so062
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第62号(19年2月)

梅   の   章

(科 目)バラ科  (花言葉)厳しい美しさ、あでやかさ、上品、忠実
中国から奈良時代に薬用として日本に渡来した。品種は300種類を超える。
果実を取るための 「実梅(みうめ)」、観賞をするための「花梅(はなうめ)」に区別される。
「梅は百花の魁」として初春の寒い時期にいち早く花を咲かせる縁起ものとされる。

梅と言えば「東風吹かば匂いおこせよ梅の花 主人なしとて春な忘れそ」という
菅原道真の歌がすぐに浮かぶ人は多かろう。日本人の美である。
短歌も俳句も川柳も、そして都々逸も日本独特の文化である。日本各地の
表舞台で、また隅で生き続ける。この川柳連れ連れ草もその一翼を担っている。
                      (★印は英人の推奨句)


 課 題   「 青い 」

青い空雲のとなりに白い月   まつぼっくり
青い空どこまで続く 浜は白    酒仙
春近し心吸い取る青い空    悠澪
好きな色君が青なら我も青   さくら
青い顔して青空を見る胃痛    靖坊
バリカンの笑顔も涼し青びかり   柳立
始まりは透明な青だったはず★   ぺ天使
麦畑青いじゅうたん春近し   ぺ天使叔母
空の青水の青にも染まる我★    ぺ天使兄
風になって青空に君居るんだね★   ぺ天使妹
懐メロに脳裏をよぎる青い時    美智優
青い鳥もわたしも年をとりました   みいちゃん
陣痛で唸っていても空は青   桃華
青臭い匂いを残し歳をとる   英人



「夜の水族館」     まつぼっくり

ひんやりと青のイメージ水族館
ウツボの目何を見ている動かずに
美しい光発信クラゲたち
亀はもう龍宮城をあきらめた
★見つめるなウツボ 私はエサじゃない

(水族館・・・時には訪ねて新しい発見)


  「 眠 る 」 靖坊

   雨音が虚ろに響く昼寝時
  すでに眠りの中にいる部屋の中
★手も足も体も消失して自分
 眠ろうか終電が遠ざかっていく
  覚める保証ない眠りへ落ちていく

    (眠り・・・これがあるから生きている)



「 雪 」      酒仙

 どの山も雪は積もらず禿げた山
 積もる雪期待をするが雪降らず
 ★タイヤ替え雪に備えて空振りに
 冬に見る雪釣りをした松林
 この冬は一度も行けないスキー旅
(雪・・・四季が崩れていく)



・・英人の5周年記念・・ 「 17年課題に再挑戦 」

             いくつ越えてきたかと人が問う
       ストレスがたまるとへ向かう足
 哀しいと吐いてしまえば楽になる
             夫婦いて豊かに過ごす日々
      福寿草咲いて見習う耐えること
                     人知れずは静かに散るもので
  いくつ僕にあしたをくださいね
     中傷に秘めた決意はすぐ崩れ
          ひとすじに生きた証が見あたらぬ
      燃えるだけ燃えて余命は知りません
              姿見に姿写して自問する
                     やさしさは傷の深さに比例する



「 生 活 」     悠澪

降りる駅着く直前に眠り込み
粗食でも空腹満たす幸を知る
高望みせず健康を良しとする
★満ち足りているのに何か足りぬ気が
娘のためにココアを買いに特売日
(生活・・・日々いろいろあって)

 



  「受験生」    柳立

★梅咲いて天神願い大繁盛
  推薦を欲しがる顔が寝ぼけてる
駅前はどこも予備校乱立し
  金持ちは先生付きのホテル塾
合格者宣伝チラシに顔写真
   (受験生・・・これを乗り越えて春)



「風邪‥のち春」    さくら

寝込んでも炊事洗濯わが仕事
★食べ物が次々浮かび風邪治る
草花が春の訪れ囁いて
ご近所に大きく響く鬼は外
新品のコートの出番ない暖冬

(春・・・暖冬の後の春は??)


(随想)     「 バレンタインデー 」   さくら

私が学生の頃は、バレンタインデーは一大イベントであり、
友達と「好きな男の子がどんなチョコを喜ぶだろう」とか、
「どういう風に渡せばインパクトがあるだろうか」など、
自分達なりにかなり盛り上がっていました。

最近のバレンタインデーは、「女性が自分へのご褒美」といって
高級チョコや有名ショコラティエ(チョコレート職人の事を言うらしい)の
チョコを買い求める事が多いらしく、売り場には女性好みのものが多いようです。
その分、男性への義理チョコの予算は年々削られて行くのでしょう‥・。
去年、友達が会社用の義理チョコを買いに行くのに付き合いましたが、
予算が一人100円と言うのに驚きました。子供のお菓子よりも安い。
私も会社員時代は、義理チョコを何回か渡しましたが
それでも義理にだってもっとお金も愛も込めていたような気がします。

やはりバレンタインデーは、女性は自分のチョコよりも好きな男性、
周りの男性にチョコをあげるほうが楽しいと思います。
自分達は普段から美味しいものを食べているのですから‥・。




「七十代の喜怒哀楽・五十七回」...............
みいちゃん
........

★バレンタインわたしも贈る人がいる...............
もう欲は無いと言いつつ服を買う..........
老木も春の気配にお洒落する...
寝坊した日にアポなしの人が来る...........
どん底の気持ち和らぐシャンソンよ....................

(欲・・・欲もいろいろ、良い欲を持とう)



「友ありて」    ぺ天使叔母・華芳

★同級生年いくつかと問う無常
驚いて聞き返しても同じ問い
人が先き我が先きとも不確かなり
お小言を聞いて存在確かなり
刻々と日の出移って春はそこ

(友・・・年を経てより大切なもの)



  「地球が壊れる」      ヒロ・アキニレ

  ★暖冬に地球泣いてる音がする
    快適な生活すべて地球に悪
      自動車をやめてみんなで自転車に
    寒かった昔は手足しもやけて
  もどれない昔の生活辛すぎて

     (地球・・・人間に不都合になっていく)



(都々逸)   「 世相こもごも 」    多楽

「美しき国」は何かと問いたれば 「憲法改正」するが一番
政治家が金の始末で役を降り 「残念無念」はこっちの台詞
レジ袋尻に火が着き有料化 後手に後手には環境対策
レジ袋もっと呉れろと老夫婦 孫の時代に何を残すや
経営者出せぬ出せぬと大儲け 働く側の出るは溜息
学生が同じ服着てリクルート くがねか玉か はたまた砂利か
若者がずっこけズボンの足拡げ 歩く姿は見事ガニ股
甲高き耳障わりなる女子アナの 語尾上がる声 聞くは拷問
集い来る隔離ルームの愛煙家 見てみろ壁はヤニで真っ黒
我が町の名物あまた有るといふ ジジ・ババ・喫茶・歯科・犬の糞


    



「甘〜い」    ぺ天使

三角があってもいいよと成績表
★もう一杯求むあなたを許す雛
遅刻したあなたを責めずみな寡黙
昼過ぎに起きる息子の里帰り
チェックしたあなたの財布に札を入れ

   (甘い・・・幸せであればこそ)



「 夢 」     美智優

少年の夢語り合う姿減り
叶わぬなら出直すためにあきらめる
★娘の夢が母の夢だと背中押す
つまずきつつ生きてる限り夢を追う
過ちを犯す若さが夢つぶす

(夢・・・生きる糧、小さくても良い)


  

「慰問に行きました」    桃華

いっぱいの拍手と笑顔で迎えられ
楽しそうに歌くちずさむおばあちゃん
★握手した手はごつごつと温かく
おばあちゃんしわの笑顔が素敵だよ
帰りには雨に打たれて風邪ひいて

(慰問・・・良い体験を積んだね)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・「随筆・バレンタインデー 」(さくら)        まつぼっくり
    大変楽しいエッセイでした。私は長い文を読むのが苦手なのですが、さくらさんの
   こ のエッセイはすらすら読めました。本当に今はなんだか心の欠けている寂しい
   時代です。相手を思いやる気持ちの幅や奥行きが狭まっているような気がします。
   「バレンタインデー」ひとつとってみても、心を込めて相手も自分も楽しめたらと思い
   ます。

 ・ひんやりと青のイメージ水族館(まつぼっくり)     さくら
   
水族館に足を踏み入れると、何故かひんやりとした涼やかな空気に包まれます。
  神秘的な水の世界への緊張感なのでしょうか?次の水槽にはどんな魚や生物が
  待っているのだろうとドキドキしながら水槽を覗き込みますが、そこに広がるのは
  まさに青の世界。水族館と言えば青のイメージです。
  青の世界に色々な生物が生活しています。

 暖冬に地球泣いてる音がする(ヒロ・アキニレ)      桃華
   
今年の冬はどうなっているのかと不思議に思うほど暖かく、冬がないまま春を
  迎える感じである。こんなに暖かいと大きな地震が来るのではないかと心配。
  地球が涙をこぼさないよう、私たちはできることからエコライフに気をつけねば・・・・。


 バレンタインわたしも贈る人がいる(みいちゃん)     英人
   
人間若さを保つ秘訣は恋をすることだという。バレンタインになっても、だれも
  贈りたい人が浮かばぬのは寂しいものである。70うん歳の作者にそんな人が
  あるのは羨ましいことである。
   ボクなど考えてみても・・・・少し人生を見直さねばならないか・・・。


    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2007年「課題」
      (1月)思い出 (2月)青い (3月)レモン (4月)幼い
      (5月)つなぐ (6月)ブランコ (7月)ハンカチ (8月)読む
      (9月)泣く (10月)顔 (11月)似合う (12月)ラブレター
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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