so055
(せんりゅうつれづれそう)
第55号(18年7月)
合歓木(ねむのき)の章
(科 目)マメ科 (花言葉)歓喜、胸のときめき、想像力
葉は夜になるとゆっくりと自分で閉じる。 それがまるで眠るようなので「眠りの木」、
そして「ねむの木」に変化していったという。 地方によっていろんな呼び名があり、
ねんねの木、眠りの木、日暮らしの木など 眠りを意味するものがほとんどである。
大きな木にほんわり優しい合歓木の花、何か不似合いな気がする。
川柳はそんな不似合いを見つける旅でもある。観察、観察、心で観察である。
(★印及び太字は英人の推奨句)
課 題 「 蛍 」 暗闇を未練引きずり飛ぶ蛍 悠澪 光らない昼の蛍の疲労感 靖坊 はかなさを川面に映す蛍火よ ヒロ・アキニレ 今年こそ蛍の姿追い求め 酒仙 蛍火のふわりと飛べりやさしい人 柳立 庭に出てわが家の蛍けむり吐く ぺ天使 宝石のような蛍が蚊帳の中 ぺ天使叔母 押し入れに団扇見つけて蛍狩り ぺ天使兄 演出があるかと見える蛍舞う ぺ天使妹 清水と清い心に住む蛍 さくら 蛍光灯切れてあなたの価値を知る 美智優 蛍舞うよく働いたごほうびに 桃華 蛍舞う一瞬の生を我がものに 英人 |
「喫茶店」 ヒロ・アキニレ
一宮の井戸端会議ここにあり
トーストと茶碗蒸しまで付いてくる
ストレスとボケ防止に話まくる
会話ないただ飲むだけの老夫婦
★待ち合わせ隅の座席でそっと待つ
(一宮は喫茶店王国、その環境を楽しもう)
「 雨 」 悠澪
新しい傘と一緒に雨を待つ
★雨模様心の扉閉ざしてる
けんかして飛び出したけど外は雨
雨上がりトマト色付き夏が来た
梅雨明けを待ちきれないとせみが鳴く
(雨は自然、上手につきあおう)
「梅雨のころ」 柳立
★部屋干しにそのまま二日タオル垂れ
いざ晴れ間犬も急いで角曲がる
チュンと来て今朝も休まずぬれ雀
あじさいを眺めている間の小町姫
夏風呂はシャワーで済ませて栓を抜く
(梅雨も過ぎればなつかしい)
「変わらない夏」 さくら
太陽に蒸し焼きされる昼下がり
口ずさむ曲も一緒の同級生
京都では飲む珈琲も古都の味
人生も晴雨兼用 傘がいる
★理由なく気持ちがはずむ夏が好き
(変わらないと思うのは若さ!)
・・英人の20句抄・・ 「 再び旅 」
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「仲良し」 ぺ天使叔母・華芳
★散歩道小雀仲良しチチパッパ
ポンリーチ馴れぬ手つきでパイ集め
ジイジババ知らぬが仏の高笑い
麻雀に明け暮れ川柳どこへやら
サァ大変締め切り近し指せわし
(麻雀に溺れるのは若さ!)
「パソコンの故障」 美智優
パソコンに振り回されて日が暮れる
パソコンに無視され無力思い知る
失敗はクリアキー押し明日を待つ
★難問も明日解けるかも今日は寝る
私の脳も初期化ができたらな
(パソコンは悪魔、されど偉大なる助っ人)
「七十代の喜怒哀楽・第五十回」
みいちゃん
今月もお墓に行けずごめんなさい
わたくしはダレ名古屋の街で立ち竦む
お腹抱え笑うことなく過ぎた日も
難しい漢字読めても直ぐ書けない
★もうわたし何があっても驚かぬ
(人生達観、さあ、これからだ!)
(随想) 「思い出の地・メキシコ訪問」 酒仙 81年に1年間メキシコの合弁会社で技術指導をしてから25年、その間に妻を連れて 訪問したりしているが、今回はその合弁会社が30周年を迎えたことで今まで 携わった人達に招待状が届きました。妻を日本に残し4回目の訪問となりました。 今回も余りにも変化してることに感激しました。 それはまずスコールが夕方1時間ぐらい降るが今までは傘を差そうと しなかったのに雨傘を差す光景を見ることが出来ました。 また街の中を行き交う人達に携帯電話の普及です。誰でも持っている感じでした。 それから街の中を走っている車が新しい車であることに驚きました。 スコールの後の水溜りでエンコしている車を一台も見ることが出来ませんでした。 5泊6日の旅の中3日間だけは自由行動が許されたので、この機会に自分が 住んでいた地を訪問し、妻に頼まれていた土産を買い求めることができました。 2日目は社員の奥様 (メキシコ人)の運転で75KM離れた 「クエルナバカ」へ行きました。 市内遊覧バスに乗車して有名な教会に案内された時、豊臣秀吉によって処刑された 外国人宣教師と日本人カトリック教徒(日本26聖人)を題材にした 殉教壁画の前で私の姿を見て得意気に説明をしてくれました。 次の日は30周年の記念式典で、州知事はじめ多くの関係者に囲まれ 感激もひとしおでした。工場を案内されると至る所から声が係り自分が携わってきた 苦労や経験してきたことが今も実を結んでいると思うと感無量でした。 次の日は一度は訪ねて見たいと思っていた市内から170KM離れている 「銀の街タスコ」を社員の案内で訪ねました。 狭い傾斜地にコロニアル調の古い町並みが美しく残っておりました。 しかし、日本を出発するときにこれだけは見たり、食べたりしてこようと思っていた ことが出来なかったのが心残りとなり、また訪れたい思いが募る旅でした。 |
「衣更え」 ぺ天使
★ブラウスは夫と行くからおろしたて
流行の白着て少し若づくり
Tシャツをひいふうみいと二十枚
色褪せても着心地よくて捨てられぬ
気に入りのスカート今年入るかな
(衣類に興味も若さ!)
「 氷 」 靖坊
生ぬるい言葉のあとに氷水
食べ飽きて突付き始めるかき氷
ガリガリと氷をかじり敵を待つ
★甘さだけ残して消えるかき氷
氷より冷たい君の無表情
(かき氷を楽しむのはこれからだ)
「 夕焼け 」 桃華
夕焼けに染まって弟愛らしい
夕焼けがボクのおうちを赤くする
夕焼けと遊ぼうサッカーおもしろい
夕焼けとともにカラスも去ってゆく
★夕焼けがさよならをするまた明日
(夕焼けと沢山語って大きくなろう)
(鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ ・人生も晴雨兼用 傘がいる(さくら) 桃華 雨の日もあれば晴れの日もある、だから人生面白い・・・と言ってしまえば、 それまでだが、面白がってばかりいられない。あまりにも強い雨ではそれ なりの対策が必要、石橋を叩いて渡るほどではないが、少しの準備はして おきたいものですね。 ・甘さだけ残して消えるかき氷(靖坊) 英人 かき氷もほかっておけば溶けてただの水になってしまう。作者はその水に、 甘さが残っているととらえた。その心は何か、なぜ折角のかき氷を溶かして しまったのか、かき氷を前にもの思いにふけっていたのであろうか。 疑問は深まる。 投稿をお待ちしています |
「川柳連れ連れ草」への投稿案内 次の要領で川柳及び感想文を募集します。 投稿をお待ちしています。 1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度 メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて ください。課題の題は2)の通りです。 2)2006年「課題」 (5月)燃える (6月)話す (7月)蛍 (8月)読む (9月)重ねる (10月)いつしか (11月)朝 (12月)別れる 3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文 (150字以内)も募集いたします。 4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行 います。感想文もその句のページに随時掲載します。 掲載方法は一任してください。 5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。 川柳投稿 |