so025     (せんりゅうつれづれそう)

             
第25号(16年1月)

葉牡丹の章

(科目) アブラナ科   (花言葉) 物事に動じない 愛を包む
・重なり合った葉が牡丹の花のように美しい ことからこの名がある。
・ 紅白の色合いがおめでたいとされ、正月飾りとして親しまれる。

川柳連れ連れ草が3年目に入りました。
二人目の孫が生まれて元旦へ
新しい生命を得て、ふさわしい出発になりました。
更に頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
今月は新年にふさわしい随想が2遍、そして都々逸もあります。
                   (★印は英人の推奨句)



 課 題 「 明  日 」

咲いた花明日のことは思わない    瑞希
今日しよう 明日は来ないかもしれない   靖坊
明日の風 私に吹けと空頼み   摩夢多呂
新玉の期待をこめて初参り    酒仙
あしたこそ夢が叶うと信じ生き    みいちゃん
明日には笑って暮らしているつもり   楽子
何事も今日の行いつなぐ明日     ヒロ・アキニレ
約束の明日が待てず夢で会う    ぺ天使
明日来れば明日のことをするゆとり    ぺ天使兄
明日には笑顔の君になっている   ぺ天使妹
明日にはしぼんでしまう赤風船    桃華
明日という熱い思いを抱いている   英人



「一人暮らしのおめでとう」  靖坊

 朝日差す窓曇っているおめでとう
   おめでたい埃だらけの鏡餅
替えがない! 洗濯しようめでたいな
   初売りで買うのは牛乳 カップ麺
 ★めでたくて脳天気だよぼくの春

      (何事もめでたく思う人があり)



   「 孫 」    ヒロ・アキニレ
 
 幼子にだめよと言っている私
   いくつもの良し悪し覚え三年生
        ★やさしさを命の中に見い出した
        少しずつ人となりゆくまばゆさよ
       君たちの未来夢見てババたのし

        (成長を見守る楽しさもあり)




 
(特別投稿)都々逸「ばかな集」    長居夢様

 青春切符を卒業して ジパング倶楽部にお乗換え
 ジパング倶楽部の会員たるは ジジイ・ババアの証拠なり
 証拠を出せとのご指摘なれど このシャ面を見りゃ分かる
 トロロ納豆試して見たが 法度を守ってご謹慎
 謹慎生活両三年 心筋症とのご託宣
 ご託宣はとお御籤引けば 泣かず飛ばずの中の吉
 吉兆ありと茶柱見れば 白髪混じりの鼻毛なり
 鼻毛読まれて気の好い亭主 尻の毛羽まで皆抜かれ
 読むも読まぬもおいらの腹は 財布の底まで素っ空かん
 素っ空かんだよ頭のなかは 明日は枯野をご徘徊



「七十歳の喜怒哀楽・21回」  
              みいちゃん

意のままにならぬ心をなだめてる
意のままにならぬパソコン意地悪ね
多事多難今年の幕が開きました
隠しごとするとピクピク動く眉
庭の花元気お出しと咲き匂う
★用意ドン私はいつも出遅れる
(頑張っている人が与える意欲)



「 淡 雪 」      こゆる

トマトにはトマトの赤が似合ってる
大好きなお風呂で on off 切り替える
若者が社会に去勢されていく
★ケセラセラ向き合う友がいればいい
ぜんざいの甘さにも似た雪を食む
 
(人間誰か一人分かってくれれば生きていける!)


 
・・・英人の20句抄・・・「 年末から年始へ 」
平成15年12月31日23時31分二人目の孫誕生


 雪雲が遠くにありて歳の暮れ
  一年を白と黒とで書き分ける
   憎しみは雪に隠せと雪が降る
    雪化粧いっとき現世清くなる
     人間をいつまでやるの大掃除
                     日を選び孫が生まれる予感する
                      陣痛よやかんの蓋が踊り出す
                       除夜の鐘三十分前に孫生まれ
               二人目の孫が生まれて元旦へ
              生まれ出た命まぶしい初日の出
             大晦日に生まれた子の意味を問う
             初詣合わす手に見る願い事
               手を合わす顔は真顔で信じよう
                うれしさをしっかり煮込む今朝の妻
                  よくかんで食べる雑煮が甘くなる
                     小さな子に沢山の手が伸びている
                       愛情のあらわれ乳の多さかな
                       孫の名に自己主張がある僕で
 凧揚げに不況の風は不向きです
 新しい風が吹き靴買いかえる



「新玉」     酒仙............

年賀状枚数あるが味気ない
 新年は開けるメールにときめく目
 ★パソコンは何も言わずに気を伝え
 前ほどにうれしさがない初便り
 新玉は時間に追われ明日思う

(楽しさは自分で求めて作るもの)



「正月」     瑞希

迷いなく吉とでました初日の出
紅梅の陰で福呼ぶ福寿草
片言の夢をつないで孫が来た
孫育つ一節ごとに脱皮する
★孫帰る無言で二人ビール飲む
  (帰って寂しい人がここにもいる)


「ぬくもり」    摩夢多呂

母よりもネコとすやすやあどけ顔
お雑煮を食べる目元に福が見え
こたつ部屋何とはなしに家族寄り
冬の土 空を求める芽がのぞく
日陰の花 日差しを求め敷地越え
★還暦は遥かに遠くと思いしに

(その後を楽しむ人に幸多し)

    
     「10年の計―継続は力なり」 摩夢多呂

  今年の年賀状に、ある方(一宮歩こう会)の名刺の裏からヒントを頂いて
 「現在こんな事しています」という見出しで事柄を並べて書き送りました。
    @ウオーキング団体--加入2
    A趣味サークル--この「川柳連れ連れ草」
    B習い事教室--参加2
    Cホームページ関連--維持管理3(自分のも含む)
    Dボランテイア団体--参加2
     欄外Eそして主夫(笑)--メニューのお勉強
  いつの間にか、こんなに増えていました。

  連れ合いとの会話で、「退職後のイメージが湧いてなかった1年前に
 比べるとうれしい?限りだな。これでこの先10年はこのスタイルだろう」
  と語ったりしています。
  見る人からは信じられないでしょうが、人一倍人見知りし、営業トークが
 嫌いでお世辞一つ言えない私にしては様変わりのここ一年です。
  何をここまで変えたか?今の連れ合いのお蔭と感謝しています。
 とても人付き合いがソフトで友も多く、いつもにこやかに楽しげな日々を
 送る方だからです。

  しかし、全てが順調というわけでもないです。語学等、頭に詰込む事柄は
 加齢と共に頭に入らないし、此処には上げてませんが、従来からの挑戦課題
 であるPC技術のスキルアップ等はもうギブアップ寸前です。
 そんな心を見透かすように、難しい事は避けて楽しく気楽な事を優先したら
 と努力を認めようとしない自分がもう一人おり、目下の真剣な悩みです。
 そう悩みながら、10年後は体力と知力に合わせて、其の先10年を再構築し
 たらと・・・
  天から与えられた寿命を推し量らず、この先20年を思い巡らしています。
 ほんにお前は目出度い奴だと自画自賛する一年の始めでした。

 



「 参 拝 」    もりぞう

  人波にもまれて着いた安楽地
 福願う心で拝みカゼ拾う
    何もかもやる気なくし歳のせい
    課題みて選者の心読みきれず
★置物の猿でも憎い時がある
     
(課題は・・・・海の歌二つ)
 
 



「おせち」    ぺ天使

たつくりはレンジでチンとでき上がり
上出来の栗きんとんは人気者
昆布巻きを少しこがして嫌がられ
★れんこんは先の見通しが効くように
厚焼きを焼いているうちに年が明け
(手作りのおせちに心豊かな家族あり)


       「 お 年 玉 」     ぺ天使

  息子からお年玉をもらうようになって久しい。毎年各々が競うように素敵な
 ポチ袋に宛名が書いてある。
  今年もひらがなで、夫へはいさおちゃんへと、私には***ちゃんへと。
 一昨年はそれに加えて、「無駄づかいをしないように」とも書かれていた。
 あの時は笑った、笑った(^○^)。長男曰く
  「毎年、母さんが同じことを言って僕たちにお年玉を渡してくれたんだよ!」
  夫は毎年さっさと本屋さんで使っているが、私は13年間の思い出のポチ
 袋の中にお年玉がはいったまま大切に、大切にとってある。息子達の流し
 た汗を思うと、とても使えない。嬉しいことに今年は中味が増えていた。




「海を越え」     楽子
     
冬休みにハワイに行きました。
       約十年ぶりの海外旅行でした。

      
意外にも通じた赤点の英語
夜を越え飛べばかの地で日が昇る
ビーチにて 碧眼の子の読むHarry Potter
のんびりとできないわれらニホン人
★地平線などありふれているマウイ島
      (海外を楽しむ人もあり)



「お正月」    桃華................

元旦に間に合うように赤児来る.....
やっと世に出てきましたねこんにちは
泣いてよし笑ってもよし癒される.........
介護する横に赤児の顔があり.............
おだやかにああおだやかに日は暮れる
(新生児に癒される人もあり)




    (感想文) 気ままに一言・・・ 

   ・年賀状枚数あるが味気ない(酒仙)     こゆる
      
私の年賀状へのささやかな思い入れに、年末のやっつけ仕事には
      したくないという思いがあります。そんなささやかなこだわりを、
      酒仙さんに肯定していただいたような気持ちになりました。
      年賀状は、パソコンなどで便利に作れるようになりましたし、
      私もその恩恵を受けておりますが、なにか、どこかに自分の気持ちを
      乗せてお送りしたいものだと改めて思いました。

   おだやかにああおだやかに日は暮れる(桃華)    こゆる
       飾りなく、まっすぐに、そのままの、桃華さんの穏やかなお気持ちが
      伝わってくるような気がしました。夕暮れ時のその情景も目に浮かぶ
      ようです。ため息のように、桃華さんからあふれ出たような句ですね。
      松島や あぁ 松島や 松島や という芭蕉の句が名句であることに
      どこか通じるものがあるのかも知れませんね。
      川柳は「作る人のため息」なのかも知れない・・・と思いました。

   小さな子に沢山の手が伸びている(英人)     楽子
       以前読んだ田辺聖子さんの「みんなが愛してくれていた」というタイトル
      のエッセイで、「小さい頃愛された記憶はその人の一生の支えになる」と
      いうのを思い出しました。直接産んだ親ではただの親馬鹿になってしまう
      し、テレもあってなかなか素直に感情が表せませんが、おじいちゃまと
      いうところで、赤ちゃんの愛らしさ以上に作者の愛おしさが感じられます。
       他の方のお孫さんの句からも手放しの喜びが感じられます。
       おじいちゃま、おばあちゃま、おめでとうございます。

   孫帰る無言で二人ビール飲む(瑞希)      桃華
       来てくれると嬉しい孫。しかし、その間は振りまわされて、大忙しで
      ある。長期間だと疲れもでてくる。ヤレヤレ、やっと帰ってくれたと、
      ホッとすると共に寂しさもこみ上げてくる。取り残された熟年夫婦は
      それぞれの思いを抱いて、黙ってビ−ルを飲む、その気持ち、私も同じ
      でよく分かります。ただし、私はビールが飲めませんが・・・・・

   ・明日には笑顔の君になっている(ぺ天使妹)     英人
       人間毎日ニコニコばかりしておられない。怒ったり、落ち込んだり・・・・
      しかし、一晩寝るとかなり冷静になるものである。怒りもおさまり笑顔を
      取り戻している。寝ることの効用は大きい、一晩待ちなさい。
       ところでこの君はだれのことであろう・・・一人称(作者自身)だと、
      なお面白い。

     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2004年「課題」
    (1月)明日 (2月)浜辺 (3月)さまよう (4月)昔 
    (5月)忍ぶ (6月)音 (7月)夜 (8月)親 (9月)さがす
    (10月)濡れる (11月)翼 (12月)色
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

             川柳投稿

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