so040     (せんりゅうつれづれそう)

               第40号(17年4月)

馬酔木(あせび)の章


(科 目) ツツジ科  (花言葉)犠牲、献身、危険
馬が食べると酔って足がなえること から「足癈(あしじひ)」と呼ばれ、
変化して「あせび」となった。 漢字の「馬酔木」もその由来による。
葉を煎じたものは 殺虫剤としても使われている。

主に漢字で書け、自宅または近所で見かける花木を捜して
章の名としているが、これもまた私の楽しみである。
今月も無事満開の花を見つけることができてほっとした。
楽しみ方はどこにもある。川柳しかり。
          (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題 「 心 」

ふて寝する顔に心にすきま風    摩夢多絽
心伝えたくて無言のままでいる   靖坊
この心吸い取ってくれ青い空    悠澪
竹馬でも人の心が読みきれず   酒仙
見えないが心を磨き薄化粧   みいちゃん
春が行く心どうでも日々暮れる   ヒロ・アキニレ
穏やかな心になれるのはいつか    桃華
手を胸に私の心このあたり    ペ天使
我が心覗いてみたい真実を    ペ天使叔母
ころころと心ころころ変わりゆく   ペ天使兄
桜咲く人の心は花心    ぺ天使妹
君こそと心は今も香深く   柳立
誰かいる君の心の片隅に    美智優
花見酒 甘い心は見せません   英人

 

「 鬱々と 」    摩夢多絽

確かここにあった筈と八つ当たり
思い立って来ては見たが今は昔
もう少しもう少し 夜が明けて雨
★鬱々と何もせず暮れる春日あり
寝て待てといかぬ事もあるを知れ
(焦らず焦らず、楽しもう)

  



      
   「春祭り」       柳立

         かしこまる法被の衆の笑みこぼれ
       ちょっと触れポチより怖い獅子頭
         ★豆絞り頭の真ん中「祭」あり
           桃の花咲き祭り歌聞こゆ街
        ほろ酔いの男おなごが駒を引く
        
 (春は祭り、大いに楽しもう)



「ゆれる」      悠澪

地鳴りして方舟2号船出かな
地が揺れて電話のベルが鳴り止まぬ
老木は黙って揺れに耐えている
余震続いて闇雲にカラス飛ぶ
地が揺れて闇夜に烏騒ぎ出す
★希望持ち踏ん張ろうにも地が揺れる

(我が地にないことはない地震、用心用心)


(随想) 「草取り“土”」     悠澪
      
暖かくなると、庭の雑草が一雨ごとに伸びてきます。私としては、
「あなたは生えてもいいけど、あなたは生えては駄目。」
なんてことは言いたくないのですが、ご近所の目が気になって…
“草ぼうぼうで、あばら家みたい。草ぐらい取ればいいのに。”と、
思われそうで、年に数回草取りをします。

始める前はおっくうなのですが、いざ始めてみると、
よく晴れた穏やかな日には、けっこう気持ちのよいものです。
草と土の心地よい感触に日常を忘れ、
小さな虫たちの動きに見とれることもあります。
私にとっては、とてもよいストレス解消になっているようです。

晩秋ー草の根っこを引っぱると黒い土がめくれて、小さな幼虫がでてきます。
カブトムシの幼虫を小さくしたような、灰色がかった青色で、
まるく、まーるくかたまって、死んでるように動かない。
「ごめんね、眠りの邪魔をするつもりはなかったのよ。」
また、土の中に埋めてやります。
土は命を守っているのだと、強く感じます。

初春ー草の根っこを引っぱると黒い土がめくれて、七星てんとうが出てきます。
着替えたばかりの赤い衣装は真新しくて、
陽に照らされてぴかぴか輝いています。
ちなみに、てんとう虫もカブトムシも鞘翅目といって、同じ仲間です。
土は命を育てているのだと、改めて感じます。
         
“土に返る”という言葉がありますが、
「なるほど」と、一人納得している私です。



「 汗 」      酒仙

 汗かいて骨折り損で妻ふくれ
  ★孫おぶり背中の汗が心地よい
  気にとめず額に汗して尋ね行く
 なにくれと声を掛けても汗ばかり
  男とは好きなことして汗をかく

(汗をかく人生に、楽しみあり)


        「 早 春 」    ぺ天使叔母華芳

         早春だ木の芽草の芽やわらかく
         うぐいすが春が来たよと初音あげ
         春の雪遠慮がちに木の枝に
         ★沈丁花我がもの顔に咲き匂う
         なごり雪春の光が通り過ぎ

           (春は楽しみ満喫です)


「つぼみ桜」    靖坊

遅咲きは不幸ではないつぼみたち
つぼみです多くの夢を持っている
咲けば散るそれでも咲こうとするつぼみ
まだ固いつぼみの心は固くない
★開かずに落ちるつぼみもそれでよし
(つぼみには楽しみ満載)



・・英人の20句抄・・ 「 理由がある 」

     電話する理由聞きたく電話する
     理由など後でいいよと飯を食う
     約束を反故にするとき使う理由
                 還暦の罠が気になる良い話
            幸せと言い切られ即負けていく
          笑顔にも哀しさ残る人事異動
         抵抗を示して負けるトカゲの尾
 少しばかり気むずかしい左耳
  備忘録書いてしまうと忘れられ
     二時間が相づちだけで過ぎている
                  正座する回りが少し違って見え
                  せせらぎと鳥の声目は半眼に
       君の目で見る世間が美しい
           満開の桜欠勤の理由です
           こんなにも桜があって春は夢
  目があって縁があると思ってしまう
   右耳は君の意見に同意する
                         遠くから眺めていたい春霞
                      五月病列車が少し遅れてる
                 こだわりを捨てて五月が楽になる



             「 さ く ら 」   ヒロ・アキニレ

                さくら咲き思い届かずさくら散る
               いさぎよさ見習いたいと捨ててみる
            花の後青葉湧き出る命見る
               ★緑葉に心整え生き直す
             西行は子を捨ててまで花を追う
                
(桜に人生を見る楽しみ)



「 妹 よ 」     ぺ天使

仲良しは父母の背中を見てたから
かゆい背に届くやさしい貴女の手
母のよう姉のようにも変身し
シーソーで軽い貴女が跳ね上がる
★今年もまた怒らせちゃったエイプリルフール

(姉妹仲良し、ここに至福あり)


(随想2)  「 つくし摘み」   ぺ天使

「つくし採ってきたのでどうぞ!!」と毎年届けてくださるY子さん。
また、つくし摘みに誘ってくださることもある。今年も「月曜日13時
15分にお迎えに行くから・・・・」と、電話をいただいた。明後日の
ことなのに嬉しくて、帽子に軍手、マスクも忘れずに・・・・と、
いそいそと用意をした。思えば30年のお付き合いになる。
Y子さん、いつもありがとう。これからもよろしくね。




「夫 −遠い人−」    美智優

25年一緒にいても遠いひと
たたき過ぎ壊れて橋を渡れぬ人
★待つことに慣れてしまって独り言......
寂しいなメールはいつも一方通行...............
便りなし待ってることを忘れそう...............

(遠くて近きは夫婦仲)


七十歳の喜怒哀楽・34回」
              みいちゃん
 
あれこれと思い巡らしやがて春
セントレアグッズを求めお裾分け
人間は顔じゃないのねカミラさん
終章でまだ燃えている向学心
学校の桜で花見しましたよ
(なんだって春だ、楽しみだ)



            「桜見物」   桃華

         桜見に行こうと爺がやってくる
        ★桜見にボクは屋台のダンゴ見に
            リンゴ飴買ってもらって嬉しい日
          サクラ舞う鯉の背中とボクの背に
         美しい桜が次の日は散って

            (桜は少年にも楽しい)



    (感想文) 気ままに一言・・・ 

  ・老木は黙って揺れに耐えている(悠澪)    桃華
      長年この世で活躍し、大勢の人をうるおしてきたが、年を重ねるに
     つれ、故障が多くなってきた。今はただ黙って見ているだけ。
     反論できぬ悲しさよと、老木のつぶやき・・・・。
     自宅療養中の母を思う。

  終章でまだ燃えている向学心(みいちゃん)    悠澪
      いくつになっても、向学心を持ち続けることはりっぱです。それこそが
     若さの秘訣だと思います。不完全な人間だからこそ、少しでも完全に
     近づくために、生きてる限り向学心を忘れてはいけないということを教え
     られたような気がします。

  鬱々と何もせず暮れる春日あり(摩夢多絽)   英人
      そういつも順調、快調というわけにも行くまい。まあ、その年で(失礼)
     焦ることも、慌てることもあるまい。春の日をひねもすのたりのたりも
     また良かろう。それを楽しもうではないか。ボクにはなかなか無理だと
     思うが・・・・。

  投稿をお待ちしています



       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2005年「課題」
     (1月)山 (2月)海 (3月)哀しい (4月)心 (5月)咲く
     (6月)花 (7月)夢 (8月)秘める (9月)ひとすじ
     (10月)燃える (11月)姿 (12月)深い
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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