so023     (せんりゅうつれづれそう)

             
第23号(15年11月)

千両の章

(科目) センリョウ科   (花言葉) 可憐、恵まれた才能、富

数年前に買った小さな千両の苗が、これだけ実を付けるように
なりました。遅々としながらも着実に大きくなっていく。
焦ることはない、何事もこの精神でいきたいものだ。
                   (★印は英人の推奨句)


 課 題 「 分かる 」

晴のち晴 分かって傘を持って出る   ぺ天使
人の業別れの後に分かるもの   ぺ天使兄
分かっていても素知らぬふりも愛   ぺ天使妹 
見上げねば空の青さは分からない    靖坊
分かるけど分かりたくない世の仕組み   みいちゃん
あの時はそうだったのかと今わかる     楽子
昨日まで分かっていた事いま忘れ   ヒロ・アキニレ

新聞で目がいくところ訃報記事     酒仙
分かり合えぬ悔しさはいま忘却へ   摩夢多呂
分かるまで話し合ってる影ふたつ     桃華
ミニスカート 訴えたいこと分からない   英人



「七十歳の喜怒哀楽・20」  
             みいちゃん

   天翔けて宇宙の果てまで行きたいな
         諦めない最後の綱が切れるまで
     納得の出来た頃には白髪に
             親殺し子殺しの記事胸疼く
          ★青空に感謝し植える花の苗
 
         (どこまでもいつまでも頑張るみいちゃんが見えます)

 



「 七五三 」    酒仙
  

七五三 こどもさておき親飾る
  七五三 祝うことよりまず値切る
   ★七五三 どの子もどの子も同じ顔
   七五三 お祈りよりも飴ねだる
  七五三 お参りしたが靴忘れ
(七五三参りの家族を見続ける作者の目の面白さ)

      

               「 紅 葉 」    ヒロ・アキニレ
                     毎週二回、グランド・ゴルフをやっています。
                    単純なルールの、年齢的に丁度良いスポーツです。

                ゴルフする公園の木々四季語る
                   ドウダンとさくらにけやき競い合う
                      ★人も木もみんな色づきたそがれて
                    私赤あなたは黄色落ち葉道
               今日もまた自然に抱かれ元気に老う

              (公園でスポーツ、恵まれた環境で元気に老いていこう)

 
・・・英人の20句抄・・・「 冬 仕 度 」

     公園が静かになって十一月
             僕が見ていなくても柿赤くなる
      秋だと思ってもいやなものはいや
          手を上げてタクシー止める気分良さ
     大空に区分線あり君向こう
  同僚の死をわがものとしなければ
               夕焼けに見とれているのは郵便夫
          羽根がはえ翼がはえて親離れ
                     曇り空早めに買おう常備薬
             錠剤が転げ落ち不安更に増し
         千両を鳥から守る破れ傘
               窓際で可もなく不可もなく生きる
            幸せを感じるときに手紙書く
             眠るのに適した電車待っている
               すげ替えてみたい頭を持ち歩く
     物忘れ激しく妻と争えぬ
        隣席が気になる明日のコーヒータイム
    寒くなった風に感じる老いの道
              将来が見えるメガネを捜し 冬
            ゆったりと紅葉になって冬仕度



 「真似てみる」   もりぞう

    人の真似やってみてその人を思う
人の真似思いもよらずむづかしい
    さるを見て昔の夫婦思い出す
  人ごとと思っていたが身に迫る
★のんびりと年を重ねて眠くなる

(真似て学ぶ、川柳もしかり、どんどんいきましょう)

     



「食あれこれ」     楽子

ラーメン屋 一人で入れるようになり
★豆煮えるまでに考えまとめよう
子を怒る間にパンは発酵中
ずくずくの柿食べている 初冬へと
好きなもの食べよう一人きりの昼

(肥満の心配がない作者です・・・・あなたは?)



       「産業まつり」  靖坊

       悠然と祭見物野良の猫
★昼休みおまわりさんも五平餅
スーパーより高いヤキソバ買わされて
道端の花に似た花五百円
          人人人人の頭を見て歩く
(地域の活性化に貢献する作者)



「うろこ雲」     こゆる

しあわせは空ではじけてちぎれ雲
髪切って三日月まゆげに陽が当たり
いちぬけた 優等生はつまらない
★うろこ雲一枚剥がせば血がにじみ
吾映す合わせ鏡か隣人は
(句に作者の個性がにじんできました)

    
     「神の手仕事」      こゆる

  
私は宗教を持っておりませんが、珍しい形をした昆虫や、
 ひっそりと咲く花の奇妙な形など、自然の造形美をみる
 ときに決まって思うことがあります。
  神様はどうしてこういう形にしたのだろう・・・と。
 大いなるものの仕業を感じて、それを言葉で表現しようと
 すると、なぜか「神」という言葉になってしまいます。
   どうして私にこれを見せたのか?
   それと出会った私に何を感じ取れと言うのか?
  隙のない綿密に計算されたような規則正しい花びらの造
 形に、動揺にも似た感動を覚えるとき、あるいは、不思議な
 色をした昆虫の行動に野生を感じるとき、私は「神の手」を
 感じます。

  日常の感じる心を大切にしていきたいと思っています。

 



「 人 生 」     摩夢多呂
    秋の夜長にふと物思いにふける。この平穏で
    気楽なポケットにひたり、独り言をつぶやく。

  十代は母親泣かせの気ままさを 
  順風で怖さ知らずの二十代
  断腸の思い知る羽目三十路半ば
  ★胸キュンの遅咲きの恋知る四十路
  下がり景気働き詰めの五十路中
  苦も楽も絵空事なる今日の絵

 (川柳とは6行で人生を語ることができるもの)



「私の秋」   ぺ天使...........

葉が落ちて庭は錦絵秋の暮れ
ひとつとて同じ絵を見ぬ万華鏡.....
★食べごろとシールをつけたラ・フランス
芳しいにおいを越えてこげる鍋..............
「ドタキャンもいいよ」と師匠の声やさし....

(秋はいろいろ、何でもやってみるべし)



「三才になったぞ」   桃華

ママの影踏みつつパパの帰り待つ
★落ち葉追う僕も押されているような
ブランコを漕ぐとお空が近くなる
三才になってことばが悪くなり
鳩と鳩どうしてけんかするのかな
(もう二才ではないと主張する三才)



    (感想文) 気ままに一言・・・ 

   ・『神の手仕事』(こゆる)     ヒロ・アキニレ
      とても良い文ですね。
      私も時折全ての事は神の示唆かと、思うことがあります。
      自然はもちろん私の周りにいる人々、家族・友人・知人皆私にとって、
     その係わりも神の示唆としたら、神のなさる事には無駄はないとの事
     ですので、その係わりの中での、物事の良くも悪しきも全て受納しなけ
     ればと思いますが、なかなか難しいことです。         

   ・みなさまの川柳を拝読して、私の気持ちにちょっと刺さった一句に、
    私が感じたことを私なりの川柳にして添えさせていただきました。
                           ☆が私の句です。  こゆる

      納得の出来た頃には白髪に(みいちゃん)
                        ☆白髪が人生劇場朗読し
      七五三 お祈りよりも飴ねだる(酒仙)
                        ☆七五三腕白坊主が主役なり
      ドウダンとさくらにけやき競い合う(ヒロ・アキニレ)
                     ☆ナンバーワンよりもなりたいオンリーワン
      将来が見えるメガネを捜し 冬 (英人)
                       ☆メガネ取り目を閉じそして見えてくる
      人の真似やってみてその人を思う(もりぞう)
                        ☆真似ることすばらしきかな向上心
      ラーメン屋 一人で入れるようになり(楽子)
                     ☆チャーシューをおまけにもらったラーメン屋
      悠然と祭見物野良の猫(靖坊)
                        ☆一匹の時間はゆるりと流れてる
        順風で怖さ知らずの二十代(摩夢多呂)
                        ☆いくらでも明日があったね二十代
      ひとつとて同じ絵を見ぬ万華鏡(ぺ天使).
                        ☆唯一の個性が並ぶ自然界
      ママの影踏みつつパパの帰り待つ(桃華)
                        ☆ママの影パパが帰って忙しそう

   ・うろこ雲一枚剥がせば血がにじみ(こゆる)    英人
       作者のいわれるうろこ雲とは何なのだろう。私に当てはめれば
      本質を見透かされないように覆っている見栄であろうか。見栄の部分
      を剥がしたとき、私の醜い、、ドス黒い血がにじみ出すところか、流れ
      出すのである。

   ・「ドタキャンもいいよ」と師匠の声やさし(ぺ天使)  桃華
       ドタキャンは本当に迷惑な話、まわりの人を振りまわす。それでも
      気にしないでといってくださる師匠の人間性に温かいものを感ずる。
      何でも許せる人間になれたらいいなと思う。


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             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
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  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2003年「課題」
    (11月)分かる (12月)かわいい
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
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