so058
(せんりゅうつれづれそう)
第58号(18年10月)
金 木 犀 の 章
(科 目)モクセイ科 (花言葉)謙遜、真実、陶酔、初恋、
中国原産の常緑小高木樹であり、主に庭園に植栽される。10月に開花し、
強い芳香を漂わせる。花弁は4枚、雄しべは2本。日本には雄株しか
渡来していないので、種子はできない。繁殖は主に取り木である。
沈丁花と同じように、開花の時期になればすぐに探し出せる金木犀、
それほど存在が確かである。自分の存在を川柳で残し、ただただ生きよう。
今月から待望の新人さんが登場、皆さんの出身地を明かせば、
愛知県が最も多いが、佐賀県、福岡県、広島県の人もあるのである。
これぞインターネットの利点を生かした集いであり、仲間である。
(★印及び太字は英人の推奨句)
課 題 「 いつしか 」 逆らえどいつしかもどる母の手に まつぼっくり 来し方がいいか悪いか今が在る ヒロ・アキニレ 知らぬ間に世相は変わり井の蛙 みいちゃん プロポ−ズあれから数え三十年 悠澪 満月もいつしか闇にとけていく さくら くしゃみしていつしか空は秋になる 靖坊 知らぬ間に酒が進んだ秋の宵 酒仙 働きづめでいつしか還暦へ 美智優 あれやこれいつしか過ぎてハッと秋 柳立 絵本読む孫はいつしかシンデレラ ぺ天使 まどろんでいつしかドラマ夢の中 ぺ天使叔母 蝉しぐれいつしか虫の音が響く ぺ天使兄 田を守る案山子いつしか朽ち果てて ぺ天使妹 いつしかと思っていても消える夢 桃華 いつしかと思ったときに負けていく 英人 |
「 休 日 」 まつぼっくり
休日は仕事忘れて主婦になる
天敵に言葉を選び選び 朝
思いきり掃除気持ちが軽くなる
★窓磨く空がどんどん近くなる
共白髪たまに相手がわからない
張り切ると午後まで持たぬ五十膝
川柳と出会い毎日リズミカル
(快調にデビュー、先が楽しみです)
「 電 話 」 ヒロ・アキニレ
★華やいだ声に少しの嫉妬する
落ちる声心の辛さ聞こえてる
昔よくつらいと母の声聞いた
今はよくいやしの友に電話する
メールより長電話が一番よ
(電話には電話の良さ、メールには・・・)
「 秋 」 悠澪
★足音に振り向けばただ枯葉舞い
夕焼けが小さな窓を額にする
カサコソと秋風吹いてあゝ五十路
秋風がひとり暮らしの戸をたたく
お湯割が恋しくなって秋の暮れ
(秋には秋の良さがあり)
「思い出の人々」 ぺ天使叔母・華芳
春の陽にコデマリ置いて去った人
★炎天下ボール片手にその笑顔
サヨナラとシュウメイギクを植えて行き
手をつなぎ墓参した姉今は亡き
艦上で連れて行きたいと挙手の礼
(人生の長さに比例して思い出)
・・英人の20句抄・・ 「 秋 晴 れ 」
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「また小さい秋」 柳立
扇風機ご苦労さまと箱に入れ
トンボ絵をモミジに替えて秋のれん
子らの声運動会の空を見る
★名月が雲からのぞく帰り道
虫の音のこのごろ細く草も濡れ
(小さい秋がだんだん大きくなって???)
「中秋の名月」 靖坊
名月と言われいつもの満月で
丸い月見ても心は欠けたまま
★満月と僕の間にある雲よ
月光を浴びて狼には成れず
いま月と目が合った一人の月見
(秋は様々、月も様々)
「 生 き る」 酒仙
しみじみと生きていること思う秋
★この虫に命があると殺せない
あの声で呼んでいるのは誰だろう
釘打ちの音がうるさい人の家
松の木に鳩が巣を掛け追い払う
(ただただ死ぬまで生きるのです)
・この虫に命があると殺せない ・あの声で呼んでいるのは誰だろう 「この虫」「この声」とはどんな虫、どんな声であろうか。読者に自由に鑑賞して 欲しいと言うことかもしれないが、これでは鑑賞のしようがない。ここは具体的に 書きたいものである。コオロギなのか、カマキリなのか、はてまた蚊なのか、 優しい声なのか、怒鳴り声なのか、それによって受け取り方は全然違う。 |
「 姑 」 美智優
杖要らず薬も要らぬ九十歳
卒寿来て粗食の義母は医者要らず
我死して名は残らぬが子が八人
一生を十五で嫁ぎ野良仕事
★愚痴言わず人生受け入れ九十に
(ここにただただ生ききる人がいる)
(随想) 「 継 続 の 努 力 」 英 人 私がホームページに「話・話」を書き始めたのは、2004年 5月27日、それが今夜(2008年10月21日)で670話である。 新聞等の記事の引用に、短いコメントをつけたたわいもないものであるが、 年月が進むに従って話題探しに苦労し、我なりにかなりの努力をしている。 今夜から日本シリーズが始まり、今夜の「話・話」は山本投手を題材にした。 川柳連れ連れ草も今月で丸5年近くなり、始めてまだ1回の休刊もない。 皆さんの投稿があって続けられてきたことではあるが、 それだけに皆さんの投稿がある限り、私の意思だけでは止められない。 継続には回りの力も大きいのである。それを利用する方法もある。 この随想も中断したくなくて、こうして今むりやり書いている。 皆さんに早めに依頼すればいいものをつい忘れてしまう。 これがこの随想の裏事情である。継続にはやはり努力がいるものである。 でも中断は悔いが大きく、継続は悦びが大きい。 人生は死ぬまで中断するわけにはいかない、 生の継続の努力を止めたときには、まさに死である。 継続の努力はそれほどに重要である。 (061021) |
「風邪ひいて」 ぺ天使
熱が出て約束の日をキャンセルに
好物の寿司もプリンも見たくない
熱っぽい肩もむ夫も咳ひとつ
★もしかして夫から見舞い肩もみネ
風邪ひいている間に褪せた彼岸花
(風邪ひいて見いだすこともある夫婦)
「秋の風景」 さくら
秋風が枯れ葉をダンスに誘ってる
秋色の髪に見惚れる交差点
秋空を飛行機雲が真っ二つ
★悩み事吸い込んでいく秋の空
夕焼けが山に呼ばれて帰っていく
(川柳で秋を綴る、これも幸運)
「七十代の喜怒哀楽・五十三回」
みいちゃん
手紙書く心の糸を紡ぎたく
いい人と言われる度に首すくめ
★夢一つぽかんポカンと浮いてます
お互いに気遣いごっこ草臥れる
どんな芽も拒まぬ土の慈悲の愛
(喜怒哀楽、これも生きることです)
(鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ ・丸い月見ても心は欠けたまま(靖坊) 桃華 何かショッキングなことがあったのでしょうね。 名月を仰ぐと嫌なことも吹っ飛ぶような気持ちになれるのは私だけでしょうか。 単純は私はいつも自然を相手に喜びを見いだしています。道ばたの小さな花にも、 飛び交う鳥たちにも、今、自分が生きていることを喜んでいます。 ・窓磨く空がどんどん近くなる(まつぽっくり) 英人 よく見えるようになれば近くなったと感じます。なかなかいい目の付け方です。 心の窓もしっかり磨いて、世間を広く見ていきたいものです。 投稿をお待ちしています |
「川柳連れ連れ草」への投稿案内 次の要領で川柳及び感想文を募集します。 投稿をお待ちしています。 1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度 メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて ください。課題の題は2)の通りです。 2)2006年「課題」 (9月)重ねる (10月)いつしか (11月)朝 (12月)別れる 3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文 (150字以内)も募集いたします。 4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行 います。感想文もその句のページに随時掲載します。 掲載方法は一任してください。 5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。 川柳投稿 |