so059
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第59号(18年11月)

梅 擬 (ウメモドキ) の 

(科 目)モチノキ科  (花言葉)明朗、知恵、深い知恵
日本が原産地で、高さ2〜3mになる。雌株と雄株があり、実のなる木は雌株。
本州から九州の山中の湿地に自生する。庭木や盆栽にもよく使われる。
赤い実は野鳥(ツグミ、ヒヨドリ、ジョウビタキなど)の好物。

現代は○○擬きがおおはやりである。従来の木製品がプラスチックで代用されているなどは
その典型であろう。年輪や木肌まで作って木に似せているのは、まさに擬きである。
物だけならまだいいが、人間までそうなっている。本物の人間になるのは難しい
ことではあるが、そんな努力だけは忘れないようにしていきたいものだ。

          (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題   「 朝 」

何もかもスローテンポな冬の朝      さくら
旅の宿いつもの時間に目覚めます     みいちゃん
目を覚ます時間だんだん早くなる   ヒロ・アキニレ
先に夫起きて私の朝が来る   ぺ天使
ひと声が今朝のご機嫌左右する  ぺ天使叔母
いつからか目覚めて朝待つ歳となり   ぺ天使兄
夜明け待つ時間の長さ風邪の床   ぺ天使妹
朝日射す今日一日の第一歩    靖坊
この道の先が見えない霧の朝    美智優
厳格な目覚まし我を追い立てる   まつぽっくり 
朝日浴び深呼吸して脳目覚め   悠澪 
行くときも帰るときにも陽を浴びる   酒仙
数珠つなぎ旅の木曽路は夜明け前   柳立
誰もいぬこんなに愉し朝寝坊   桃華
忘却の不安を抱いて朝迎え  英人



 「野ボタン」    ぺ天使妹

野ボタンの初花咲いて伯父思う
霜月の野ボタン愛でし伯父忍ぶ
根が溢れ土ない鉢に咲く野ボタン
鮮やかな紫紺の野ボタン人目引く
★八重咲きの野ボタン見たい花行脚

(野ボタンの魅力はどこにあるのかな?)



「 風見鶏 」     悠澪

何も言うまいしてあげたこと無駄になる
掃除嫌い 家があるのはありがたい 
贅沢な人間に地球が切れている  
イベントの期日過ぎてる回覧板  
★風見鶏平和はどっちカラカラカラ  
 
(この句の共通点は分かるかな?)



  「 こたつ 」      靖坊


★冬が来た手にも足にも心にも
出られない こたつの捕虜と成り果てる
自堕落を許してしまう温かさ
こたつ寝の気怠さ朝はまだ遠い
つの出さずやりも出さずにこたつむり

  (人にとってこたつは味方か敵か?)


「 紅 葉 」    ヒロ・アキニレ

   すごかった紅蓮に燃える八甲田
   くれない葉私と一緒に露天風呂
  羨ましいこんなに綺麗で終わること
  ★燃える木々私も共に生きている
 来年もまた会えるよといさぎよく

(紅葉に燃える心は老いか青春か?)


・・英人の20句抄・・ 「 旧婚旅行 」

            結婚と退職の旅は同じ地に
           思い出の地に出かけいい記念とし
         選んだのは新幹線で行くツアー
  人生は紆余曲折スカイライン
  紅葉のスカイラインに目が潤む
             三十六年色いろいろの五色沼
             ひとつずつ未練落として池巡り
       思わせぶりに吾妻小富士が姿見せ
         どん底を覗いてしまった火口湖
       古傷が火口の底に見えている
              ロープウェイ百人の命を宙づりに
                   温泉の感触は母の胎内
                   夜景見て背中を流すあぶく浮く
                   雑念がなかなか落ちぬ露天風呂
        彫り物が心を刻む東照宮
        狛犬もきらびやかなり陽明門
        僕にある世界遺産という遺産
  思い出をパソコンに詰め明日は晴れ
            時折はパソコン開き妻は笑む
       役割を果たして冬の備えでき



「七十代の喜怒哀楽・五十四回」   みいちゃん
    自我意識過剰の友が突走る
  七十歳過ぎても頼りにされて鬱
        リポーター走る全容把握せず
     頑固です人の意見にたじろがない
  ★貰い泣きしつつワインを酌む
映画
   (意欲を引き起こす元はなんですか?)



「癒されて」      ぺ天使

病みあがりためらう私をドライブに
早朝に来た甲斐あって一番湯
泊まっている孫といつまで川の字に
★しっかりと孫を背負って秋の月
握手してタッチして帰る孫笑顔

(孫にまさる夫ありや?)


 「 夫 」      美智優

空気じゃない案じてくれる夫がいる
口下手のしぐさににじむ思いやり
★足捻挫君の背中の広さ知る
夫から栄養摂れよとやさしいメール
娘の縁談決まって夫は無口なり

(夫にまさる人ありや?)



「秋は彩々」     ぺ天使叔母・華芳

彼岸花大好きだけど忘却に
★振り向けば秋の気配が頬を撫で
旬は過ぎまつたけ飯はきのこ飯
茶碗蒸し銀杏の香りに深呼吸
つるべ落ち夕陽は闇に消え失せて

(秋いろいろ、人生もいろいろ?)



  「小旅行」      柳立

   ★定年のアカを落として小旅行
土日避けルンルンバスは山のなか
     寿司食いねーそんな気分の秋のバス
  お目当てのモミジいまいち蟹紅く
      名月とタオル頭に露天風呂
          (旅行で何拾う?)


(随想)  
 「 バター茶 」     柳立

一宮市博物館で民族衣装を着た優しいご家族の笑顔に会えた。

韓国、ブータン、ウクライナのお茶をサービスしていた。
ブータンのバター茶は色の濃いウーロン茶に似ている、塩とバターを少し入れ
先が三つ又四つ又になった小枝で錐(きり)をもむ様にカクハンして作る。
お茶の葉は握りこぶし程の黒い塊、中国の団茶はボール状だが
ブータンのは円錐形で上に重ねる事が出来るそうだ。
そのままではアクが強く渋い味になるから少量の重曹(炭酸)を
入れて煮出す 昔は灰を入れていたとか。 

味もさることながら皆さんの爽やかな笑顔を頂いた。


    



    「 旅 」      さくら

         コスモスも君の笑顔も揺する風
       赤黄色もみじの帯が続く道
   ★秋空の機嫌で決まるスケジュール
     絵手紙のネタを探しに旅に出る
       景色よりみんな気になる我が笑顔
        
 (旅は友だち、旅は・・・・・?????)



「 土 」    酒仙

 人の手が入らない土地生える草
 いつまでも手をださないと荒れた土
  いつまでも主がいない 人の手に
 ★明日まで収穫を待つゴーヤ畑
  色んでもそのままにして鳥を待つ

(川柳で頭も耕して草生えぬ?)


「 日 常 」      まつぽっくり

ふんわりと敵の攻撃やり過ごす
★雨もりで少し困るが屋根はある
この平和いつまで続くか保障無し
手を振ると恥ずかしいのか知らん顔
夕焼けに指きりげんまんして帰る

  (日常とは・・・降りかかる問題解決?)



「ウォーキング」      桃華

弁当が楽しみ 足も軽やかに
★通りすがりのおばさんボクをほめている
風が吹く枯れ葉がひとつ肩に落ち
きのうより少し勇気をもらった道
なんでもない顔して大人とウォーキング

(門前の孫、ウォーキングを習う?)



  (鑑賞文・感想文 T) 気ままに一言・・・ 


「川柳との出会い」     まつぽっくり

初めまして。10月から参加させていただいています。
川柳を初めてまだあまり日がたっていないのですが、
川柳と出会ったことで楽しい毎日を過ごしています。
皆さんの川柳には何かほのぼのとした物を感じ、暖かい気持ちになります。
これからも少しずつ参加させていただきたく思っています。

*******************

川柳と出会ったことが楽しい生活になり、
また人の川柳を読んで 暖かい気持ちになる、
「楽しい生活」と「暖かい気持ち」、人生これがすべてと言っても
言い過ぎではないでしょう。川柳でそれを得る。
この場を提供している私にとって非常に嬉しい便りです。



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 足捻挫君の背中の広さ知る(美智優)    桃華
    患ってこそ知る相手の存在、温かさ。美智優さんが「夫」のそれをよく理解した
   できごと。常は空気みたいな存在の配偶者だけれど、いてもらわねば困る。
   うるさくても、うっとうしくても傍らにいる人だから感じる感情。分かってよかった。
   末永く良い夫婦でいてください。
   
 ・先に夫起きて私の朝が来る(ぺ天使)   英人
    
世の中の一般はこの逆で、妻が先に起きて朝食の準備をするというので
    あろうと思うが、いかがであろう。そしてぺ天使さんのような妻は何というので
    あろうか。少なくとも幸せという言葉は間違いなかろうと思う。
     実はわが家も結婚以来ずっとこれである。ボクの方が30分以上早い。
   ボクの妻も幸せと言って間違いなかろうと思うが、はたして本人はどう思って
   いるのだろうか。

    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2006年「課題」
      (9月)重ねる (10月)いつしか (11月)朝 (12月)別れる
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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