so047
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第47号(17年11月)

背高泡立草の章

(科 目)キク科  (花言葉)生命力、元気
北アメリカ原産の多年草。日本に入ると、旺盛な繁殖力で
あっという間に野を黄色く染めた。花言葉そのもの。

その勢力の強さに雑草視されるし嫌われもするが、少し見方を変えれば
その群落の美しさは見事なものである。鶏頭やコスモスとどこが違おうか。
ものの見方を少し変える、これがまさに川柳の極意、醍醐味である。
少し休養されていた摩夢多絽さんが再登場、ハッとさせられるような
随想を寄せて頂きました。さあこれからだ、泡立草のごとく元気で行こう。

          (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題 「 姿 」

幸せの後ろ姿が見え隠れ    靖坊
今一度昔の姿戻りたい    酒仙
ほほ笑みの姿とどめよ 夢枕   柳立
老いてゆく姉の姿に先を見る  ヒロ・アキニレ
姿見を覗き「よっしゃッ!」と出勤す   悠澪
夢の中後姿を追い駆ける   摩夢多絽
母老いて後姿は祖母のもの  美智優
眼閉じれば君の姿は若いまま   ぺ天使
姿見の姿を見れば歳相応   ぺ天使兄
せめてもと背筋伸ばせばバックシャン  ぺ天使妹
遊ぼうよ三々五々に子の姿   ぺ天使叔母
去って行く後姿に愛を見た    みいちゃん
さっそうと歩く姿に惚れつづけ   桃華
渋柿は姿を変えて甘くなる     英人




「 秋深し 」      美智優

風にゆれもみじ一枚しがみつき
強風を左右にかわしススキの穂
行き先も知れず病葉流れゆく
役目終え木に別れ告げ枯葉散る
★都合などおかまいなしに冬が来る
(秋が来て冬が来て、自然には逆らうまい)


「 鍋 」      酒仙
                 
11月7日で結婚40周年を迎える

   ★鍋と蓋しっくり過ごして四十年
   鍋物はケンカをしても箸を出す
   年輪の差で鍋物は味変える
   つつき合う鍋の具を取り肩寄せる
   擦り寄って具を取る振りし手を握る

         (40年、お互いご苦労様、おめでとう)



     「悠澪・苦悩の10句」

    この運命恨んでみても変わらない
            出口ない迷路さまよう夢ばかり
      かごの鳥いつも青空見つめてる
   父の影十年経ってもつきまとい
         レール上歩き続けて日が暮れて
       井の中を飛び出す勇気ない蛙
           かけられた期待重くて歩けない  
     父の背にいまだ阻まれ鬱々と
          我心私の言うことききません
        この性格変えられるなら変えている




「七十代の喜怒哀楽・第42回」  
                     みいちゃん


思い出が心の中を占拠する
パソコンに思いの丈を打ち明ける
★性善説わたしはあなたを信じたい
若者よ食べて喋って意気軒高
大変ですフツウに生きると言う事は
(信じてこそ生きられる)


   「あんまん」  靖坊

  寒い日にあんまんひとつ胸の中
★陽だまりの笑顔みたいにほっかほか
おさな児のように頬寄せふっかふか
  甘い餡食べて自分も甘えん坊  
    まあるくて心も丸くなりました
   (ここにあんまんに夢みる若者がいる)



・・英人の20句抄・・ 「 柿いろいろ 」

        僕の手が届かぬ高さで実る柿
      柿の木の鳥が気になり帰宅する
      てっぺんの柿残すわが深情け
           柿百個見向きもしない鳥がいる
  一つずつ色づく柿が好みです
      渋柿は木枯らし受ける定めです
         渋柿は厚く剥いても渋いまま
               正論が好きでしぶ柿食べつくす
                         少年がちぎった柿はまだ青い
                    横恋慕柿の青さが気にかかる
   ゆっくりと柿赤くなり恋をする
  恋をしたことが懐かしつるし柿
   つるし柿並ぶ窓辺が気にかかる
          晩年の父の味するつるし柿
        客はなし柿は一日生き延びる
               早熟な柿で悔いの種がある
                 骨董屋の店頭に並ぶ熟し柿
                       熟し柿ぽとりと落ちて青い空
              ほほえみはモナリザ柿はポケットに
          早足の秋に歩幅はやや広め



「ドライブ」    ぺ天使

夫のナビ着くも着かぬも運任せ
往く道で孫にふたつも土産買い
紅葉は遅れ茶店で五平餅
宿を出て雨の匂いの帰り道
★どこまでも夫と走り月に会う

(二人で走ってどこまでも)


  「秋祭り」     ぺ天使叔母

秋祭りみこし担いではっぴ着て
  豆絞り捻り鉢巻きピイヒャララ
    両肩に無病息災鬼の棒
  金木犀みこしの列にお供して
★天高く馬も私もふっくらと

   (私うきうき、誰もうきうき秋祭り)



「 懸 想 」    摩夢多絽

彼岸花今年もあの人連れて来た
手をつなぎ紅葉見物来年は
★恋の間合い大人心で何処までも
片思いしているうちが華なのか  
便箋に書いては消して秋の夜

(恋心抱いていつまでも青春)


「これからが大事」 摩夢多絽
 
 枯れ葉舞う晩秋のせいでしょうか、まだそんな歳ではないのですが、
昔をふと振り返る、なんて事があります。
 なぜか懺悔する事や哀怒の出来事が多い。それも究極の「断腸の思い」
「涙が枯れるほど」「胸を苦しく締め付ける」の言葉で表現される出来事である。
映画やドラマでみられる欧米の「懺悔のシーン」「カウンセラー登場」等を見ると
2〜30年前の日本では程遠い事でもあり、結局は時間が
解決してくれるのを待たざるを得なかった。それが私の現実でした。

 若年の頃には、こんな究極の言葉に表現される精神状況に置かれる事は
無いだろう、そのくらい気丈夫な自分と自負していました。
しかし現実は「腸が千切れるかというくらい」「胸が苦しく締め付けられる」
「涙が枯れて出てこない」の日が起きたのです。
 それにもまして胸をよぎるのは、平気で人の心を傷つけ、
人を裏切った事等の懺悔したい事の多さです。
それらを今も抱えている自分があり、それをどこかで神仏にすがって
払拭しようとする自分もいます。でもまだまだ煩悩を払いきれず、
まだまだ仏と鬼が心の奥底に同居している自分の存在が
恥ずかしいと思うのです。

 でも「今、何が大事か」、そう「これからが大事」なのです。
これからは努めて平穏に、周囲に波風を立たせず事を心がけ、
頑固にならずに人の話しをよく聞き、そして何よりも妻に感謝の
気持ちを態度で表現し、日々の何気ない楽しみを分ちつ・・・・。




「夫婦喧嘩」    ヒロ・アキニレ
 
  物探し元に戻せと夫どなる..................
  原因を忘れて何の喧嘩かな..........
  長期戦するほど気力続かない..
  言い分は男と女の身勝手さ
  ★神様がボケぬ様にと仕組まれる

(夫婦げんかに夫婦の味がする)



「秋色街角」    柳立

キラキラと我とモミジとバスと空
もみじ手の真っ紅なおべべは七五三
照り映えて夕日と語る赤と黄
その前にひらと離れし青葉あり
★見上げれば手もささくれて鰯雲

      (秋色に心も染めて君行かん)



「 弟 に (2) 」   桃華

パパママも弟見ては甘い顔
ときどきは抱きしめてくれボクのこと
泣くときはボクより大きな声あげて
誰よりもやさしい顔をする弟
★弟に見つめられると兄になり

(弟を持つのも悪くないな)



    (感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・彼岸花今年もあの人連れて来た(摩夢多絽)    英人
     彼岸花が咲く頃になると必ず来る人がいる。まさに彼岸花がつれて
    くるかのように。あの人という言い方から好ましく思っている人であろう。
    彼岸花が咲くのが待ち遠しい。あの赤さがいい、まさに情熱の人生。
 
 
都合などおかまいなしに冬が来る(美智優)     桃華
     本当にこの句の通りですね。
    自然は人間より勝り、人間の都合など考えません。もう少しゆっくり来て
    くれれば○○ができたのにと思うことがいっぱいありますね。
    でも私たちもがんばりましょう。自然と共存していく楽しさを味わいつつ・・・・。

 
                      
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    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2005年「課題」
     (11月)姿 (12月)深い
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