so051
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第51号(18年3月)

猫 柳 の 章

(科 目)ヤナギ科  (花言葉)努力が報われる、自由、率直
川辺や湿地に自生し ネコの尻尾にみたててこの名が付いたという。
木は雌雄異株で、花は葉が出る前に開花する。

挿し木してまだ数年の猫柳で、花穂もまだ子猫の感じです。
挿し木で根が出て芽が出るなんて、植物の不思議さ、素晴らしさ。
人間はもっと素晴らしい、川柳で人の輪ができ、友情が生まれる。
          (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題   「 夜 」

夜が明けて夕べの夢を整理する    ぺ天使
夜更かしの妻は朝寝坊ですれ違い    ぺ天使兄
懐かしき声をまどろみの中に聞く    ぺ天使妹
夜更けて未来に向けて朝が来る   ぺ天使叔母
口紅を落とし自分に戻る夜    美智優
夜襲かと勘違いした震度1   靖坊
暖かさ明日を願う春の宵    ヒロ・アキニレ
重い口開くまで待つ春の宵     みいちゃん
夜明け前新たなドラマうずいてる    さくら
しんしんと寂しさが増す冷える夜    悠澪
朝と夜グイと引かれて犬ウォーク    柳立
ふらふらとさまよった夜なつかしい   酒仙
夜の街ひとり歩きは寂しすぎ    桃華
後悔の種まいた日の長い夜     英人



「春よ来い」     ぺ天使

山眠り梅の便りは遅れぎみ
★寒卵 ふたあつ割って春の朝
土手で待つ土筆菜の花いまだ弥生
ひなさまを一枚撮って片づける
散歩道目を奪われた初桜
(お待たせしました、背筋を伸ばして行きましょう)



  「 お犬様 」     美智優

お犬様呼び捨てしたら嫌われた
私よりいいもの食べてるお犬様  
お犬様この服君の好みなの?
どことなく飼い主に似てきどってる
★犬をやめおもちゃになって飼われてる

    (何といっても人間様です)


「サンデー毎日」     柳立

退職を待ってましたと役が来る
気がねなく寝坊したいが早く醒め
雨音とテレビ新聞犬に暮れ
★椿咲く静かな雨にただ一人
還暦はまだ若いねと黄泉の道

(サンデー中日はいかがですか)



・・英人の20句抄・・ 「 退職直前 」

            退職を桜前線が追ってくる
              ふくらんだ桜に思う残日数
                    一口に三十八年という長さ
                        赤くなり青くなり顔落ち着かぬ
    想定の外に多くのことがあり
       人生はトラブルがあって成長し
          頑固さと意志の強さを計りかね
                  退職を思ったことも二度三度
                  大掃除ほうきの先に残る未練
           あの道路この橋僕に遺産あり
           三十八年過ごして今の財があり
                        したたかな風で抵抗やり過ごす
                       春一番苦い思い出消えていた
      気ぜわしい日々が続く退職前
      感激に浸る時間がまだ持てぬ
        あの時代この職場と送別会
                  恵まれた職場だったと今思う
                退職の日をおもむろに待つとする
               のんびりとした日々が目の前に



「 立 春 」    ぺ天使叔母・華芳

★春立てば希望の明日が輝いて
立春だ鬼豆福豆空高く
福は内鬼も内と声高く
掌をこぼれるほどに年重ね
同病者相憐れむと人の言う
(春だ、希望だ、今年も元気だ)


             


        「 母 急 逝 」    悠澪

   
いつもの時間に、起きて来ない母の様子を、娘が見に行くと、
  すでに冷たくなっていた。あまりに突然で、信じられず、ひょこっと
  電話がかかってくるような気がします。
   母は梅の花が好きでした。今年も紅梅がみごとに咲きましたが、
  見ることができませんでした。



         永遠の終止符を打つ親子仲
      皆帰り急に冷え込む通夜の席
   線香の匂い漂う午前二時
     突然に睡魔が襲う午前四時
        泣き腫れた瞼で祖母を見送る娘
     焼香で堰を切られた涙川 
    真青な空を目指して母が逝く
       機械的遺骨を盆に取り出す人
   ロボットのような声した火葬場の人
     人知れず咲いて寂しく散った梅
        五十路過ぎ母と呼べない産みの親
           出生の疑惑を晴らし逝った母
            明日のことわからないから今日を生きる




  「介護老人保健施設」   ヒロ・アキニレ
       
どうでも入らなければならなくなるまで、まだまだかしら。
       それまで、今の生活頑張って、やり残しのないようにしたい。


 姨捨が山から街に移動した
    建物も室も設備もピッカピカ
      それなのにここには入るの嫌と言う
   ★嫌だよと言える間はまだいいの
 嫌だとも言えなくなったら入るのよ

    (難問、難問、さらに難問)
       



「七十代の喜怒哀楽・第四十六回」  
みいちゃん


胡蝶蘭貰い手入れに大騒ぎ
★誰にでもあるのだ光るナイフの目
負けるもんか人にも世にも自分にも
楽しさを計ればきっと溢れそう
逃げるのは簡単受けていくさする

(戦って、戦って、まだ負けないぞ)


( 随 想 )「最近衝撃を受けた言葉」
               みいちゃん

    私の友人にとても面倒見のいい人がいます。
  彼女はどんなに忙しくても損得を省みず、助けを求めれば直ぐ飛んで来て、解決の方法を
 見つけてくれます。 編み物の教室を開き,週三日は生徒さんと談笑を交えながら指導します。
  時々川柳の会に来ていく物を依頼しますが、忙しい中をわたしに似合うものを編んで くれます。
  その上季節季節のお花見や、お食事に誘ってくれます。
 
   ある時別の友人に彼女の事を話題にしたら、にべもなく言い放ちました。
 「それは彼女は商売の延長の親切なんだよ」わたしは友人の身も蓋も無い言葉に ショックを
 受けました。それ以来その友人を別な目で見るようになりました。
   わたしは長年人を見ていると、忙しい人ほどやり繰りをして時間を作り、相談に乗り、 智恵を
 貸してくれるものだと感じています。 逆、暇な人ほど理屈をこねて頼まれたことを後回しする気が
 します。わたしもそんな彼女にあやかりたいと思い努力をしています。また、五十代の友人に迷惑
 を掛けないように気をつけて、エネルぎーを頂いて少しでも人のお役に立ちたいと思っています。

      (以前作句した句) 
幸せの目には映らぬ花の翳    
 



    「 髪 」     靖坊

★泣き声も立てずに切られ行く髪よ
知らぬ間に我を見捨てる抜け毛たち
白くても残っているよありがとう
たんぽぽの綿毛のように飛んで行く
戻らないフサフサの髪ああ青春
  (髪よ、髪よ、神様よ、嘆くなかれ)


 「 血が上る 」    酒仙

 文句言う奴ほど仕事間に合わず
 いろいろとして気がでるとフタをする
 こんなはずあんなはずではなかったのに
 人ごとと言ってしまうのはただの人
 ★あれこれと言っても聞かず動かない

(血は大切にしましょう)


「 夫婦愛 」      さくら

早朝の華麗な舞で目が覚める
★旅立ちに待ったをかけるなごり雪
マラソンの名古屋に咲いた夫婦愛
何事も倍返しなのホワイトデー
ホワイトデーお返し妻が品定め

(嫉妬は無縁、信頼の良い夫婦です)

                


「 弟に (3) 」    桃華

心地よい風をみやげに帰宅する
かゆがって全身運動する弟
キミもまたボクに似たからアレルギー
★いいことが今にあるよと声をかけ
夜泣きするキミを横目に眠りけり

  (優しさは財産、キミはいい子だよ)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

  楽しさを計ればきっと溢れそう(みいちゃん)     悠澪
      人は厭なことや悲しみばかりを数え、なかなか忘れられないようですが、
     実は悪いことばかりではないのですよね。いいこともたくさんあったはず
     なんですよね。

  犬をやめおもちゃになって飼われてる (美智優)     英人
      まさに犬は愛玩動物である。犬の意思にかかわらず、人間がそうして
     しまった。犬にとって、辛いのか、楽なのか知らないが。
      犬を子供に、男に、女に、人間に変えたら、おもちゃの部分は何になるの
     だろう。考え始めると寝付かれない。

  退職を待ってましたと役が来る(柳立)      桃華
      町内会の役員は信望があってしっかり働いてくれる人がいい。現役の人は
     忙しくて引き受け手もなく、退職した人なら安心して任せられると考えるのは、
     どこの地域も同じですね。選ばれたのは素晴らしいこと、頑張ってください。 


    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2006年「課題」
      (1月)雪 (2月)降る (3月)夜 (4月)楽しい
      (5月)燃える (6月)話す (7月)蛍 (8月)読む
      (9月)重ねる (10月)いつしか (11月)朝 (12月)別れる
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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