so038     (せんりゅうつれづれそう)

               
第38号(17年2月)


 寒 椿 の 章


(科目)ツバキ科   (花言葉)謙譲、愛嬌、秀逸
枝が横方向に伸びるので背丈が高くならない。
山茶花と区別がつけがたいが、山茶花は上に伸びる。

身も凍る寒さの中でキリリと咲く寒椿、その美しさは
  その厳しさに耐えるところから来るのであろうか。
厳しさを乗り越え、中部国際空港も開港した、
まもなく愛知万博も始まる、春だ!我々も外へ出よう。
(★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題 「 海 」

彼の人は苦労の海にまだいるか   ヒロ・アキニレ
じたばたせず流れに乗ろう海に出る   悠澪
山登る 海の向こうを見たいから   靖坊
冬の海私の涙知っている   みいちゃん
海辺にはすばらしい夢山ほどに   酒仙
海側の窓からみえる明日の運    ぺ天使
古書展は爺さんばかり泳ぐ海   ぺ天使夫
海かなた吾子の姿を追い求め   ぺ天使叔母
雲海を漕げば行けそう浄土まで   ぺ天使兄
恐きもの突如暴れる大海原    ぺ天使妹
むね深く乳飲み子眠る母よ海よ    柳立
赤潮は碧に負けじと海泳ぐ      美智優
海原に機影まぶしき開港日     摩夢多絽
海までの道がなかなか縮まらぬ    桃華
海を向く二人が語る明日のこと    英人

   


   「はーるよ来い」    悠澪

  音もなく意志を貫き雪が降る
 ★粉雪からぼたん雪へ私は私
キッチンの壁塗り替えて春を待つ
 カーテンを花柄に換え過去を葬る
  仕事場に陽射しが春を告げに来る
    (もうすぐ春ですねえ・・・)


「退屈な休日」  靖坊

布団出てコタツに入りまた眠る
眺めてるテレビの音は素通りし
★雑詠の一句も浮かばぬ怠惰です
寝飽きても寝るより他にしようもなし
何もせずとも構わぬと言ってみる
(コタツの中は春ですねえ・・・・)


        「 梅 」      柳立

     山里の便りも閉じて雪に梅
       ★紅梅の萌える血潮を我も受け
        天神の絵馬を叶えて梅と咲け
   槍梅はツンツンツーンと反抗児
      梅社ウソに誠を願い出て

        (梅咲けば春ですねえ・・・・・)



「七十歳の喜怒哀楽・32回」  
                 みいちゃん


人生は賭けです杉田さん凄い
ブランドの焼き芋並び買ってみる
妖怪も恋しい夜の孤独感
★嫉妬心私のどこかに潜みいる
鬱のときマツケンサンバ踊ろうか

(気持ちはいつも春ですねえ・・・・)


(随想) 「 独 り 言 」  みいちゃん

娘時代は貞淑に清潔に、女の人生を嫌であろうと、好きであろうと
ひたすら歩んできた事を考えると、もう少し自分の思う事を
貫いてきたら良かったなと、ほんの少し後悔の念がおこります。
でも残り少ない人生をせめて悔いの無いように
好奇心満杯で生きて行くことにします。

ある川柳誌で{宝}と言う課題で{枯れ草よあなたの宝なんですか}
を提出したら秀句に選ばれ選者に恥ずかしくなるほど褒めてもらいました。
私の現在の心のあり方が選者に通じたようです。

とかく人は老人をひとくくりにして、軽蔑したり、批評したりする風潮でしょう。
どんな老人にも隠れた才能、センスを持ち合わせているし、
色んな分野で活躍しているんです。
それに市井の隅で密やかな才能を発揮している人も沢山います。
老人の一人一人の宝物をコケにしたり、目を向けない若者は勿論、
大勢の人がもっと優しい眼差しで老人をみて欲しいのです。
{温故知新}の言葉を忘れないで欲しいのです。
以上自分では若いつもりのみいちゃんの独り言でした。




「ストレス」    ぺ天使

母じゃない家政婦じゃない秘書でもない
言えば吠え言わねばやらぬ愛犬は
一日のリズムに狂った長電話
イベントは犬の散歩の後にされ
挨拶ができない人と擦れ違う
(ストレスを捨てて春ですねえ・・・)

   

「クラス会」    ぺ天使叔母華芳

  八十路越えクラス会待ち指を折る
  初恋の人と呼ばれて照れ笑い
  両の手に蝶よ花よと集い寄り
  優しさにどっぷりつかって病癒え
  ★君逝きて語る術なししのぶ草
   (幾つになっても春ですねえ・・・・)



   「 学 ぶ 」   ヒロ・アキニレ

 学ぶことこの年ならばのカレッジあり
 父母の学ぶ思いを引きついで
 人と人関わりこそが学びなり
 ★人生の若葉はいつか紅に
 くれないの生き方さぐる友ありて
(学ぶ姿は春ですねえ・・・)

 


・・英人の20句抄・・ 「 春まぢか 」

          近づいて遠のいて夢そんなもの
        傘と傘触れあう縁を意識する
        少しだけ意識していたバレンタインデー
               真実は殻の中にあり卵割る
 しんしんと音立てる夜不安あり
 暗闇に吸い取られていく我が野心
        節分は早く帰って寝てしまう
               老母二人妻の肩は五十肩
               杖を持ち老母の足が動いてる
               知らぬ間に父より白髪増えていた
       足跡が途切れ新たな靴を買う
       履き慣れぬ靴で世の中不安です
                  陽ざしさす部屋に睡魔が巣を作る
                    暖かい立春 その後に吹く逆風
      寒椿りんりんと耐え春まぢか
    耳をたて春の足音聞き分ける
  盛り上がる土の下は土筆かな
          コート脱ぎ女が春を連れてくる
              話すだけ話して帰る女客
                 残り香に春の手ごたえ手紙書く



「北国の早春」    摩夢多絽

淡雪に似た片想い友の姉...............
濁り水に負けぬ心の水芭蕉........
春うらら日影に残る雪けなげ.........
★春嵐別れの予感旅に立ち........
流氷とあのひと胸に雪解け道..........
(貴君の胸も春ですねえ・・・・・).........



  「 家 族 」     美智優

それぞれの部屋にこもって一家です
  ★いいじゃない愚痴言ったって家族だもん
    新居にて家族も増えて広がる和
  人生の荒波超えて水入らず
ランドセル背負う笑顔もピッカピカ

   (家族揃って春ですねえ・・・・) 


「小鳥たち」      酒仙

 梅ノ木につがいで止まる小鳥たち
  ★庭先で小鳥飛び交い春うらら
  どこの世も威張るやからがいるものだ
  縁側で眺めているとふねを漕ぐ
  庭の木に鶯止まりそっと見る
(庭ももう春ですねえ・・・・)


「お引っ越し」    桃華

知多の家先生みんなさようなら
新しい家に向かってお引っ越し
ばあちゃんの近くへ引っ越しよろしくね
ボクの部屋広くてきれい南向き
★友だちがひとりもいない保育園

(ここも春ですねえ・・・・)



    (感想文) 気ままに一言・・・ 

  
雲海を漕げば行けそう浄土まで(ぺ天使兄)    悠澪

        白く輝く雲海の上を好きな人と二人でボートを漕いでいる光景が
       浮かびました。着いた所には幸せが待っているような気がして。
       お迎えが来たときに、この光景を思い出せたら死ぬのも怖くない
       でしょう。

  キッチンの壁塗り替えて春を待つ(悠澪)    英人
        キッチンの壁も塗り替えた。春を迎え入れる準備はできた。
       サア、いつでも来てください。楽しみに春を待つ作者がみえます。
       何をするのかな?作句をしに野にでも行くのかな。

  いいじゃない愚痴言ったって家族だもん(美智優)  桃華
        家族って、自分をすべてさらけ出してもかまわない安心感が
       ありますね。やりすぎると反抗される危険性もありますが・・・・・。
       けんかしても家族は家族。どこかで心が繋がっていて許しあって
       いるんですね。家族のある人は幸せです。お互いに大事にしましょう。

  君逝きて語る術なししのぶ草(ぺ天使叔母華芳)   英人
        しのぶ草がオオバコや寒椿だったらどうなのだろう。
       やはりここは途方にくれ、耐え忍ぶしのぶ草がもっともふさわしい。
       花の謂われも含めて見事なものである。


  投稿をお待ちしています



       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2005年「課題」
     (1月)山 (2月)海 (3月)哀しい (4月)心 (5月)咲く
     (6月)花 (7月)夢 (8月)秘める (9月)ひとすじ
     (10月)燃える (11月)姿 (12月)深い
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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