so044     (せんりゅうつれづれそう)

              
 第44号(17年8月)

夾竹桃(きょうちくとう)の章

(科 目)キョウチクトウ科  (花言葉)危険、注意、用心
花が桃、葉が竹に似ていることからこの名がついた。花期は6月から9月。
乾燥や大気汚染に強いため街路樹などに利用される。
毒性があり、インドでは馬殺し、イタリアではロバ殺しの木と言われる。

美しくて、強くて申し分なさそうだが、葉も根も毒がはびこるとは・・・・。
人間のために万物があるわけではない、共存共生、適材適所。

          (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題 「 秘める 」

してみるか刺激を求め秘め事を   美智優
鍵一つ握り重たい胸の中    みいちゃん
秘め心あれど蛍の光ほど   ヒロ・アキニレ
秘めるものなどないけれど鍵掛ける  靖坊
これ以上秘めてはおけぬ盆が来る    ぺ天使
秘めしことおしゃべりしたくてお茶を出す   ぺ天使兄
秘策あり飛び出す夫の頼もしや    ぺ天使妹
ステップは秘め事忘れ軽やかに   ぺ天使叔母
何となく中二の髪に秘める恋     柳立
かくしごと? 彼の視線が定まらぬ     悠澪
秘め事がばれてひとこと言い訳を   酒仙
秘め事が少なくなってなお夫婦   桃華
秘め事をさらりと話す同窓会    英人



「セーヌ河の思い出」     
         ぺ天使叔母・華芳


セーヌ河の清い思い出持ち帰り
船上に少女のごとき美少年
美少年恋の行方は胸の奥
★友逝きて朝露を踏む我一人
儚さや夢見るような友の顔

  (生きていればこその吉凶)



「七十歳の喜怒哀楽・三十九回」  
                みいちゃん


結局は我が身を守るのは自分      
     人は人羨むまいと誓った日
話し好き人の時間を奪い取る
万歩計付けて女のショッピング     
   ★命にも重い軽いがあるなんて
(本人にとってはすべて重い命)



「 指 」     美智優

澄んだ目の小さな指からだまし舟
指先から鶴が飛び立つ昼下がり
パソコンは指が覚えるキーの位置
何見てもついつい指折る575
薬指指輪は輝き失せている
(指の運動1,2,3)



・・英人の20句抄・・ 「 残暑見舞い 」

            平穏な午後に書こう残暑見舞い
            拝啓の次の言葉が見つからぬ
                   残暑かな我が人生に余白あり
                   妻の留守途方にくれてキー叩く
    妥協するこれも夏です平和です
    終戦日熱い討論冷えた足
    六十年そろそろ腕がうずき出す
         大空に欠陥があるにわか雨
         話するきっかけはできた雨宿り
         風鈴が花火の音に共鳴し
                    失恋の話ができる夕暮れ
                    愛という文字を忘れた手紙書く
                    荒れた手に生命線が残っている
      六十年錆びた肩から定年へ
      願い事特にはないが墓参り
      沈黙が辛くなっていく墓前
             傷口を晒して弱音吐きだして
             熱帯夜本音話してなお暑し
                 地球は有限夢はほどほどに
                耐えるだけ耐えて風邪ひく残暑です



「 お盆 」     ぺ天使

会いたさにラッシュ承知で帰省する
手料理で迎えて子らに喜ばれ
坊さんに合わせて経読む盆参り
好物を供えて話題は君のこと
迎え火で帰ってくるなら焚きましょう
(お盆とは・・・・家族全員集合)


  「スイカ」    靖坊
 
  薄皮になるまで食べて自慢顔
 種一粒腕のほくろになっている
★君の分残しておこうカブトムシ
 種炒って食べていた祖父今は亡く
  スイカには夏の思い出詰まってる
   (ボクにはボクの・・・思い出がある)



「人模様」    酒仙

パトカーに先導されて得意顔
スーパーの安売り時間人模様
★回送のバスはいつもと違う道
休み明け寝ぼけ眼で車だす
人を見て自分とだぶる夢を見る
(人さまざま・・・ボクもさまざま)


「夏稽古」    柳立

★夏稽古折り目正しく袴着る
ただ一つ的の白さが暑をはねる
蝉しぐれ 聞いちゃいけない矢も外れ
心頭を滅却したりとガマの汗
煙り立つ蚊取りの向こうに的が在り

(修練の先にあるものは・・・・)

  


(随想)  「 新顔家族」・・・・・・柳立    
            

生後二か月の子犬が家族の一員となった。メスの雑種で白黒のブチ、
名前は「ぶっちぃ」。たった三週間で倍の大きさに成長している。
元気過ぎてワンパクの極め。家具をカジるやら庭の草花は根元から
掘り返すやら、加えて逃げ足の速さにはお手上げである。

しかしその後は必ず私の顔を伺いにやって来る。鼻先は泥まみれで
コッケイだったりするが、私を見つめるその瞳はどこまでも清く澄んで可愛い。
このところ4本足を大きく広げ玄関石畳に腹ばいになって昼寝をしている。
とても幸せな顔をしている。
ここに来て 私も幸せな親なのである。

  



   「強き心」     ヒロ・アキニレ
         先日名古屋白川公園・名古屋美術館で、
         片岡球子(満百歳)展を見てきました。
 
  ★力ある女性の生涯見せられる
        どの絵にも強き心があふれ出る
     白川のけや木に万の蝉の声
  鳥肌の立つほどに聞く蝉しぐれ
       白川の青いホームレス今どこに

         (強き心で私百まで、君・・・・・)


「 猛暑 」     悠澪

ジリジリと夏の太陽蝉の声
木々の葉は微動だにせず夏の空
蝉時雨チリとも鳴らぬ風鈴よ
この猛暑蝉の元気がうらやまし
日が昇るまでが勝負と草を刈る
(猛暑、残暑・・・ここにも句があり)


           (2)

 日が昇るまでが勝負と草を刈る
     暑い夏、外仕事は日が昇る前の涼しいうちにしないと、もう進まない。
    ボクもこの夏、こんな日を何日過ごしたことか。
     世の中のこと、早め早めにしておけば、意外に楽にこなせる。特に企業
    (商売)は、皆が注目する前に手を打つことが肝要である。
     分かりやすい句ながら、読み方により非常に含蓄がある句。

  この句を例に川柳鑑賞についてひとこと記しておきたい。
  上記の句について、作者は私の鑑賞の前半の意味だけだったかもしれない。
 そのように読む人も多かろう。でも、後半のような意味まで読み取る人もある。
 もっと違った読み取り方もあろう。だから、句の意味、深み、良し悪しは読む人に
 よって全く違ってくる。川柳大会で上位入賞の句が様々になるのも実にこの点に
 ある。句は人前にさらしたら、もう自分だけのものではない。自分の意図とは全く
 違って理解されることが往々である。これは川柳に限らない。それが文芸の実に
 面白いところであり、楽しいところである。


「 せみ 」    桃華

あちこちにせみの抜け殻 元気かな
せみの声ボクの声より大きいな
大切なせみを逃がしてしまった午後
ボクのせみ 元気に空を飛んだかな
★せみを捕る少し眺めてすぐ逃がし

(この夏はせみもカブトムシも恐竜も友だちになった)



    (感想文) 気ままに一言・・・ 

 スイカには夏の思い出詰まってる(靖坊)   桃華
     私が子供のころ、井戸水でスイカを冷やしていた。それを食べるときはみんな
    そろったとき、父がスイカを切り、分ける役。そのスイカの冷たくておいしかったこと、
    忘れられない思い出。
     今は冷蔵庫で冷やされ、勝手に食べている。食べたいときに食べられていいけ
    れど、なんとなく味気ない。スイカは大勢で食べるとおいしいですね。

 せみを捕る少し眺めてすぐ逃がし(桃華)     英人
    
子供には蝉を捕る楽しさ、自然をと触れる喜びを味会わせたい。しかし、蝉の
    はかなさを知り、すぐ逃がす優しさも教えたい。今の環境は孫の教育にいい場所で
    ある。親子共々、じいちゃんもばあちゃんも一緒にその環境を生かしていきたい。
  
                      
  投稿をお待ちしています




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             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2005年「課題」
     (6月)花 (7月)夢 (8月)秘める (9月)ひとすじ
     (10月)燃える (11月)姿 (12月)深い
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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