so041     (せんりゅうつれづれそう)

               
第41号(17年5月)

小手毬(こでまり)の章


(科 目) バラ科  (花言葉)努力、優雅、品位
小さな花が丸く集まり、手毬のように咲くこと から「小手毬」になった。
うまく表現したものだ。生け花の材料や茶花として利用される。


今月も楽しいページを作ることができました。
続けていればいろいろなことができる、出てくる面白さ。
          (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題 「 咲く 」

咲き誇るつつじの花も散るうきめ    酒仙
シロツメの満開の中ゴルフする    ヒロ・アキニレ
今朝もまた咲かない夢を植えてみる   靖坊
ひまわりの一筆ごとにゴッホ咲く   柳立
おずおずと雑踏の中で花咲かす    美智優
早く咲け花屋の花は急かされる    みいちゃん
来年も咲く約束を花水木    ぺ天使
「サクラサク」電文はるか過去のこと    ぺ天使妹
咲けば華舞い散る桜春はゆく   ぺ天使叔母
負け組じゃない私はここに咲いている    悠澪
想いの花はそっと咲きそっと散る    摩夢多絽
咲く頃を見計らって咲くしょうぶ    桃華
せせらぎに落下ふたたび咲く桜    英人



 「 歩 く 」  靖坊
 
 ★足跡を残さず歩く影ぼうし
  歩く君走る僕でも追いつけない
 ごみ箱に歩き疲れたスニーカー
    気持ちだけ歩いて行くよ遠い道
  鳩も歩く蟻も歩くこの地球上
  
(当HPは歩いて、歩いて句を作り)



「入園・入学」    美智優

     真新しい制服に降る花吹雪
   制服を着ればどの子も同じ顔
   保育園ママ帰っても泣かないもん
      ★となりの席どんな子かなぁいい子かな
   ランドセル重くないやいへっちゃらだい

       (ここにもマゴマゴと幸せな人がいた)


「やさしさ」     ヒロ・アキニ

    「春」という言葉やさしいそれだけで
   ★みどり風優しい人になおやさし
   解ってよ五月の空のやさしさを
   本当の優しき人に何時会える
    やさしさに飢えて六十過ぎてゆく

   (本当は優しさに恵まれてでしょ!)



・・英人の20句抄・・ 「 母の温もり 」

  母逝きて三年今はどこの地に
   一周忌タンス開ければ母匂う
    懐かしさこみ上げ潤む目尻あり
                      母の着た着物にしみるナフタリン
                    一張羅着て娘見た運動会
                銘仙はおよばれようとタンスの奥
                矢絣に青春時代がしみている
         春霞むかしむかしを整理する
        処分する気にはなれない母忍ぶ
                      母恋し母のタンスを持ち帰り
                     見つけたよ母のタンスに祖母のもの
 丸帯も着物もリフォーム夢育つ
 楽しみはパッチワークわたし女です
     虫食いの着物がバッグに温もる手
     人様に見てほしくてバッグ持ち歩く
     丸帯のテーブルセンター見つめる目
             古布に新しい芽が育つなり
             新しい命吹き込む幾世紀
 祖母に母 娘があって歴史です
                       幸せと母の温もりじっと見る


(随想1)  「母の温もり」     瑞 希
      
母が逝って三年が過ぎました。一周忌も過ぎたある日、義妹と母のタンスの
整理をしながら見つけた母の匂いでした。懐かしさがこみあげてきました。
この着物は私の小学低学年の頃運動会に着て来た、
母にすれば一張羅の着物でした。
ナフタリンの微かに残っているこの銘仙はおよばれ用でした。 
大正ロマンの矢絣は青春時代の想い出の着物だったのでしょうか。
それらを整理しながら娘の私はどうしても処分する気にはなれず、
タンスごと持ち帰ってきました。その中には祖母の着物も数枚ありました。
養子娘であった母もやはりその母の着物が捨てきれず大切に残したのでしょうか。
それらの一枚一枚に思いを馳ながら今、リフォームを楽しんでいます。
虫食いの着物は、バックや帽子などのパッチワークに、
丸帯はテーブルセンターに、地味な着物は洋服に仕立てます。
もちろん人様にお見せできる代物ではないのですが、ずいぶん沢山の作品が
できました。幾年月を経たこの古布もまた新しい命を吹き込んで蘇っています。 
忙しい日々の明け暮れに今の私の楽しみは、それらの布に針を運ぶ時間です。
母が過ごした歴史と温もりを感じながら・・・・・



(1)

この川柳連れ連れ草に参加されている方も、川柳は難しい、難しいと四苦八苦されて
いる方もあるようです。今回の「20句抄」はそんな難しいものではないことを知って
もらおうと、少し遊んでみました。瑞希さんから送られてきた短い随想を
輪切りにし、少し言葉を変えたり、つけ足しただけで20句ができました。
もとの随想が良いからでしょうか、この20句も結構良い句でしょう。
こんなふうにしてもできます。この手法を試してみてください。
日記を書く→句になりそうな箇所を選ぶ→575に整える



      「 春 」    摩夢多絽

    気だるさを春の日差しが突き通す
      口惜しさを薔薇に隠してつくり笑い 
    日蔭に咲くかたくりに似た女でよい
    ★落花盛ん逝きし人語る春便り
          春野菜味覚競う路傍の棚

       (もう苦い春過ぎて、初夏だな・・・・)



「七十歳の喜怒哀楽・三十六回」
             みいちゃん


宝くじ5等が当たる奇跡です
血圧が少し上がると医者に行く
五十年私も医師も白髪なり
★ 私はわたし誰とも競わない
生涯を名も無き花で生きた母

(喜怒哀楽がある限り・・・)



  「 昨 今 」    ぺ天使

  ★煙草吸うじいじが居ると告げに来る
風邪ひいて気ままに過ごせた至福の日
  薬待つ電光掲示板が光るまで
 甘いもの絶って三日目この先は
  母の日のカーネーションは咲き上手

    (昨日、今日、明日・・・楽しみが増えていく)


「夫のひとりごと」    ぺ天使叔母・華芳

くしゃみして噂と知らずひとりごと
かんしゃくはひいきチームの勝敗に
関白殿使ってみたい黙秘権
誕生日グラスに追加頬ゆるむ
★五月晴れ五月の風に追いつかれ
(私のひとりごと・・・まだやるぞ!)
             


(随想2)
  「 母と玉葱」   ぺ天使叔母・華芳

父が早く亡くなったけれど、私は父の姿を追い求めることもなく、
母、兄、姉に囲まれてのんびりと幸せであった。
母はいつも私の手を引いて連れて歩いていたようだ。
小学1年生位だったか、一緒に畑へ行ったときのこと、玉葱が土の上に
はみ出しているのが不思議で、わけを尋ねたら、母の返事がふるっている。
「玉葱も山のよい風に当たりたいらしい」と。私は本気にして頷いたに
違いないが、今にして思えば、父亡き後、この子達も明るく素直に
育ってほしいとの願いだったように思う。いかにも当意即妙で、
私は新玉葱が店頭に並ぶ頃になると、思い出しては笑いがこみ上げる。



(随想3)  「祖母と叔母と私」     ぺ天使

「母と玉葱」の筆者は、私の母の妹、つまり今年81歳になる叔母である。
また、その文中の母とは私の祖母に当たる。玉葱の話は今回始めて知った。
私もこの祖母が大好きで、子どもの頃ひとりでよく祖母宅を訪ねたものだ。
初孫だった私は祖母にはもちろん、叔父や叔母にも随分可愛がられて育った。
末っ子のこの叔母には、私が妹のように思えたのだろうか、
どこに行くにも連れて行ったらしい。叔母と電話で話した後は、
何かしら温かい余韻が残る。それが嬉しい。




「 心 」     酒仙

 心してやった事でも間が抜ける
 ★世の中の移り変わりに追いつけず
 よめとむこささいなことも話し合う
 いまごろのスイカ産地はどこだろう
 美人でも立ち振る舞いと話し振り

(川柳は心で観察)



     「 連 休 」      悠澪

    来て嬉し帰って嬉し孫台風
   ベランダで小さく泳ぐこいのぼり
  ふじつつじ出ておいでよと誘ってる
       ★花いかだ春を乗せて流れ行く
       連休明け今年もようやく動き出す 

      (季節を感じ取って句ができる)
     



「 若 葉 」   柳立

山ごとに白く若葉の雲となり
君の眼に雲の流れと若葉映え
★独り居て若葉のささやきなお静か
抜けた空若葉の強がり夢を見る
乳飲み子の若葉のお手手はふわふわと
(青葉若葉、君の若さ)



「万博へ行こう」     桃華

★万博へ行こうとジイの明るい声
格好いいリニモに乗って万博へ
映像は怖い 気分が滅入ってくる
乗り物がボクの一番いい居場所
夕焼けが万博会場映し出

(万博は気に入った、また行こう)


    (感想文) 気ままに一言・・・ 

  ・独り居て若葉のささやきなお静か(柳立)     英人
       様々な音の中に身を置いている現代人にとって、若葉のささやきが
      聞こえるような静かな時間を持つことは、本当に大切なことだと思う。
      こういった時間の中で自分を振り返り、楽しみ、幸せと感じる。作者は
      十分のその境地を満喫されているのだろう。

  五十年私も医師も白髪なり(みいちゃん)     桃華
      50年の長いおつきあいなんて、なかなかないもの。それをみいちゃん
     は見事実現なされている。お互いに健康で、信頼関係があればこその
     こと。健康を医師に預けて、みいちゃんは今日も元気。

  投稿をお待ちしています



       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2005年「課題」
     (1月)山 (2月)海 (3月)哀しい (4月)心 (5月)咲く
     (6月)花 (7月)夢 (8月)秘める (9月)ひとすじ
     (10月)燃える (11月)姿 (12月)深い
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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