so050
     (せんりゅうつれづれそう)

              
 第50号(18年2月)

青 木 の 章

(科 目)ミズキ科  (花言葉)永遠の愛、慈愛、初志貫徹
年中青いので青木という。冬にナツメ形の赤い実が付く。
日陰でもよく育ち、しかも、あまり大きくならない潅木です


青木は色の少なくなった冬の景色に明るさを添えてくれます。
川柳連れ連れ草も明るさを添えて、区切りの50号になりました。
皆さんの努力、熱意に乾杯!
          (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題   「 降 る 」

雨に思う青でよかった空の色     悠澪
はしるボクいくさきざきで雪が舞う     酒仙
雪が降る心の中を凍らせる    みいちゃん
雨から雪へ今夜はお鍋です    美智優
降り注ぐ日差しで気付く春の声   さくら
相老いに優しく肩にひかり降る    柳立
降るように私めがけて枯葉舞う     ぺ天使
降りしきる雪に耐えてる夫婦鷺    ぺ天使妹
遠い日は降るほどの星目を癒し   ぺ天使叔母
降り続く路地裏に心の中に   靖坊
雪空に今日はどこへも行くものか    ヒロ・アキニレ
降る雨を眺めて今日もひとりぼち   桃華
降るほどの蹉跌を重ね今があり   英人



       「春よ来い」     美智優

        灯油買うたびに涙がこぼれそう 
           ★雪の上光は春へ向かってる
        娘の幸願ってがぶり恵方巻き
           北風に向かい膨らむ梅蕾
        陽だまりを追って野良猫丸くなる
            
 (そらそこに、君の足元です)



「 マスク 」    靖坊

マスクして眼鏡かければストレンジャー
マスクした知人 目だけでご挨拶
目は笑いマスクの裏で牙をむく
伝えたい言葉 マスクで遮られ
★本心は隠したままでマスク取る

(マスクにサングラスかければ・・・・)


「 な べ 」     酒仙

    なべとふた しっくりなついて40年
    ★なべものは年輪の差で味変わる
    なべものはけんかをしても箸が出る
    つつきあうなべの具をとり肩よせる
    すりよつて具をとるふりして手を握る

(年月を重ねて年輪に重みあり)



                     「琴弾いて」    ぺ天使叔母・華芳

                       習っていてよかったねという息子あり
                           琴聞いて嫁は夜なべに針仕事
                        ★浄土にも響くといいね琴の音が
                            荒波を越えて息子は穏やかに
                       大切な人からFAX短すぎ
                           
(意欲旺盛まだ青春です)



・・英人の20句抄・・ 「 春のトラブル 」

              勧誘の電話短い妻の声
      訪問を受け入れすでに負けている
      営業マン負かす言葉が見つからぬ
      聞くほどにうまい話に引きづられ
            印鑑を押せば冷たい声がする
            契約を済ませて不安新たなり
  いざ工事すぐにトラブル何ですか
  油断です想定内の事故でしょう
  曇天の空だ悪い予感する
                      素っ気ない電話の声に血が上る
                      久々の怒りの言葉吾があり
         振り向けばシクラメンは静かなり
         地元です早い修理が命です
                   再開の工事に不安持ったまま
                   完了の声に怒りが薄らいで
       インターネット途切れて知る利用価値
       惜しみなく時間を奪うIT社会
                トラブルも反省すれば価値が出て
                平和です危険負担を忘れます
                トラブルを話の種にする輩



              「友きたる」     ヒロ・アキニレ

                 友人の丸い笑顔にいやされる
                   一人居る淋しさ隠す強い人
                   自分より私の方を気遣って
                  彼女は絵私文書く二人なの
                  ★別れ際車の窓に伝え合う 

                     (友がいる嬉しさ、ありがたさあり)



「この街で」     ぺ天使

よろしくと転校生でこの街に
三人の子供の縁で友ができ
★少しずつ大人になったこの街で
この街で育った君はもういない
思い出が詰まった街で暖かい

(この街で良かったと思う)

 


          「七十代の喜怒哀楽・第四十五回」      
                           みいちゃん


            ソッポ向く神に毎朝手を合わせ
             IH は魔物時には牙を剥く
                 わたくしの大事な時間盗らないで
                ケータイをしつつ食べてるドライバー
           ★御し難いわたしの心掴めない

               (十分に御した君がいる)


「バレンタイン」     さくら

髪型を変えて足早待ち合わせ
★恋心ラッピングして届けたい
夢の中受け取る君は笑い顔
意味も無く放課後残る誰も来ず
義理人情チョコに含めてほしくない

(ラッピング外して春が来る)



( 随 想 )「大人が諦めてはいけない」  悠 澪
 
   
もう、二十年も前のことでしょうか、入学式も終えて新年度が動き出したばかりの頃、
毎朝、娘を幼稚園に送って行く途中で出会う、小学校一年生の女の子がいました。

家も近くで、顔も名前も知っているので、「おはよう、いってらっしゃい」と声を
掛けましたが、何の返事もなく、無表情で通り過ぎて行きました。
そういうことが数日続いて、私は「あの子は声を掛けても挨拶もしない子だから」と
声を掛けるのを止めましたが、顔見知りの子供とすれ違うのに
無言でいるのはどうも気持ちが悪く、すっきりしません。
それで数日後、無視されてもいいからと挨拶を再び開始しました。

一ヶ月、二ヶ月と過ぎて、夏休みも近づいたある日、いつものように
「おはよう、いってらっしゃい」と声を掛けると、
「おはようございます」と小さな声が返ってきたのです。
何か、とってもいいことがあったような喜びを感じました。
それ以来、その子はいつどこで出会っても、自分から「おはようございます」
「こんにちは」と挨拶をしてくれるようになりました。

このことで私は、大人が先に諦めてはいけない、
この子は駄目な子と決めつけてはいけないと、学びました。




                「春ですね」    柳立

            春立ちて雪間の草の賑やかさ
            氷なく今朝はほほ笑む手水鉢
            ★雀呼ぶ マフラーはずしてペタルこぐ
               曇り窓相傘ハートは忘れもの
             姿無く百鬼花粉の風の舞い

               (春です、ウォーキングです)



「 銀婚式 」      悠澪      

炎消え迷い乗り越え君と生く             
手を取り合い歩き続けて25年
★夢ひとつ二人で追ってきたけれど           
ほころびを繕いつつも銀婚式  
冷える夜は二人で乾杯お湯割で
       
(さらに手を取り合って50年)     


「インフルエンザ」    桃華

鬼よりも怖いインフルエンザくる
うがい手洗いちゃんとやっても風邪をひく
大好きなプール・遊戯がおあずけに
いつもよりやさしい顔のママがいる
★痛いとこないかと問われ泣けてくる

(君にも勝てないものがある)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

  友人の丸い笑顔にいやされる(ヒロ・アキニレ)     桃華
      
家事に追われ、育児に追われ、あげくは介護まで、専業主婦は
     忙しい。その忙しい合間の友との再会、彼女の笑顔はいつも私を
     励まし慰めてくれる。友がいることのありがたさを感じるひとときです。

  雪の上光は春へ向かってる(美智優)     英人
        雪の上に光がさすと何となく温かい気持ちになる。作者はそれを
      春に向かっていると解釈している。冬の最中であるが、そうした
      前向きの姿勢が嬉しい。そうして本当の春になる。


    投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2006年「課題」
      (1月)雪 (2月)降る (3月)夜 (4月)楽しい
      (5月)燃える (6月)話す (7月)蛍 (8月)読む
      (9月)重ねる (10月)いつしか (11月)朝 (12月)別れる
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

             川柳投稿


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