so037     (せんりゅうつれづれそう)

        
第37号(17年1月)


 万 両 の 章

(科目)ヤブコウジ科   (花言葉)固い誓い、慶祝、陰徳
赤熟の美しさが万両の価値があると言うことでこの名がある。
正月の縁起物として親しまれている。

今月から北九州と広島から投稿いただけるようになりました。
ペテン使さん家族は一族総参加の様子を呈してきました。
今月は数え歌もあり、賑やかになりました。
しかし、まだ正月疲れでしょうか、欠席が多い、継続・継続!
                   (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題 「 山 」

いくつもの山越えた今下り道    ぺ天使
故郷の山の小径は草に負け  ぺ天使兄
富士望むとっておきの場 先客が   ぺ天使妹
来た道は山あり谷あり川もあり   華芳
山間の初日に臨み誓い新たに   悠澪
山盛りの賀状が届く夢を見た   靖坊
今にみろ富士山だって噴火するぞ   みいちゃん
山越えるまでの辛さよ鳥が鳴く   桃華
初ひかり雲居山並み天地成る    柳立
 孫のいる三島へ行くたび富士を見る    ヒロ・アキニレ
私にも故郷想う山がある    摩夢多絽
あの山を見れば昔が懐かしい   酒仙
人生の山迎え 手を合わす山    英人

   



「年末年始」     悠澪

荒ぶ世に今年も第九聞こえ来る
★災は去る羽ばたく春を待つ師走
ガラス拭き小さな部屋にせまる空
力まずに焦らず夢に突き進む
子等帰り静寂沁みてお茶を飲む

(これからが楽しみです)

                         


  「ファミリー」      華芳

 ひとつ残り最初はグーとじゃんけんで
  ★勝ち取ったイチゴあなたと半分こ
   お年玉息子に嫁に孫 笑顔
 寝ころんで孫と唄って二十年
ムッツリと右門の顔もほころびて

  (うらやましい家族です)



「母 和解」    美智優

藪椿雪を背負って赤く咲く
この肩に一人暮らしの老いた母
この冬で終わりにしたい不和ひとつ
仲たがい終止符打って年を越す
★和解して二人で拝む初日の出

(人生、多くは時間が解決する)


「夕げのひと時」   摩夢多絽

隣人が仲を羨む 妻笑顔
楽しげに語る妻に猫の目線
夕ご飯今日の事件で腹ふくれ
舌鼓お世辞も辛し遊ぶ箸
★一日の話半ばでご馳走さま
(ごちそうさまでした)


(随想) 「 私的『夫婦愛』観 」  摩夢多絽

「ふうふあい」と読むと高尚な論議に聞こえ、「めおとあい」と読むと
世俗的に聞こえますが、敢えてここでは「めおとあい」と読みましょう。
その俗世間的な日々(夫婦の日々)の中での積み重ねが
「めおとあい」の実践に繋がると心掛けている私です。

「それからの日々」が始る前後から、色々な団体・サークル・講座に参加する
ようになり、会社人間であった頃には考えられない位の多数のあらゆる
年代の女性に接する機会が増えました。その方々のこれまでの年輪を
様々な形で捉えようと観察する愚行をする事が多くなりました。
その方々が、この年までどのような妻を演じてきたのか、会話や観察等で
様々な「夫婦の形」を知りますと、逆の立場から、夫としての私は
どうなのだろうかと、考察するによい課題となります。
それが作句する時にふっと頭をよぎることがあります。
でも川柳にそれを表現することはなかなかできません。
時と場合によっては「キザ」の一語がちらつきますから。
でも、私は「愛(様々な)」を心にとめながら作句する時も多いです。

高尚な論議は別として、私は努めて、「思いやり」を念頭において、
日々連れ合いと接しています。そして作句する時、十分な思いやりを
しているのだろうかと自分を見つめて、直す事もあります。
年中、優しい夫も演じられません。たまには声を荒げるときもあります。
しかし平常心で何の苦痛もなく「思いやり」のある行動・会話・表情の
出来る夫でなければ、いつかは疲れてしまいます。
それに期待してはいけないのです。夫として男として当然の事をしている・・・
自然にそういう行動・会話・表情が出来なければと思ってます
その結果、何気ない思いやりとなって返ってくるそんな日々であればいいのです

そして今日も連れ合いに感謝を念頭において作句しています。
で〜も、なかなか出来ません(^^ゞ

(いささか長い文ですが、素晴らしい夫婦愛と作句態度に感激し、そのまま掲載します)



   「 初 夢 」   ぺ天使

  縁起良い初夢みたくて枕替え
  富士もない鷹もナスビも出てこない
  どんな夢みたかと皆に問うてみる
  せっかくの富士の夢みた日が違い
  ★目が覚めて初夢話す福寿草

     (夢は自分で描くものです)

      子や孫にこの世の春を贈られて    ぺ天使夫


  「 一 月 」   ヒロ・アキニレ

  ★初詣で針綱神社へ二人して
 息子よりもらってうれしお年玉
  年賀状当たりは二枚吉遠し
 松捨てて正月気分終わりにす
 日々過ぎる速さ止めたしもう20日

(日々を確かめながら歩こう)


「おせち料理」   靖坊
 
顔だけは喜んでおく昆布巻
地味ながら美味な黒豆理想です
栗ばかり食べるんじゃない栗きんとん
田作りでお茶漬けするの好きなんです
★伊達巻は母の手みたいふっかふか

(大切にしていますね、年中行事)



・・英人の20句抄・・ 「 還 暦 だ 」

      新年の抱負を書く手まず洗う
     初日の出思わぬ誓いしてしまう
  捨てるもの捨てきれなかった除夜の鐘
  年末に罠あり老母手術する
    かたや痴呆かたや骨折妻の肩
                  天国にも地獄にもなる運勢欄
                  括弧書きの中に本音を忍ばせる
            満たされぬ胸を満たしているドラマ
            現実に戻る小さな話です
            乾杯はきのうの僕へあすの君へ
            冬さなか愛という文字忘れがち
        青すぎる空だ小さな悩みだな
        春までは平行線の君と僕
        胸襟を開いてわかる屈折率
                    細々と行く末見ている三日月
                    満天に星我が夢を取り戻す
  短所が長所に変わる人生論
  酒飲んで愚痴いって冬まだ続く
              粛々と還暦迎え歯を磨く
              還暦だ希望も恋も出直しだ



「 還 暦 」     酒仙

還暦と聞いた途端に白髪増え
★還暦を迎えて妻が分かること
還暦をしおらしく妻迎えてる
還暦を共に迎えて気もそぞろ
二人ともやっと打ち解け溝埋まる
(愛妻も還暦でしたか)



  「正月気分」     柳立

鐘の下ゴンゴンゴンと明けにけり
初もうで娘のかんざし母直し
門松は剣が峰見る受験塾
★冷蔵庫入らぬ程の寝正月
初夢はあの子と決めて三なすび

  (幾つになっても正月はいいもの)



        「正月数え歌」    亭多楽

 一つとせ 一夜明ければ元朝の 清しき空に浮かぶ白雲
 二つとせ 二日酔いをば書初めの 子等に見られて恥の掻き初め
 三つとせ 三日坊主の日記帳 三日見ぬ間と相果てにけり
 四つとせ 四海波静か太平の 世の到来を祈る神仏
 五つとせ 伊豆の海から陽が昇りゃ 空は朝焼け富士は赤富士
 六つとせ 無理を承知の姫始め 敢無く討ち死に腰はぎっくり
 七つとせ 七草炊き込む粥膳に 雑煮膨れの腹はぴいぴい
 八つとせ 八方塞がり宰相が 何を願うか靖国参り
 九つとせ 困った時の神頼み 賽銭泥に似たる偽札
 十とせ  富くじ当たって大宴会 こいっあ春から飛んだ初夢




「七十歳の喜怒哀楽・31回」  
                   みいちゃん


わたくしの半分とても怠け者
雑踏に溢れる人の空虚な瞳
何時の世も歴史の裏で呻く人
一月も体調崩し耐えた日々
体調を崩し心が弱くしぼんだよ

   (半分は頑張り者)



「 正 月 に 」     桃華

転んだら骨まで折ったひいばあちゃん
★転んでもボクはすくっと起きあがる
お年玉まだまだ興味ないけれど
ごちそうをひとり占めして満腹に
虹が出る笑顔になって見ていよう

(ボクは今年も元気だ!)



    (感想文) 気ままに一言・・・ 

   ・
息子よりもらってうれしお年玉(ヒロ・アキニレ)   桃華

        正月になると子供に渡すお年玉。長い間当たり前のようにやってきた
       ことが、ある時から逆になってしまった。寂しい気持ちもあるが、やはり
       成長した子をながめる嬉しさが先に立つ。
        私にはまだその経験はない・・・・そんな日が来るのでしょうか。

   ・一日の話半ばでご馳走さま(摩夢多絽)      英人
        どんなことがあった日でしょう。まだ半分しか話していないのに、食事は
       もう終わってしまった。楽しい夫婦の食卓が思い浮かびます。
        話の続きはどうなるのかな?寝物語かな。
   
  投稿をお待ちしています



       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2005年「課題」
     (1月)山 (2月)海 (3月)哀しい (4月)心 (5月)咲く
     (6月)花 (7月)夢 (8月)秘める (9月)ひとすじ
     (10月)燃える (11月)姿 (12月)深い
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

             川柳投稿


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