so046
     (せんりゅうつれづれそう)

              
 第46号(17年10月)

紫 式 部 の 章

(科 目)クマツヅラ科  (花言葉)聡明、上品、愛され上手
平安時代の大作家・紫式部の聡明で上品なイメージから「紫式部」と
名付けられたと言われる。6、7月に薄白紫の小さな花が咲き、秋10、11月に
5ミリ位の紫の可愛い実をたくさん付ける。花よりも実の方が愛玩される


我が家の庭木は、忙しさにかまけて一度も消毒をしなかった。
案の定、紫式部も虫に食われてほとんど実を付けていない。
ウォークの途中で見つけた紫式部の見事さ、こんなになるのだ(上記写真)。
何事も世話、愛情が大切だ。先日3人目の孫が誕生、ここにも愛情を注がねば。
          (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題 「 燃える 」

同窓と燃えた青空遠くなり    柳立
娘が帰宅何かあったな目に炎   悠澪
燃えるもの心に抱き暮らしたい   ヒロ・アキニレ
血が騒ぐ心が燃える彼岸花    酒仙
消えかけた闘志再燃定年後     美智優
内面に秘めた想いが噴火する    みいちゃん
古手紙燃えつきてから後悔し    ぺ天使
山の端に朝焼け燃えて神々し   ぺ天使叔母
かがり火に望月燃える薪能   ぺ天使兄
時 時を燃えて生きたや八十年   ぺ天使妹
怒気燃やし激辛カレー暴食す  靖坊
燃え尽きたろうそく父と重なって  桃華
燃える目で夢を見つめた今昔   英人



「七十歳の喜怒哀楽・第四十一回」  
                   みいちゃん


人様のアドバイスなら出来るのに
         世の中はお金絡みの事件事故
   ★それぞれのドラマを乗せて朝が来る
 運命と宿命との違いとは
      善人の基準なんてあるかしら

     (まだまだ好奇心の多い70歳)



「  秋  」      悠澪

行く夏が足踏みをする職場の午後
旧友に手紙書こうか虫の声
★宛名のない手紙書いてる長い夜
寄り添える肩先恋し秋の夜
じっとして何を見ている綿の雲

(人恋しく思う季節もまた良し)



「 誕生日 」      美智優

誕生日バラ一輪と水割りと
★誕生日メール待ってる私がいる       
コーロギが唄ってくれるハッピバースデーツゥユ
大したこと何もせぬまま歳を取る
この一年無駄にせぬよう生きていく  
 
(何はなくても誕生日はある)



・・英人の20句抄・・ 「 旅に出て 」

      旅情とは無縁なるかな新幹線
      次々とトンネル 遠い夜明け前
 紅葉には早いが遠い山を見る
  山肌を削って人間群れをなす
   田に煙 実りの秋は無事に過ぎ
                  旅に出てやはり芽生える好奇心
                  気になったことすぐに聞く一期一会
                  価値観の違いがみえる旅の空
             吉日は突然来るもの待つもの
             小倉城待っていたのは京踊り
           人間の奥深さ知る清張館
           清張が人なれば我何ならん
          いにしえへ心がうずく鴻臚館
          珍しい狛犬吠える天満宮
        清張と道真に会う旅で良し
                    腹八分あっさり忘れるバイキング
                     ズボンの折り目が消えて自堕落に
                      化粧する女を見ていて乗り過ごす
                        控えめな性質で悔い持ち帰り
           赤い実が一つ二つと落ちて秋



「あかりアート展」    ヒロ・アキニレ
 
町並みのあかりオブジェに夢を摘む
和紙あかりほのかに心包みこむ
美濃和紙に母のルーツを尋ね見る
孫たちに和紙の心を伝えたい
★和紙便り送ってみたい思い添え

(和紙の手紙がもらえる人が羨ましい)



   「ハワイ旅」   酒仙


 ハワイでのクラス会なお盛り上がる
 それぞれの思い抱えたハワイ旅
 ★空と海どこが境か青いまま
 この国は外国だとはつい忘れ
 いろいろな人と出会えて心晴れ
   
(ハワイとは豪勢、ボクは伊勢神宮)



「 霧 」 靖坊
 
真っ黒な霧立ち籠める胸の中
霧晴れる見通し立たぬ五里霧中
霧の奥疑心暗鬼だけ見える
もやもやが吐息となって漏れ出せば
★霧纏い正体不明の我となる

(晴れない霧はない)



「お祭り、愛・地球博」 靖坊
 
全期間入場券を購入して、結局、20回程来場した愛・地球博。
閉幕した今になって思うのは、自分をあの会場に
向かわせたのは何だろう・・・という事。
当初は明確な目的があった。「全パビリオン制覇」。
これを達成する為なら、早朝5時起きも、入館120分待ちも、
何の苦にもならなかった。しかし、この目的は6月の末、
来場10回程であっけなく達成してしまった。
全期間入場券購買者の平均来場回数が11回なのも、なんとなく頷ける。
それくらいで全パビリオンは入館してしまえるのだ。
 
確かにこの目的を達成した時には、少し気が抜けてしまった。
もうあそこに行っても仕方ない、という気にもなった。
それでも、その後10回も行ってしまったのは、
あの会場に、何か、お祭りに似た雰囲気を感じたからかも
しれない。夜空を彩る花火、賑やかな夜店、騒めく人ごみ、
その中を目的もなく歩く自分。
日常とは異質な、一夜限りの高揚した空間、それと同じものを
愛・地球博にも感じたのだろう。
 
今はもう、あの光景もあの喧騒もあの時間も、あの場所には存在しない。
まるで夢であったかの様に楽しい思い出だけを残して消える、
それがお祭りなのだ。半年限りでの閉幕を惜しむ声も聞かれるが、
限りがあるからこそいとおしいし、
人々の記憶にいつまでも残るのだ、と思う。
35年後、再び日本で万博が開催される事を夢見ている。



「 初 秋 」      ぺ天使叔母・華芳

イラクにも爽やかな風吹くといい
夢みつつ暁の明星燦然と
★影踏んで遊んだ秋の日差しです
亡きわが子に逢える日もある彼岸花
歩行器をはずして夫に支えられ

(季節を感じて人生豊かなり)


  「花それぞれに」    ぺ天使

   誰からもチヤホヤされて桜花
紫陽花は小雨に打たれ上手なり
     楚々として癒してくれる白百合よ
 ★コスモスも揺れて触れあう秋の恋
   凛と立ち風にふるえる黄水仙

      (人生もまたそれぞれ)



「秋めいて」    柳立

彼岸過ぎ今も盛りの曼珠沙華
サンマ焼く 丁度六時に暗くなり
★ススキ揺れ風流なりと網戸越し
月替わり半袖肌に鱗雲
モリキッコロ名残の品に人の波

(秋はもの思う季節なり)


「 弟 に 」   桃華

出ておいで ここはとってもいいところ
弟よボクが守ってあげるから
どんな顔で会えばいいのか分からない
★兄貴だといえる男になってやる
そっくりな顔で生まれてきた弟

(これから先が楽しみだな・・・)



    (感想文) 気ままに一言・・・ 

 古手紙燃えつきてから後悔し(ぺ天使)    英人
     
ボクも青春の傷跡のような残滓がいろいろ残っている。もう人生の
    黄昏時、処分しなければと思うが、人生を燃やすような気がして、そしてこの
    句のようにとらわれるのではないかという気がして、なかなかふんぎれぬ。
     でも、思い切って処分すべきなのだ、残された人が困る。

 
サンマ焼く 丁度六時に暗くなり(立柳)    桃華
      秋の夕暮れは早い。脂ののったサンマを焼き始めたのに、もう外は暗くなり
     日の短さを感じる。これから家族で食卓を囲み、今日一日の出来事でも話し
     ましょうか。外は暗いけれど内は明るい。平和な一日。

  
                      
  投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2005年「課題」
     (6月)花 (7月)夢 (8月)秘める (9月)ひとすじ
     (10月)燃える (11月)姿 (12月)深い
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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