so028     (せんりゅうつれづれそう)

             
第28号(16年4月)

蒲公英(たんぽぽ)の章

(科目) キク科   (花言葉) 真心の愛 思わせぶり 神託
     ・日本固有のものは約20種。最近は帰化植物の西洋タンポポが主流。
日が照ると花が開き、日が暮れると閉じるところから、
西洋では「牧童の時計」と呼ばれる。

一面のタンポポ、さわやかな風、良い季節となりました。
季節に負けぬよう、さわやかな生活をしたいものです。
好ましい句も増えました。今月はそんな句を太字で示します。


                   (★印は英人の推奨句)



 課 題 「 昔 」

古布ほどき母の匂いを探し出す     瑞希
    君の手は昔と同じ温かさ    靖坊
老舗消え日本の縮図じっと見る    ひよ
昔見た夢のいくつを手につかむ   ヒロ・アキニレ
桃太郎 夫と微妙に食い違う    楽子
亡母さんと昔話をもう一度     みいちゃん
亡き母が今も宿るこの耳に     摩夢多絽
一等が当然だったその昔     ぺ天使
繰り返し同じ昔を語る歳    ぺ天使兄
枕辺の昔ばなしは昔のこと    ぺ天使妹
    あれはあれ昔のことを思い出す   酒仙
昔から流行っているが狭い店    桃華
昔の話しが好きな日章旗     英人



「花のとき」     ぺ天使

タンポポは雨を恐れず葉を広げ
芍薬が一気に開いて雨上がる
日だまりで背丈を競う水仙花
土手の黄は菜の花だった散歩道
★観る桜聴くさくらあり花のとき

(花のとき、それを感じるのもゆとり)


   「春ですね」     瑞希

   いっときのうたた寝覚めた春の風
   うたた寝をしたばっかりに寝つかれず
   うたた寝の体ゆさぶる孫がいる
   ★見られれば桜もやはり気を使う
   日の当たる桜にあるは優越感  

 (春ですねえ・・・うたた寝もウォークも良い季節)



「テレビ」     楽子

じらされてコマーシャル見る情けなさ
おそろしいニュースのあとのバラエティ
★連ドラに束縛されて忙しい
若いコは「全員集合」知らぬと言う
つべこべと言いつつチャンネルも変えず
(「全員集合」のいかりやさんがなつかしい)


       随想 「パンをつくる」     楽子

  
パン教室に通い始めて一年ちょっとになる。これまでに習ったのは、
  ロールパン、あんパン、胚芽パン、シナモンロールなど。
   数年前、ホームベーカリーを買って説明書通りのパンを作っていたの
  だが(自動とはいえ、くるみパンなどとても美味しかった)、夏になるとうまく
  できなかったりして、ちょっとコツを知りたいと思っていたところ、子供の
  友達のお母さんがパンの先生の資格があると聞き、早速入門した。
   いい加減な自己流と違って、室温、湿度からチェックするのは大変だが、
  きちんと作れば味は格段にアップする。(とはいっても、帰ってから自分で
  作る時は生地作りをホームべーカりーにやらせてズルをするのだが。)
   もともと食いしん坊なので美味しいものを食べるのに「多少は」努力が
  できる私である。二時間続けて家にいさえすれば、寝かせたり発酵させ
  たりする合間に他の家事をこなしつつ焼けるのだが、子供の用事や買物
  など細切れの出入りも多く、毎日焼く時間がとれないところが悩みである。

 



  「さくら」    もりぞう

 桜見ておもいを抱き出る涙
    木の桜人のさくらに思い寄せ
 ★悲しみを堪え続けて散る桜
    ひとごとと振られる辛ささくら散る
 さくらでも人の心を踏みにじる 
 (桜が咲いて桜が散って、もりぞうさんは今日も行く) 


「さくら」    ヒロ・アキニレ

    ちらほらと咲きしと聞けば胸さわぐ
    花吹雪見たさに歩く風吹く日
    花びらの川面で遊ぶ鴨が二羽
    花絨毯川も岸辺も埋め尽くし
    ★
散り終わりほっと心が安堵する
     (人生にはいろいろな桜がありますね)



           **** 疑問・質問・自問 ****

  (Q)解釈次第で様々な読み取り方ができる句の方がいいのか、
   一つの解釈(作者の意図どおりの)しか出来ないものの方が
   いいのか、いつも迷います。句がまとまりきれずに結果的に
   前者になってしまうことも多いです。(楽子)

     (A)17音で作者の意図通りに解釈されるには、かなり具体的な表現に
      ならざるを得ない、それでは詩情がありませんし、面白くもありません。
      心象、想いを綴れば、その解釈には読者のその時の心象、想いが
      反映されます。読者が同感したとき、ハッとさせられたとき、良い句と
      思う。あまり曖昧も問題ですが、私は前者で良いと思っています。
      川柳観を再度読んでください。




     「旅行プラン」    摩夢多絽

    カレンダーの赤の連続目を丸め
      行く行かぬ腰が上がらぬ歳となり
    連れ合いの笑顔見たさに思案する
   ★さりげなくテーブルの上に予約表 
        目輝き違うトーンで返す笑顔 

     (ごちそうさま、ご苦労様、いつまでも)



「 さ る 」     酒仙...............

  さるどしはみざるきかざるでしゃばらず
  さるまねとひとにいわれてなみだでる
 あのひとにほれているから身をかくす
  かんたんなはなしであるがさるできず
  ★ぼすざるは媚をなげても振り向かず

(見て、聞いて、作句して)

   


 「 メル友 」     ひよ

何気なく開く画面に朝陽さし
恐い夢ゆめと知りつつふりきれず
メル友はイメージのままいてほしい
返信を見つめてうれし今朝は晴
 ★送受信もしやもしやと押しなおし

(川柳連れ連れ草の仲間はメル友だ)


 
     ・・・英人の20句抄・・・「 転勤辞令 」

           傷口が浅いうちに旅に出る
         分りやすい言葉で書いた置き手紙

                 こいのぼり無風の中で悶々と
            子供らの声が響いて桜散る
       挫折感漂よい始め風がでる
     
実感の湧かぬ話しを足拒む
    いやなこと忘れてしまう花吹雪
       紙一枚ちっぽけな心もてあそぶ
       納得に時間のかかる辞令です
       人は人うらやむ人もいる辞令

           沈む陽を黙って受けとめ海ゆれる
    
君の見ている星に僕見つめられ
    満天の星に話題を奪われる
    星月夜行く手に多い曲がり角

          決断がつかぬまま目が覚める四時
            思い切って書いた手紙がまだ出せぬ
      雨が降る けがれた想い流す時
         新しい職場で夢がまだ描けぬ
      一
面のタンポポ 確かな友情
           風は初夏身も心もさわやかに




   「のびのび」  靖坊

野良猫のような欠伸で起床する
丸っこい背筋も伸びる暖かさ
雑草ものびのびしてる僕の庭
ひとりだもん心の羽根も広げよう
この気持ち空の高みへ伸びていけ

    (人生のびのびが全て、作者や良し)


「七十歳の喜怒哀楽・23回」
             みいちゃん

もう一歩先に希望が待っている
筵旗立て年金の抗議したい
平凡なわたし今迄生きて来た
お喋りをする冷蔵庫生意気ね
ラッピングしたいあなたの笑い声
(70才が月1回で23回も続くなんて、どんな人?)


「園通い」    桃華

さようならサクラが散ってボク入園
園庭で元気に泳ぐこいのぼり
新緑が眩しい坂を走りだし
ひらがなが読めて世の中おもしろい
通園の途中のおしゃべり楽しいね

(通園が楽しいなんて、君はお母さんより頼もしい)



    (感想文) 気ままに一言・・・ 

   ・散り終わりほっと心が安堵する(ヒロ・アキニレ)   桃華
        季節柄今月は桜の句が多いですね。いろいろな桜が見られ、心が
       うきうきしました。桜は人々にいろいろな気持ちを植えつけます。
       咲き始めの桜は楽しみを誘い、散り始めの桜はもの悲しさを誘い、
       人生の浮き沈みを教えてくれるようです。桜が終わりホッとするのも
       実感でしょう。 

   ・悲しみを堪え続けて散る桜(もりぞう)    英人
        桜は春や華やかさの象徴、その桜が悲しみに耐え続けていたとは
       ・・・・・以外である。人も同じである。幸せそうなあの人にあんな悩み
       があるなんて言うことがよくある。この機微を詠う、これぞ川柳!
 
     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2004年「課題」
    (1月)明日 (2月)浜辺 (3月)さまよう (4月)昔 
    (5月)忍ぶ (6月)音 (7月)夜 (8月)親 (9月)さがす
    (10月)濡れる (11月)翼 (12月)色
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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