が身に新茶沁み込ます
飲み干せば気分一新五月晴れ

   (新茶に気分も新たなり)



「 通 学 路 」   桃華

重いカバンようやく慣れた通学路
★通学路おじさんおばさんみな見つめ
雨粒をてのひらに受けうふふふふ
クローバー探す時間が欲しいけど
置き去りにされないように急ぎ足

(新入生には何事も面白い)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 友達の後に並びパンを買う(ぺ天使)       まつぼっくり
    
この川柳を見たとたん、甘酸っぱい懐かしさでいっぱいになりました。パンが大好きな
   私は学生時代、よく友達と並んでパンを買ったものです。甘いにおいのするかわいいパン。
   信じられないくらいおいしいソースのかかった自家製かにクリームコロッケパン。思い出の
   パンは今でも幸せな気持ちを運んできてくれます。

 ・旅をして土産物だけ増え続け(酒仙)      桃華
    
旅は命の洗濯、日常から脱し、違った空気を吸い、違った人と出会う。旅は夢がある。
   ただそれだけを楽しめばよかったのに、ついつい土産物に目が移り、帰りは両手
   いっぱいのお荷物・・・・、旅はやはり日常の続きだったか・・・。

 本年も予防出来ない五月病(さくら)      英人
   
 陥らないように気をつけていたが、やはり今年も五月病に陥ってしまった。五月病は
   達成感の後の虚無感からくるのであろうが、人間とはやっかいなものだ。でもそういう
   ものと認めてしまったら、少しは楽に乗り越えられないか。
    最近は六月病もあるそうだ。またまたやっかいだ。

 「孫ですよ」肩車して爺闊歩(美智優)      英人
   
孫を持つ爺はどこでも同じだろうか、ボクと同じ姿だ。これぞ人生至福の時、しかし
   この期間は短い。もっと大切にしなければと思う。


    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2007年「課題」
      (1月)思い出 (2月)青い (3月)レモン (4月)幼い
      (5月)つなぐ (6月)ブランコ (7月)ハンカチ (8月)読む
      (9月)泣く (10月)顔 (11月)似合う (12月)ラブレター
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
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