so029 (せんりゅうつれづれそう)
第29号(16年5月)
撫子(なでしこ)の章
(科目) ナデシコ科 (花言葉) 長く続く愛情 思慕
・稚児を撫でてやりたいほどに可愛いことからついた花。
・大和撫子は日本女性の清楚な美しさをたたえて言う言葉。
三方五湖ツーデーマーチで、雨の強く降る中、清楚でけなげに
咲いている撫子を見つけて、今月はこの花と決めた。
今月はどんな感じの句が多いのでしょうか、ゆっくり味わってください。
(★印は英人の推奨句)
課 題 「 忍ぶ 」 草花は風雪に耐え巡り咲く ヒロ・アキニレ 忍ぶ恋辞書から姿消しました みいちゃん この道は母を忍んで通る道 瑞希 忍ぶとき決まって雑草抜いている ぺ天使 バブル後をまださまよえる兵士蟻 ぺ天使兄 さまようも堂々巡りで慣れた場所 ぺ天使妹 雨の日の軒の子猫の忍び鳴き 靖坊 月明かり忍び笑いが気にかかる 摩夢多絽 しのびあい昔と今は違うもの 酒仙 しのぶことなくて我慢が苦手です 楽子 忍び足覚えた頃に姑に 桃華 忍ぶ愛とぎれとぎれの飛行機雲 英人 |
「七十歳の喜怒哀楽・24」
みいちゃん
幾つになっても七十歳です
してあげる一番嫌な言葉です
ほとばしる思いを誰に告げようか
★不器用で手を抜くなんて不可能で
雑草を抜く虐待かも知れず
今日という日は一瞬に立ち去りぬ
(不老のみいちゃん健在です)
「連休」 瑞希
五月晴れ行楽よりも野良仕事
孫が来る情で逃げる空の雲
二才児の使う間違いない言葉
五月晴れ川の流れも踊るよう
★あれこれと連休済んで昼寝する
(平和な平和な連休でした)
「繋いで、離れて」 靖坊
手を繋いでいても心は離れている
花は木に繋がれている咲いている
やがて散る花と知っているこの手
すでに木の心は緑の葉へ向かい
★繋いでいた手を離して花が散る
(自然を冷静に見つめる作者あり)
「五月の風が」 ヒロ・アキニレ
★緑木と内緒話をサヤサヤと
車窓より老いた私の髪なでる
幼子と一緒に歩き頬にふれ
巣を作る蜂の手伝いそよそよと
若草に夏への誘い伝えゆく
(風を感じ、風を語る生活や良し)
随想 「大きな幸せ」 ヒロ・アキニレ 先日主人の兄弟たちとバスツァーで、伊豆方面へ旅行しました。 その折、行程の最後が三嶋大社でした。 三島には長男夫婦が住んでいます。ちょうど土曜日でもあり、 夫婦で大社まで会いに来てくれました。拝殿でのお参りを終えると、 息子が改まった顔で、 「話がある・・・・おっかさん、赤ちゃんができたよ」といいました。 瞬間なんのことかと、しかしそれがどういう事なのか、体中を駆け巡った 喜びの旋律が、涙となって溢れ出た。私は顔をおおってしばらく声もでな かった。結婚して十六年間子供に恵まれなかった二人、夫婦仲は良かっ たが、老後の淋しさは彼等自身が、解決するであろうと、諦めかけていた。 四十歳の出産は大変であろうが、静ちゃん頑張れ。神様が授けてくださっ た子、必ず無事産めるよう守って下さいますよ。 じじとばばが毎日お祈りしてます。三嶋大社さまにも感謝。 |
「カーネーション」 ぺ天使
母上に妹と買う赤い色
自分へとピンクと赤のカーネーション
今日あたり花届くかもありがとうと
もう一人は何かを買ってとのし袋で
★母の日は女王になるカーネーション
(ほのぼの家族がここにあり)
「手」 摩夢多絽...............
老いの影ここにも来たと手を眺む.......
自分史をたどって見たい手の上で........
伸ばした手に期待と違う仕打ちあり........
★それぞれに過ごした月日手に残る......
か弱き手も母の歴史語る手に......
(いろいろ思いがある手を大切に).............
「海」 楽子
★理由などなくても海に行きたくて
一時間足らずで来たが 海は海
足元は汚く 水平線は青
穏やかな海しか知らぬ 海が好き
網たぐる漁師を覗く望遠鏡
(海には大きな力があることを知る)
・・・英人の20句抄・・・ 「君と夢と」
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「クラス会」 酒仙
クラス会友の顔見てホッとする
いつも会う顔が今日は別の顔
★懐かしい思い出ばかり語り合う
青春の知らないことを告げられる
皆同じ歳を迎えているなんて
出世した姿に目を奪われる
(クラス会に出られる幸せがある)
「こそっと取る」 桃華
イチゴ畑ダメと言われてこそっと取る
★こそっと取る イチゴはうまいもう一度
遠くから声をかけられビクッとする
あとひとつ取って終わろうあかね空
この次はイチジクこそっと取ってやる
(大きな楽しみを見つけた孫がいる)
(感想文T) 気ままに一言・・・ 「七十才の・・・・・へエール」 摩夢多絽 この連れ連れ草に参加以来、この方の句にはいつも発揚させられてきました。 人生の先輩でもあり、感想を述べるなんておこがましいと思っておりますが。 してあげる一番嫌な言葉です(みいちゃん) ほとばしる思いを誰に告げようか(みいちゃん) 前句、作者の心情の表現が直接的で、思わずドキリとさせられる句でした。 (善意を提供?する人の心、善意を受ける人の心、それぞれの難しさを感じま す。)さらにその前句の心底には、生きる情熱を表現しようとして悶々とする作 者があり、この作者の一見静かではありますが、余りある情熱がふつふつと する日常を表現したのが後句です。前句と後句、なんの関連も無い様に見え ますが、同じ心で詠われていると感じ、僭越ながら、エールを送る摩夢多絽で す。<(_ _)> |
(感想文U) 気ままに一言・・・ ・老いの影ここにも来たと手を眺む(摩夢多絽) 英人 今回のどの句にも「手はその人の人生を語る」という作者の思想が 流れている。手は第2の顔である。しかし、作者を知る私にこの句は いただけない。老いなどまだ先のこと、今は第2の青春真っ盛りでは ないですか。 ・雑草を抜く虐待かも知れず(みいちゃん) 桃華 もちろん虐待ですよ・・・・雑草だって花と同じ植物。人間の都合で 勝手に雑草と決めただけ。そんな私たちをいとも簡単に殺さないで ください、と雑草は叫んでいました。それにしても雑草は強いですね。 投稿をお待ちしています |
「川柳連れ連れ草」への投稿案内 次の要領で川柳及び感想文を募集します。 投稿をお待ちしています。 1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度 メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて ください。課題の題は2)の通りです。 2)2004年「課題」 (5月)忍ぶ (6月)音 (7月)夜 (8月)親 (9月)さがす (10月)濡れる (11月)翼 (12月)色 3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文 (150字以内)も募集いたします。 4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行 います。感想文もその句のページに随時掲載します。 掲載方法は一任してください。 5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。 川柳投稿 |