so048
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第48号(17年12月)

枇 杷 の 章

(科 目)バラ科  (花言葉)内気、ひそかな告白、静かな思い
原産地は中国で、果実の形が楽器の琵琶に似ている
ところから「ビワ」と名づけられたといわれる。
白い花は11月から12月ごろに咲き、果実は翌年の6月に熟する。


暖冬の予報をあざ笑うかのごとく、例年にない寒さの12月。
自然の奥深さなど人知の及ぶところではない。
また、人の奥深さも他人が及ぶところではない。そこに川柳がある。
          (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題 「 深 い 」

夢消えてあなたの愛の深さ知る     悠澪
夜深く今日のできごと消してゆく   ぺ天使
人生も秋もしみじみ深まりぬ    ぺ天使妹
晩秋の山深々と人想う   ぺ天使叔母
なにげない夫の言葉に深い愛   美智優
深かった想いも薄れ日々過ぎる  ヒロ・アキニレ
海底の深層にある兵の霊   みいちゃん
川柳は奥が深くてのめり込む   酒仙
年尽きる深い慚愧に咳三つ    柳立
髪を切る深い意味などありません   靖坊

深々とあいさつをされ苦笑い   桃華
風邪ひいて想定内の深情け    英人



 「 冬到来 」      美智優

  木枯らしが吹いて湯船が恋しくて   
オリオンが姿を見せて冬到来
   ★今年また夢遠くして師走入り
もう師走焦りを押さえ昼寝する
  師ではない私が走る年の暮れ

  (冬を受け止め、冬をやり過ごす)


「 冬支度 」       ぺ天使

★新しい冬が来るから炬燵出す
着ぶくれて肩こり続く十二月
姿見に写して決めた冬帽子
神信じ来年のお札受けてくる
植木にもコートを着せて冬支度
(冬支度をして、冬をやり過ごす)



「咳ひとつ」    靖坊

わだかまり吐き出すような咳ひとつ
★咳ひとつかじかんだ手を温める
いがらっぽい不安と共に咳ひとつ
咳ひとつ喉の痛みは去らぬまま
咳ひとつない部屋の中咳ひとつ
(全月投稿して咳ひとつ、ご苦労様)



「今年のニュース」     摩夢多絽

   救急車乗り心地を知った夏
   柿不作手抜きはないか妻が問う
 悔しくも無いが宝くじ遠い空
 パソコンが私に代わって活躍す
★川柳に悩まされた一年で

  (落ちはいいが・・・来年の課題ここにあり)



・・英人の20句抄・・ 「 風邪ひいて 」

      渋柿は渋いままに冬迎え
   信頼が秋から冬へ揺らいでる
 冬までに朽ちていた南瓜と冬瓜
          風邪だろうソフトクリームが欲しくなる
          南瓜を食べる前に風邪をひく
          例年のごとく風邪に冒される
                    微熱あり鰯の頭焼いてみる
                   還暦に金属疲労という文字
                  還暦で大きなあくびして過ごす
                 雑音に内へ内へと潜る風邪
      風邪ひいて髭の伸びは変わらない
      聖書を読んでやわらぐ風邪がある
                         冗談がすらすら言える薬飲む
                         風邪薬副作用という効果問う
    天気予報はずれて風邪は気ままなり
   腕組みして風邪の行方を考える
  地球儀を回して風邪をまき散らす
                    道化師になって師走をやり過ごす
                    弱点を晒してイワシ気楽なり
               未熟な柿で最後まで生き残る



  「 大 雪 」      ヒロ・アキニレ

   ボーボーと降る雪老いをおびやかす
 ★遠くに居る息子に雪と訴える
    雪かきでお隣さんと久し振り
      スコップの冷たさ忘れ汗が出る
  雪かきをしているそばを救急車

    (大雪もネタになる今朝の川柳)



「 晩 秋 」   ぺ天使叔母・華芳

秋深く楓や蔦が競い合い.....................
★里山に住んで気ままな紅葉狩り..
訪れし初冬の庭に落ち葉見る.
山茶花が庭に一輪冬を告げ...........
衣替えいつまで匂う防虫香.................
(短い秋を惜しんで、そして今は・・・・)




「 迷 い 」      酒仙

  まだ早い呼びに来る人まちがえて
  この月はいつまで届く訃報通知
  ★知っていて口に出さずに天国へ
  隠さずに伝えてくれよ友の仲
  いづれまた自分もその身仲間入り
(迷っているのも生にうち)



「七十代の喜怒哀楽・第四十三回」
                   みいちゃん


恐くない素顔で生きてきたんだもん
    情けない正義もロマン通じぬ世
      老骨に鞭打ちやっと家が建ち
  寒い朝パンジーたちが話しかけ
★年なんて忘れて当分生きてやろう

   (年を知っても当分生きてやろう)



「クリスマス」   さくら
 

12月に入ると日に日に寒くなって行くのに、街ゆく人々の表情が
温かく楽しそうなのは何故なんでしょう?
ボーナス、冬休み、忘年会など楽しみの理由は人それぞれですが、
私が一番楽しみなのはクリスマスです。

子供の頃はサンタさんがいると信じていたし、
家族揃ってクリスマスケーキを食べるのが楽しみでした。
学生になると、好きな人や彼に手作りのプレゼントをするぞ〜なんて張り切って、
友達とクッキーを焼いたり、マフラーを編んだりしました。
社会人になると、年末は仕事が大忙しで、クリスマスイブに早く帰ろうと
すると、お局の先輩にイヤミを言われたものでした。

今、振り返ってみると毎年忘れられない想い出が出来るのがクリスマスです。
それは皆がクリスマスに「幸せになりたい、なろう」という願いを
託しているからではないでしょうか?
さて、今年のクリスマスはどんな想い出が出来るのでしょう…?


 *****************

ニューフェイスの登場です。来月から川柳にも挑戦されます。



「生きてやる」      悠澪

苦しみを乗り越えること目標に
★森林浴死にたいなんて笑っちゃう
生きてやる死が逃げるまで負けないぞ
生きていりゃ時には泣いてもかまわない
貧しさと「その内きっと」をバネにする
(酒仙さん、みいちゃん、みんなみんな生きている


「 十二月 」      柳立

赤青とそこだけ明るいクリスマス
荷を急ぐ多き車をものとせず
押し迫りやっと昼飯日向ぼこ
★ボーナスも三日月程の空っ風
走れども仕事半ばで日が暮れて

  (三日月を経ないと来ない満月)



「落ち葉」      桃華

美しい落ち葉ママへのおみやげに
狂ったようにボクに向かってくる落ち葉
落ち葉踏む痛い痛いと泣いている
ごめんねと言っては通る落ち葉道
★枯葉舞うこれからどこへ行くのかな

(いろいろ見て大きくなろう)



    (感想文T) 気ままに一言・・・ 

 年なんて忘れて当分生きてやろう(みいちゃん)     英人
     年、年と思うと生きる姿も消極的になる。そうだ、そのいき、誰に遠慮が
    いるものか、堂々と人生を謳歌してしまおう。機会は生かそう。
    来年も川柳連れ連れ草を大いに楽しみ、楽しませてください。

 
雪かきでお隣さんと久し振り(ヒロ・アキニレ)     桃華
   
  戸外は寒く、ついつい閉じこもりがちになります。散策どころではありま
    せんね。しかし、例年にない大雪で雪かきをしなくてはなりません。エエッと
    思いきって飛び出せば、あらあら久しぶりと、ついついお隣さんと会話が弾
    んでしまう。大雪も親善大使の役目を果たしてくれるのですね。

  投稿をお待ちしています



    (感想文U) 気ままに一言・・・ 

「家を建てる」     みいちゃん

英人さんエールを有り難う。そして{連れ連れ草}の皆さんいつも
素敵な元気の湧いてくる川柳を沢山見せて頂いて有り難う。
みいちゃんは、よわい75歳にして家を建て替えました。
以前の家は広いだけで機能的には 全く不便な住まいでした。
決心して約一年余り、やっと11月23日に引越しの運びとなりました。
小さい家ですが、パソコンの部屋もあり邪魔されることなく 没頭出来ます。
家を建て替えるといったら大抵の人が無謀だと反対しました。
兎に角私の48歳から、60歳までの5人の介護で
失った 青春を取り戻したかったのです。
遣れば遣れるんだと思っちゃいました。こうなれば最初は新居に
1ヶ月でもいいから住んで天国に行ってもいいなんて思ったけれど
いえいえ、1年、3年、5年、7年住んでみたいです。
決して家を立て替えた事を自慢しているのではありません。
くよくよ悩んでいる人にエールを贈りたいのです。
遣らない前から悩んでいないでって。

         「苦労して建てたお家が笑んでいる」




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2006年「課題」
      (1月)雪 (2月)降る (3月)夜 (4月)楽しい
      (5月)燃える (6月)話す (7月)蛍 (8月)読む
      (9月)重ねる (10月)いつしか (11月)朝 (12月)別れる
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

             川柳投稿


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