so056
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第56号(18年8月)

風 船 蔓 の 

(科 目)ムクロジ科  (花言葉)あなたと共に、多忙
蔓性でとても小さな白い花を咲かせ、ホオズキのような丸い実をつける。
それが風船のようなのでフウセンカズラと呼ぶ。中は3つ分かれた
部屋に一つずつ種が入っていて、種にはハート模様の跡が残っている。

一度頂いて蒔いた風船蔓が、その後は蒔かないのに毎年その位置に生えてくる。
種がこぼれて生えるのであろうが、見かけのしおらしさに比べ、何と強いことか。
更にこの暑さの中で生き生きしているのも素晴らしい。これは君にたとえられようか。
          (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題   「 読 む 」

読み聞かせ子にした絵本孫たちへ      美智優
顔色を読まれた方が負けている   みいちゃん
暗闇にギリシャ神話の星を読む    柳立
秋近く友の心が読めなくて    ヒロ・アキニレ
冷房の部屋で本を読む外は炎    ぺ天使
我が夫の心読みたく話しかけ   ぺ天使叔母
亡き母の日記開けば愛あふれ    悠澪
絶縁状読み誤ったストーリー    靖坊
海辺にてそっと読書をするトンボ   さくら
40年何時までたっても読みきれず   酒仙
童話読む素直な心戻っている   桃華
残暑というには早い手紙読む   英人



「夏の午後の散歩」    靖坊

焦がされてみたく35℃の外出
往来の日傘と帽子我持たず
汗湧いて動物としての我覚醒
重い重い引き摺る影法師も重い
★陽炎が揺らめく未来向かうだけ
(暑さにまっすぐ向かう青年!)



  「 禁 煙 」   ぺ天使

 知らぬ間に禁煙はじめていた夫
★タバコのタ言わないように心がけ
  タバコ断ち飴の量増え気にかかる
    私も応援するから頑張って
      今度こそ二人三脚で成功へ

     (今度は夫婦揃って本気だ)


「 お 盆 」      酒仙

 ★祖父と孫墓石の前で手を合わせ
 墓庭に訪れる人花を持ち
 どの町もお盆休みは店を閉じ
 盆休み親子が登る犬山城
 この仕事就いて世の中味わえず

(逆の人もあって世の中は成り立つ)



・・英人の20句抄・・ 「 夏と言葉と 」

              朝刊を待ちこがれてた熱帯夜
              涼しさを与える言葉さがす朝
          正論は黙って聞くに限るもの
          緊張の糸切れやすい暑さだな
          毛穴からうめきが漏れる気温です
 キーボード叩く指は無表情
 二本の指でも動くキーボード
 カタカナ語使ってもっともらしくなる
                        方言を売り物にして我が個性
                        無骨な指が優しい文を書く
      ねぎらいの言葉をかける自己満足
      ほめ言葉使っているのに嫌われる
                     律儀にテレビの魔術信じてる
                     終演は家族の愛という構図
                ジーンズのポケットの中は狭すぎる
                紙コップのコーヒー置いて妻出かけ
                無意識に背が丸まる葬儀場
     ネクタイを外して品の落ちる人
     いつまでも観客でいる炎天下
     すらすらとはなせぬはなし白昼夢



「花火大会」     柳立

若者もこの日ばかりは下駄鳴らし
近過ぎてドンと真下で首をもむ
お月様尺玉連発ケムに巻き
ドンと来て閉めは一発大花火
★渋滞も余韻残して子の寝顔

(夏は花火、子供は花火)



 「長かった梅雨」    美智優

★雨降ればあざけるように草生える
花柄の傘でジメジメ吹き飛ばし
雨の日は模様替えして気分変え
日本を沈めるように雨が降る
久々の陽射しに表が活気付く

     (そして暑い夏が続く)


「合歓の花」    ぺ天使叔母・華芳

★合歓の歌教えた恩師今いずこ
数々の思いで残し逝った人
車窓より合歓の花見る懐かしさ
合歓の花雨に打たれて息づいて
演奏会遺影を見つめ胸あつく

(歌に思い出、花に思い出、その豊かさ)


(随想1)  
「合歓の歌の思い出」    ぺ天使叔母

♪ あなたは疲れたお眠りなさいというように合歓の花が咲いている ♪

と言う歌い出しでこの曲を指導してくださった先生は、
越路吹雪さんとの共演がご自慢。
私たちも喜々として練習に励んだ15〜6年間。
惜しくも亡くなられ、この度追悼演奏会を催されると
言うことで、招待を受けて足を運んだ。
にこやかな先生のお写真をバックに、団員の皆様が熱唱され感無量。
わが家から市街へ出るまでの川のほとりに無数のこの木が自生して、
今年は殊更に色美しく、私は歌を口ずさみながら
「先生、そちらでかつてのお仲間と歌っていらっしゃいますか、
お酒を召し上がっていらっしゃいますか」と語りかけてみた。

    



「暑い夏」    ヒロ・アキニレ

  耳鳴りか蝉鳴く声か疑問有り
  ガソリンと電気代増す暑い夏
  UVのカットシャツ着て街に出る
  アイス飲み二時間ねばる喫茶店
  ★夕方の水撒き待ってる花木たち
(四季のある日本のありがたさ、しばし待て)



「七十代の喜怒哀楽・第五十一回」  
                 みいちゃん


兎小屋に友が一杯来てくれる
★介護の掌仏と鬼を同居させ
当然の中に見出す有り難う
適当に出来ずストレス溜め込む日
矛盾した考えかたが揺れている

    (いくつになっても揺れて人間)



   (随想2)  「 出 逢 い 」   ぺ天使妹

思い起こせばこれまで様々な出逢いの中で生きてきました。
それらの出逢いは悲喜様々でした。
嬉しい出逢いでは感謝の気持ちが沸き、そうでないときは、
不満を抱き、心が痛くなることもありました。
先日、先輩や友人達とそのことが話題になったとき、
「不満や心痛を和らげるには、自分の考え方を
転換させるのが一番」
というのが結論でした。
自分の成長のためと受け止めるとか、川柳の題材にするとか、
人それぞれの方法で実行していることではあるのですが・・・・。
よい出逢いに感謝!!!




    「 八 月 」       さくら

  迫りくるミンミン蝉の大合唱
     カレンダーめくると広がるパラダイス
お茶の間で元気をもらう甲子園
      ★満塁のピンチにチャンネル変える君
   クーラーが君より大切熱帯夜
     (知恵を使って夏をやり過ごす)



「 星 」     悠澪

星見ない?眠れぬ夜は誘う屋根
意気地なし星が見下ろし笑ってる
★願いごと決まって探す流れ星
見たくても明るい夜空が隠す星 
短冊をそっと浮かべる天の川
(星のある潤いのある生活)



「 発 熱 」    桃華

ツルを折る今日は朝から熱が出て
赤トンボ咳の数だけ逃げていく
食べたいなでも食べられない水ようかん
★いつにないやさしい声に目が覚める
遠花火泣いたあの子も見てるかな
(ときどきは熱を出して子供です)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 介護の掌仏と鬼を同居させ(みいちゃん)       桃華
     よーく分かりますよ、この気持ち。私はただいま義母を介護中。
    常は優し意気持ちで接しているつもりだが、わがままを言われたりすると、
    つい、ムカッと来る。いかん、いかん、相手は弱い人間と常に反省の毎日で
    ある。介護を楽しんでやれるようになりたいと、ただいま努力中である。

 満塁のピンチにチャンネル変える君(さくら)      英人
     ひいきチームがピンチになるともう気が気で見ておられない。チャンネルを
    変えてしまう。そして、また何分後に戻す。本当は一番応援しなければならぬ
    場面、また一番の見所。冷や冷やしてまで見ることはないないという気の弱さ。
    これでは本当のファンとは言えぬが、この君とはボクのことです。

    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2006年「課題」
      (5月)燃える (6月)話す (7月)蛍 (8月)読む
      (9月)重ねる (10月)いつしか (11月)朝 (12月)別れる
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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