so060
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第60号(18年12月)

 (かえで) の 

(科 目)カエデ科  (花言葉)節制、遠慮、自制、大切な思い出
カエデ科カエデ属総称。名称の由来は葉が蛙の手に似ていることからとされている。
モミジとも言うが、その場合、様々な樹木の紅葉を総称している場合もある。
本州中部以南の山野に普通に自生しているほか、古くから栽培も行われている。

川柳連れ連れ草も今月で60号、丸5年過ぎた。月日のたつのは早いものである。
始めたからにはそんなに簡単に諦めるつもりはなかったが、
それでもこれだけ順調に進んでこられるとも思っていなかった。
これも参加者、読者があればこそである。特に最近の私はそれを感じざるを得ない。
まさに引っ張られてである。感謝すると共に、今後もよろしくお願いしたい。
          (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題   「 別れる 」

言えぬまま別れた人は今何を    美智優
日々過ぎて昨日の私にバイバイね    ヒロ・アキニレ
傷ついた記憶と別れ夢を追う     さくら
別れ際の握手また逢う約束を    ぺ天使
北風が別れの涙吹き飛ばす   靖坊
今日の日はサヨウナラよと明日を待つ   ぺ天使叔母
笑顔にて見送られたい別れの日      悠澪
ネクタイと別れる団塊男道     柳立
悲しきは別れて忘れる人の恩    ぺ天使兄
友が去り別れの辛さ今を知る   酒仙
別れ道なかなか賽が振り切れぬ   ぺ天使妹
いつの日かきっと笑ってまた会える   まつぼっくり
お別れは言いませんよとイチョウ散る   桃華
別れるとすぐに会いたい今いずこ   英人



「七十代の喜怒哀楽・五十五回」   みいちやん

この世から優しい順に去って逝く
ワイパーの要るほど泣いたクラス会
この箱に私の心入らない
★秒刻み私の時間ときめいて
正義感どこに隠れているんです

(歳いけば時間はますます貴重に)


「忘年会」     ヒロ・アキニレ

堅かったフランスパンに歯が欠けた
食べながら話して笑って頭ぼー
一年を忘れなくても覚えてない
★過ぎる日々無事に生きてるそれで良し
ごめんねー今日も主人一人留守
  
(無事生きる、これ名馬なり)


「母さんへ」   ぺ天使

老いもせずあのまま若い母は星
★仏前で喜び悲しみみな語る
妹も幸せだから安らかに
ありがとう何度言っても言い足りぬ
母のことリボンをかけて胸の中

(いくつになっても母は母)


   「嫁いだ娘」     美智優

  たまに来て嵐のように去る娘
     米送り空見上げれば娘の笑顔
  嫁いでも娘のぬいぐるみ捨てられず
     ★嫁いだ娘の誕生日にはケーキ焼く
  久しぶり娘らの声して家笑う

    (いくつになって子は子、親は親)



・・英人の5周年記念・・ 「 15年課題に再挑戦 」

            リンゴ食べ少年の夢よみがえる
    年末に歌うは難しい
 髪白く次第に慣れる赤い
                  くちびるを開いて話聞いている
            年を経て寄り添う二人先を見る
              々と歩いて心静かなり
         青い実を食べて明日が気にかかる
                      澄みきったから清い風が吹く
                  本音言う解決の道近くなり
   気持ちよく今年を終えて鐘を突く
     分かるまで話し合っておく歳の暮れ
        かわいいと言って一年が過ぎている



「 晩 秋 」    ぺ天使叔母・華芳

枯れた松何の犠牲と酒注ぐ
無我になり青い空見て紅葉狩り
山々は赤に黄色に海は藍
★忘却の仲間入りした赤とんぼ
松は枯れ竹は青々師走なり
(晩秋に日本の自然の良さがあり)


「師走かも?」       柳立

ボーナスも無縁なんです我が暮らし
★紅葉もやっと見ごろの暮れとなり
カレンダーは忘年会の丸つづく
忘年会ついでに決まる新年会
この頃は歳は数えず年忘れ

(忘年会、新年会いろいろあって良し)


「ケータイ」     まつぼっくり

初めてのケータイを手に背伸びする
★君の声聞こえてケータイあたたかい
バスの中突如鳴り出しうろたえる
いらないと言ってたけれどあら便利
電池切れ大事な時にかからない
(すぐに無くてはならないものになり)


   「飛んでゆく」     酒仙
 
  柿熟しよそから貰い味見する
  ネット張り鳥を追い出す柿の家
  誰とでも話しかけたい年の暮れ
  ★飛んでゆく雲の上から夢を見る
  40年いつまで過ぎても読みきれず

   (飛んで跳んで、次の一歩)



(随想)   「 ありがとう 」     桃 華

義母91歳、認知症9年。
元気なときの義母はお寺の説教を聞くことが生き甲斐、
あちこち熱心に寺巡り、町内でも有名であった。その義母が認知症に
なってから仏様のことは一切忘れ、手を合わせることもない。
しかし、お説教で培った「ありがとう」の心だけは忘れていないのか、
何をしてもらっても「ありがとう」と言い、介護士さんからも喜ばれている。

私も介護に明け暮れ、疲れがち、気も滅入りがちであるが、
義母の「ありがとう」の言葉に何とか優しい気持ちで接している。

「ありがとう」・・・・何といい言葉、何といい響きであろう。
人を優しくし、怒りの気持ちも吹き消してしまう言葉。
私も義母のように「ありがとう」が、気持ちよく言える人間でありたい。
ありがとう、ありがとう、ありがとう!


    



「年賀状書き」    靖坊

年賀状出さねば来ないだから書く
もう顔も思い出せない人に書く
新年を使い古した筆で書く
明けまして書いているのは年の暮れ
★余らせた去年の賀状白いまま

(年賀状書く、いろいろ発見があり)



「 娘 」      悠澪

デート前髪まとまらず目に涙
恋を知り慣れぬ手つきでする料理
思いやり芽生え娘の成長見る
★横道も覗いてみたい青春期
反対をすればするほど意地をはり

(恋は人生の成長剤)



「年の終わり」      さくら

枯れ枝にまだしがみついている木の葉
街の灯が恋人達を包む冬
父作るおでんにしみ込む親の愛
★年賀状作りで気付く年女
何しても母に似ているわが仕草
   (年賀状、いろいろ発見があり)


「一歳になった弟」    桃華

どの人もボクに似てるという弟
★転ぶのを恐れて一歩出ない奴
もう一杯もう一杯と駄々をこね
駄々こねる弟だけどなお可愛い
どこまでもボクの後をついてくる
(弟がいて、ボクは兄である)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 恋を知り慣れぬ手つきでする料理(悠澪)     桃華
     
恋をすると相手のために何かしてあげたくなる。おいしいものを食べさせて
    あげたくなるのもその一つ。純粋で素直な心が一杯満ちあふれている。
     娘さんの恋心につい手助けしたくなる母親の気持ちがよく表れている句。
    料理を一生懸命覚えようとする娘さんの姿がほほえましい。

 ・年賀状作りで気付く年女(さくら)      英人
     
メールが盛んになり、文字離れも進んでいるが、すたれそうですたれない
    年賀状。今年も多く出し、もらった。これだけの付き合いの人もある。それでも
    いろいろなことが確かめられる。
     今年は年女か・・・ボクは新しい生活の正念場、地固めだ。
 
    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2007年「課題」
      (1月)思い出 (2月)青い (3月)レモン (4月)幼い
      (5月)つなぐ (6月)ブランコ (7月)ハンカチ (8月)読む
      (9月)泣く (10月)顔 (11月)似合う (12月)ラブレター
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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