so024     (せんりゅうつれづれそう)

             
第24号(15年12月)

南 天 の 章

(科目) メギ科   (花言葉) 私の愛は増すばかり、良き家庭
南天は「難を転ずる」として魔除けとして使われる。

2003年もまもなく終わります。そして、この川柳連れ連れ草も
皆さんの協力で丸2年24回継続することができました。
どうもありがとうございました。
ともかく継続してください、結果はついてきます。
私も20句抄続けています、これからも張り切っていきましょう。

                   (★印は英人の推奨句)


 課 題 「 かわいい 」

かわいいと思えぬ自分鏡割る    靖坊
年寄りが若い仕種にハットする    酒仙
かわいげのある男なら捨てられず   楽子
かわいいと言われ素直に取らぬ女   摩夢多呂
ブルドック可愛いでしょうと言われても   みいちゃん
イヴに来る孫のパジャマを買う夫   ヒロ・アキニレ
かわいさを天秤にかける子と孫と   ぺ天使
かわいさは小さきことと覚えたり  ぺ天使兄
どうしてもかわいいしぐさへ目が移り   桃華
かわいいといったとたんに悔い生まれ   英人



「 冬を想う 」      こゆる

冬の陽が低く差し込み吾を射る
桜の葉落ちてなお色踊る意地
一枚の写真が語る胸の内
★暗闇の闇の明るさ知る月夜
思い切り解き放されて泣くは良し

(心の内が伝わってきます、君に幸多かれ)


  「旅支度」     楽子

旅に出ることを黙っていられない
    心配性 荷物だんだん増えていく
    失踪ができると思う胸の内
  旅に出る支度ですでにくたびれる
  客死する確率ゼロでないのだが

    (よい旅を続け、よい人生を)



「好奇心」    酒仙
   
   好奇心心かりたて車出し
人前でしゃがみこんで恥とせず
   ★このところ届くハガキに気もそぞろ
   一年がすぎまた街で逢う安堵
 車でも紅さす妻がいとおしい

(好奇心が元気のもと)


 
・・・英人の20句抄・・・「 十 二 月 」

             郵便夫忙しくなり十二月
          寒月夜空席に誰もすわらない
        傷跡が痛み出して冬近くなる
  耐えるほど色鮮やかな紅葉かな
     熱い詩を妻を亡くした友が書き
     もう二度と会えないと知って書く手紙
     思い出を捨てきれず旅まだ続く
             厚い雲じっと見ている透けてくる
             世の中を見つめ続けて木が揺れる
                 信号を無視して冷たい風が吹く
              忙しさは生きていること星流れ
           流れ星流れ気がかりひとつ増え
                    別々に日記帳買う君と僕
                    哀しさを捨てる場所を探す地図
   死ぬことの免許証まだ届かない
   免許証無くても生きる価値はある
             虫食いのキャベツ命に異常なし
         今日もまた笑顔で過ごす似顔絵
         未来とは期待するもの夢みるもの
                    いろいろな夢を試している師走


「主夫歴1年半」     摩夢多呂
     と言っても、夕食を作るのが主な役目
     意外な才能?に自分もびっくり(^0_0^)
     今では新メニューがどんどん増えています

    便利な世夕食レシピ ネットから
  買い物はレシピ印刷 紙片手
まごつくはピンと来ぬ名の西洋菜 
体にいいと聞けば嫌いもカゴに入れ
  ★余り素材おいしく作り鼻高に
    我が口も初体験に舌鼓
      おいしいと喜ぶ顔に隠し味

(人間その気になればできるものですね、立派、立派!)


 
    「 口 紅 」   ヒロ・アキニレ

   口紅をきりりと引いて意志決める
   ★別れても赤いルージュが目に残り
   紅に似たポインセチァに恋たくす
   紅引いて華やぐ顔で君に会う
   紅を引き老いをごまかし年だまし

(いつまでも美しく溌剌とした作者がいる)


   「 家 族 」     詠人

雑草の姿に妻をみる 愛し
★白椿見るたび思う母の笑み
庭に咲く可憐な花に子を思う
(家族を優しく見つめる優しい作者)


「自家製クリスマスガーデン」 
                  靖坊


夕べには立ち木がツリーになる師走
サンタ ソリ 豆球ピカピカ庭一坪
電飾が輝く家の中暗く

★飾らない家から漏れる笑い声

星空はいつでもクリスマスガーデン
(楽しみは作るもの、楽しむもの)

    
     「 真 似 」   靖 坊

  
「川を見るバナナの皮は手より落ち」
  という洒落の効いた句がある。これは、御存知の方も大勢いらっ
 しゃると思うのだが、バナナという季語を初めて俳句に使用した高
 浜虚子の句である。川柳のサイトで俳句の話題とはちょっと的外れ
 だとお叱りを受けそうだが、実は、私、虚子がかなり好きである。
 物語性の強いイメージを提示するような句が多く、かなり大きな
 影響を受けた。影響と書くと格好いいが、要は真似して作句して
 いたのである。まあ、まだ初心者の頃の話ではあるし、「学ぶ」の
 語源は「真似る」であるという説もあるので、ご容赦願いたいので
 ある。

  ところで先日、ネットである俳句のHPを見ていたら、次のよう
 な一句があった。
  「葉巻の灰おとす暮春のセーヌかな」 マブソン青眼
 作者のマブソン青眼氏は日本で俳文学を研究している30代のフラ
 ンス人である。どんなきっかけで日本に来て俳句に携わる事になっ
 たのかは不明だが、恐らく氏の両目は青いものと思われる。虚子の
 ファンの方なら、この句を見て前述のバナナの句を思い出さない人
 は居ないだろう。マブソン青眼氏も虚子の句を念頭に置いて作った
 のではないだろうか。いわば、真似。

  しかし私にはこちらの句の方が好みである。葉巻やタバコは時間
 を表現する小道具として小説などでも使われる。吸い終わった灰は
 過去、燃えている部分は現在。吸っていない部分は未来。燃え尽き
 た灰、暮春、そしてセーヌとくれば、もうこれは恋しかない!
 「ああ〜、2時に会う約束だったのにもう夕方になっちゃったよ。
 僕たちの恋もこの葉巻のように燃え尽きてしまったんだなあ〜、
 クスン。でもいいや。終わってしまった恋はこのセーヌ川にきっぱ
 り捨てて新しい未来へ踏み出そう」
  と、恋愛に無縁な私にはこのような状況が頭に浮かぶのである。
 この句の「おとす」が虚子の「落ち」と違って自分の意志が感じら
 れて好きだ。

  たとえ真似でも元の句の出来を上回れば、もはやそれは真似では
 なくなるようだ。この句を収録した句集は、今年のある俳句大賞に
 選ばれている。それなりの評価が与えられているのだ。
  こう考えると、単純に「真似はいけない事」と決め付けない方が
 よいようだ。もし作句に詰まったりした時には、寺さんの句を真似
 して作ってみるのも一つの手ではないだろうか。
 きっと笑って許してくれると思う・・・ですよね?

 



  「 絆 」    ぺ天使

  縁あって四十年も朝と夕
  遠方の子もケイタイで近いもの
  ★母置いてひと足先に星になり
  近距離に住めば案外会えぬ子よ
  かゆい背に手を届けられ妹に
  
(家族って面白いもの、愛おしいもの)



「句を作る」    もりぞう

  句を作るいつまで続く還暦後
 句を作る器の中が広すぎた
  句を作る納まりきらず押し込める
  ★句を作る味が解かるとついうれし

(句作りを楽しんでください)


         「七十歳の喜怒哀楽・20回」          
                     みいちゃん


          ★夜更けて瞬く星はあなたです
                       わたくしが一人掲げる旗なびく
              一斉に青空見上げ咲くパンジー
                      お隣のおとなりの事知らないわ
               堂々とアッピールしたい胸の中

               (胸の中をどんどんアピールしてください、掲示板もありますよ)



「師走だね」      桃華

師走だねボクも忙し大掃除
お日さまがよく見えるよう窓磨く
★忙しいママを追いかけ影を踏む
お手伝いボクがするから喜ばれ
クリスマス待っているのはボクと君

(いつまでも思うようになるとは限らないよ)



    (感想文) 気ままに一言・・・ 

   ・飾らない家から漏れる笑い声(靖坊)     桃華
        通りすがりの家庭から大きな笑い声が聞こえてくると、歩いて
       いる方も幸せをもらったようで、嬉しくなりますね。他人の喜びを
       喜んであげられる作者の心の豊かさ、優しさが伝わってきます。

   ・このところ届くハガキに気もそぞろ(酒仙)    英人
        年末の届く葉書といえば、喪中の年賀欠礼のものか・・・・・
       作者は次誰から来るのか、気になる知人があるのか、そんな
       葉書に気もそぞろである。私も時折びっくりさせられることがある。
       私の分はまだ出させないぞ! 
 
     投稿をお待ちしています




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             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2004年「課題」
    (1月)明日 (2月)浜辺 (3月)さまよう (4月)昔 
    (5月)忍ぶ (6月)音 (7月)夜 (8月)親 (9月)さがす
    (10月)濡れる (11月)翼 (12月)色
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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