so064
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第64号(19年4月)

辛 夷 (こぶし) の 章

(科 目)モクレン科  (花言葉)信頼、友情、歓迎、自然な姿、
早春に他の木々に先駆けて白い花を梢いっぱいに咲かせる。
別名「田打ち桜」「種蒔き桜」といい、開花が農作業の目安になっている地方もある。
果実はにぎりこぶし状のデコボコがあり、これがコブシの名前の由来という。

寒暖の変化が激しい今年の春だが、桜は咲いて散り、辛夷も咲いて散った。
確実に季節は移っていく。そして、人間も確実に歳を取っていく。
人間50歳も過ぎれば今日できたことが明日できるとは限らない。
日々を大切にしながら、明日に備えていかねばなるまい。
                      (★印は英人の推奨句)


 課 題   「 幼 い 」

すぐ怒る君は人生知らないね     ★まつぼっくり
ランドセル幼い夢が詰まってる     さくら
幼いと言われて悪い気はしない     靖坊
おままごと家庭の様子垣間見せ    悠澪
幼子のサラダマカロニハムたまご     美智優
紅あかと命かがやけ幼い葉     柳立
幼さに変わっていくのか老いし人   ヒロ・アキニレ
幼児は親のしぐさですぐわかる    酒仙
人恋し 幼ともだち春霞   ★ぺ天使
幼児に話すふりして皮肉言う   ぺ天使兄
げんまんの幼い指が踊ってる   ぺ天使妹
夢叶いのぞみの運転しています   みいちゃん
幼な児の三年先を見ていよう   桃華
春うらら 幼い頃の夢浮かべ    英人



  「 さ く ら 」      悠澪

  桜咲き足取り軽くウォーキング
風吹けばごきげんようと桜舞う
   ★ハラハラとこんな私に花吹雪
 春うらら掃いても掃いても桜散る
    春雨に桜は散って夏近し
    (花は桜、日本人は桜、川柳も・・・)



「青春18きっぷ」  靖坊

目的地決めず各駅停車旅
二度と見ぬ景色が過ぎる窓の外
★再会の約束もせず降車する
見知らぬ地ここでも人は生きている
目的地我家なり帰路の始まり

(青春とは18きっぷ使う人)



「 四 月 」     美智

★さあ四月過ち償い出直そう
四月ですうそを許して再出発
ぎこちないスーツ姿が街を行く
ささやかな畑耕し夢を蒔く
雑草には雑草の意地小花咲

(4月も心新たに誓う月)


  「雲の彼方」     柳立

 モクモクと生まれ消えゆく雲の道
  生き生きと青空切り裂くジェット雲
★形変えまた変えながら雲ひとつ
  雲ひとつどこに遊ぶか孫悟空
 あの人は雲の彼方に僕ここに

   (雲に人生見るも人)


・・英人の20句抄・・ 「 春おぼろ 」

            春おぼろ安定剤を買いに行く
   いつまでも青年でいたい白髪染め
   手のひらを見ると人生見えてくる
 約束と占い師は信じない
           Uターンをしたいときにはいない妻
                一歩前を歩き気づかぬ君の夢
                手紙書く習慣忘れ夢忘れ
                思い出を訪ねるツアー選ぶ妻
                      妥協して良いこと多い夫婦なり
     嘘らしい嘘は許して初夏の会話
          ボクを見て退屈という熱帯魚
          階段の下で思考が止まる犬
          廃線の埋もれた叫び我が臓腑
                孫が増え新たな夢を描きます
                ちょっとした言葉に揺れる定年後
             空を見て話し続ける老後のこと
             老後とは老いの後に続くもの
   晩年の戦さ仕掛ける開始ベル
 上手に妥協し明日に生きのびる
                  結論を残したままの最終章



「忘れがち」     ぺ天使

私は薬を飲んだか夫に問う
うっかりが度々あって言い訳を
繰り返す話に夫はあきれてる
忘れ物元に戻れば思い出す
★アレアレで通じるときもある夫

(忘れるがいいときもあり)


  「 声 」    酒仙

★声聞いて誰だったかと考える
 冷やかしが現実となり声も出ず
    年重ね声の質まで張りがない
 年よりは物言わぬ犬に声を掛け
 言わなくて大勢のまえ声を出す

   (声も生きている、大切に)

「七十代の喜怒哀楽・五十九回」  
               みいちゃん


愚痴なんか聞きたくないと猫が逃げ
高遠の桜に遇えた午前五時
亡夫の事時々忘れゴメンナサイ
相槌を打ち聞く友の介護の苦
★嬉しいと花に聞いてもらいます

(嬉しいことは連れ連れ草で聞いてもらいましょう)


(随想)     「 喜寿の喜び 」   みいちゃん

2月に京都に 1泊して,三千院、寂光院、いろんな所を観て回り、
4月の14日に有名な高遠のコヒガン桜を思う 存分観て来ました。
その後山梨の桃の里(笛吹市にある)の温泉に 浸かり
日頃の疲れを癒しました。
介護歴十八年の苦しさを忘却出来たひとときでした。
生きていればきっと幸せを味わえる日が来ると実感 しました。

私もなんと数えなら喜寿なんて日を迎え ました。
実感出来ないんです、 そんな年なんて、
心は若いと思っていますのに。
そして、今月も投句出来て幸せです。




「 言 葉 」   まつぼっくり

★ふとこぼす君のつぶやきいとおしむ
花の名をつけて欲しかった幼き日
胸の奥刺さった言葉抜けぬまま
はっきりと言葉で聞きたい時もある
知らぬ間に大きな罪を持つ言葉
(言葉も生きている、大切に)



「いろいろな春」    さくら

太陽も街も飲み込み来る黄砂
テーブルに彩り添える春野菜
電話での声のトーンで知る気持ち
故郷の球児の笑顔に桜咲く
★春霞 心の底の塵が舞う

(さくらは君、我が世を楽しもう)


  「 さ く ら 」    ヒロ・アキニレ

     枝垂れて今年も無事に春迎え
   紅の心で眺めるさくら花
 散る花に気持ちを添えてあげようか
       ★桜木にそっと手を触れ命知る
   西行の心のように花遊び

    (花を愛し、心豊かに過ごす君)


「新一年生」     桃華

通学団ボクより大きい人ばかり
★重いのはボクの心とランドセル
いつまでも見送るママの姿見え
新しい遊具をめざし学校へ
友だちができて楽しい一日に
(順調に新一年生が始まったかな)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・随想「喜寿の喜び」(みいちゃん)      まつぼっくり
    楽しいご旅行をなされたのですね。これまで頑張ってきた自分へのごほうびなのですね。
    より心に残る素敵な思い出を作られたことと思います。元気で自立している6 0代70代の
    方を見かけると、いつもとてもうらやましく思います。なぜならご自分 の仕事をとりあえず
    終えることができたからだと思うからです。私はまだまだ子育ても終わっていません。
    やらなければいけない仕事がたくさんあります。ちゃんと終われるまで生きていられるの
    か、ふと不安になることがあります。まあそれでも下の子 が中学生ですから私がいなく
    なっても、「親はなくても子は育つ」かもしれません。 誰にでも必ずやって来る老い。
    大変でも心に「ハッピー」を持って生きてゆけたらい いですね。

 形変えまた変えながら雲ひとつ(柳立)      英人
    青空に白い雲、雲が形を変えながら移動していく。その雲の形からいろいろな想像が
   できて楽しい。あの雲に意思はあるのだろうか。あるとすれば「人間に楽しみを与えたい」
   という意思であろうか。世の中のものすべてに存在意義があり、我々はすべてのものに
   守られ、生かされているのだ。

 見知らぬ地ここでも人は生きている(靖坊)     桃華
    
私は知らない所を見て歩くのが大好き。野に咲く花を見ては季節を感じ、畑を見てわが
   家との成長を比べ、家々を見てはそこに住む人々を思い描いている。どの土地にも人々が
   住み、たくましく生きていることに感動している。人間っていいなあと思う。そして生かされ
   ていることに感謝している。

    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2007年「課題」
      (1月)思い出 (2月)青い (3月)レモン (4月)幼い
      (5月)つなぐ (6月)ブランコ (7月)ハンカチ (8月)読む
      (9月)泣く (10月)顔 (11月)似合う (12月)ラブレター
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


             川柳投稿


川柳&ウォーク