so030     (せんりゅうつれづれそう)

             
第30号(16年6月)

紫陽花の章

(科目) ユキノシタ科   (花言葉) 移り気 辛抱強い愛情 
   ・開花当初は薄緑、次第に白、碧、紅と花の色が変化する
ことから「移り気」とされるらしいが、西洋では梅雨の長雨に
じっと堪え忍ぶことから「辛抱強い愛情」とされる。

アジサイの西洋の花言葉のごとく、この川柳連れ連れ草に対し、
作者も読者も辛抱強い愛情を持って、接していただきたいと思います。

                   (★印及び太字は英人の推奨句)


 課 題 「 音 」

軋み音たてて彼女と擦れ違う    靖坊
ベルが鳴る気がして電話じっと見る    楽子
手紙好きポストに耳が傾いた   みいちゃん
静かだね  皆黙祷の冷房車    柳立
鳥の音が今日も嬉しい空は青    摩夢多絽
聞きなれた音でもやがて耳ざわり   酒仙
「ミ」の音で始まるピアノ 子守歌    ぺ天使
音はなく香りで気づく風の道    ぺ天使兄
水打って父の靴音待った日よ    ぺ天使妹
いつものように朝の音から始まって     桃華
サイレンが近づく梅雨はまだ初期    英人



「六月は・・・・」    ぺ天使

   雨降りを楽しんでいる花の傘
  約束の時間に飛べない蛍たち
 馴れた道アジサイ咲いて立ち止まる
      第四の日曜日はコンサートへ
         ★六月は父の命日雨になる

     (6月もいろいろな楽しみが、悲しみが・・・)


「 初 夏 」     瑞希     

初なりの茄子は幸せ仏壇に
風呂敷を広げたような山法師
鼻炎です麦秋の頃苦手です
蛍舞う住みよい場所はここですよ
★模様替えしてみたくなる胸の中 
 
(6月は身も心も衣替え・・・そして・・・)


随想 「母と蛍の思い出」     瑞希

   今年も蛍の季節が来ました。この時期を迎えるたびに遠い昔、
母と二人で蛍が乱舞する川に、蚊帳で作った袋を片手に、
蛍狩りに行った事を思い出します。蛍を見ながら、母は
「蛍は黙ってても回りを明るくさせるんやで。
人もそうでないとあかんのや。」と、諭すように教えてくれた
言葉を幼な心にも感じ入ったものでした。
あの頃から幾年月が過ぎ去りました。
年毎に蛍の数は減り続け全滅?と思った年も何度か
 ありましたが、度重なる農薬の迫害にもめげずに子孫を
残し頑張ってくれたおかげで、最近ではあちこちの川で
幻想的な光の演出をかもし出してくれるようになりました。
女手ひとつで弟と私の成長だけを楽しみに、
波瀾万丈の人生を見事に生き抜き、
今は天上の蛍となってしまった母と蛍のなつかしい想い出です。
蛍のような人間には、およそほど遠い私ですが、
ときどきは心の片隅から、母のその言葉を取り出しながら
心豊かに歳を重ねて行きたいと願っています。
   
 



             「梅雨入り」     靖坊
                           梅雨に入っても、あまり雨も降らず、
                           むしろ豪快に降って欲しいなあ。


                生ぬるい気迫に満ちた大欠伸
                怠い午後洗濯物も生乾き
                首の汗拭うタオルも湿っぽい
                     風吹かぬ心の部屋はカビだらけ
                     ★夢消えて弛んだ右手持て余す
                    
(高温多湿・・・それも日本)


「七十歳の喜怒哀楽・25回」      
      みいちゃん

花たちが呼ぶから早く起きました..............
物事の根っこの部分に目を向けて.......
初恋の人が異郷に散ったとか......
言い切った分だけ火の粉浴びてます..
パソコンと夜更かしします七十歳...............
(初恋にパソコン・・・そして自己主張



 「日々挑戦(1)」   摩夢多絽

   雲速し眠気も速し講座なかば
★試験日は逃げたい気持ち空見上げ
   一夜漬け出来ず芯に八つ当たり
     今日もまだ続いていると冷やかされ
   夢いっぱい慾もいっぱい身は一つ

      (おぬし、また何か挑戦を始めたな・・・・・)


 
・・・英人の20句抄・・・
  「虹が出た」

        梅雨空は気分しだいでやってくる
        雨雲が日に二度三度訪れる
            クチナシのつぼみに明日を期待する
            紫陽花の色変わりに惑う朝
                   ささやきが聞こえる方が鬼門です
                  向かい風思い通りにならぬ傘
                 キャベツに亀裂 遅い懺悔する
 ハンカチを持って聞く君の苦労話
  涙はわがままかってに流れだす
    やかん鳴る自己主張ははっきりと
              日章旗だんだん増えて戦場へ
              苦しんだだけ強くなる脈拍
              告白を聞いたときから鈍る足
              掃き切れぬしこりがたまった胸の底
        片づける気になった頃客が来る
        捨てるもの捨てて真夏を迎え撃つ
               クチナシが咲いて気分は晴れやかに
                 紫陽花の明日の色は旬だろう
        気分は晴れ梅雨空が避けていく
               虹が出た ツバメ飛び立つ決意する
  



「ドッキドキ」      柳立

手をつなぎドッキドキの胸ああのあの
この先もとんと縁無しドッキドキと
カツ丼にドッキドキしてもダメと言う
パソコンと資料見るにもメガネ換え

(ドッキドキの初投稿)


   「神の道」      酒仙

    
さくさくと玉砂利を踏む伊勢の宮
    神の道はじめて入る五十鈴川
    真夜中にぼんぼりの燈で歩む森
 何事も初体験の研修会
 ★神の道知れば知るほど奥知れず
   
(神の道一歩一歩近づく・・・私には遠い道)



    (立齋コーナー)  「水無月祓え」

   夏に向け体力衰えを心配して「水無月祓え」と言う神事がある。
  名前を書いた人型の紙に「フッ!」と意気を吹っ掛け祝詞(ノリト)を上げて
  邪気を払う。真剣な方のお心は敬虔(けいけん)である。
   この人型に似た物に「みたらしだんご」がある。昔 京都加茂神社の
  御手洗川(ミタラシカワ)に店が在り醤油につけて焼いただけの一串に
  5個、一番上が頭で4個が手足を意味する、これを家に帰って食べれは
  健康間違いなし!寺社の門前によく売られている理由も納得。
  名古屋のは甘カラくて旨い♪ 飛騨高山とか日泰寺の門前で買い求めた
  それは甘くなく「これが昔ながらの味だ!」



      「奈良旅行」     楽子

                        夫も私も歴史が好きで、奈良によく出かけます。


        ★少しずつ年老いている宿の主
         今回は二勝二敗の旅の食
                 草むらを掻き分け古墳めぐりする
             「大発見」 ガイドブックに載っていた
         それなりに楽しんでいる?子供たち
                        (奈良は近くて良いところ・・・私も行こう)


「水疱瘡」     桃華........

一粒の発疹ニキビとママは言う
いつまでもボクの異変に気づかない
ふしぎだなにょきにょき生える赤い粒
初めての大病その名は水疱瘡
痒い痒い通り過ぎたら遊園地

(さあ次は何か・・・・負けないぞ!)


 
      (感想文T) 気ままに一言・・・ 

 
(A) 「摩夢多絽さんありがとう」  みいちゃん
   摩夢多絽さん、先月は貴重なエッセイを身に沁みて有り難く受けました。
  遅くなりましたが、感謝を込めて川柳について私の想いを書きます。
  
  { あなたにとって川柳とは何ですか?}時々質問を受けます。
  私は、理論で川柳と向き合っている訳ではありません。
  心の中の鬱積した思いの丈を川柳にぶつけているんです。
  私の句は、実感の句が多いのです。川柳の要素{穿ち・軽み・ユーモア}
  を守るのが本来ですが、私はユーモア句を作句したいのです。
  暗い世相に人の心に灯を点したいのです。川柳は幸せなときには
  {私の場合ですが}佳句が生まれないのです。
  私の場合十八年の介護人生の中で心の中を晒け出した句が人の共感を
  得ました。
      {点滴の雫が金に見えてくる}
      {記念樹が茂るが夫はもういない}
      {約束のダイヤ果たせず夫逝く}
  主人の没後に出した句集の一部です。
  私はお花が大好きです。何も言わずに黙って咲いてくれるから・
      {花の咲く方へ心の窓を開け}
      {人の声聞き分けている庭の花}
      {許せない心を花に恥じて居る}
  摩夢多絽さん感謝です、ありがとうございました。


 
(B) 「一筆啓上」    ヒロ・アキニレ
  
摩夢多絽さん…日々挑戦
    夢も欲もまだまだいっぱいあるのですが、心あせるばかりで、
   身がついていけません。でも夢はいつまでも持ち続けましょ。
  
みいちゃん…七十歳の喜怒哀楽
    言いたい事を言ってしまって、後で後悔します。特に夫にね。
   言えば口喧嘩、言わねばストレスがたまる。どちらがいいかしら?
   言って喧嘩しても、最近は喧嘩したことも、すぐ忘れます。
   夫にも、周りの人にも、言って、それでサッパリしましょ。
   その方が精神衛生にいいですよーー。
  
楽子さん…奈良旅行
    奈良はいいですね。私も大好きです。
   奈良は京都より、素朴?田舎的なところがあって、好きです。
   飛鳥あたり、ゆっくり歩きたいでーーす。

   


    (感想文U) 気ままに一言・・・ 

  六月は父の命日雨になる(ぺ天使)    桃華
      また巡ってきた命日、父はもういないんだと実感する日。
      人混みの中に父に似た人を見つけるとハッとすることも度々。
      こんな時はより強く父のいない寂しさを味わう。
      私の父の命日は6月29日、今年で16年になる。
      6月はいつも辛い月になる。

  ・水打って父の靴音待った日よ(ぺ天使妹)   英人
      幾つの頃のことでしょう、お父さんの帰りを待ちわびている少女の
     気持ちが良く現れている。そんな日のあったことを作者は今なつ
     かしんでいる。優しい気持ちになれる佳句だと思います。
      ぺ天使妹さんはいつも課題だけの投句ですが、佳句が多いので、
     是非自由句の投稿もお願いします。
     
    投稿をお待ちしています



       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2004年「課題」
    (5月)忍ぶ (6月)音 (7月)夜 (8月)親 (9月)さがす
    (10月)濡れる (11月)翼 (12月)色
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

             川柳投稿

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