so020
     (せんりゅうつれづれそう)


             
第20号(15年8月)

百日紅(サルスベリ)の章

(科目) ミソハギ科   (花言葉) 雄弁、不用意  

上記の写真を撮った後にすぐ台風が来て、
通り過ぎた後には何も残っていませんでした。
何事にもこうしたきわどいタイミングがあり、その生かし方が
その後の生き方を大きく左右するものなのでしょう。
                   (★印は英人の推奨句)


 課 題 「 空 」

空高く秋を知らせたイワシ雲    瑞希
曇り空 不安なものが落ちてくる   桃華
高原の夜空きらめき 笑み返す    摩夢多呂
曇り空 予定を変えて喫茶店    綾太郎
因縁はどこまで続く青い空   酒仙
それぞれの思惑 同じ空の下    楽子
入道雲今年は出番すくなくて    ヒロ・アキニレ
若いのに俯き空を仰がぬ子   みいちゃん
空を見る君の返事は上の空    靖坊
いつまでも空は青いと言い切れぬ   ぺ天使
願い事届くに遠い青い空    英人



       「 立 秋 」     瑞希

    立秋を過ぎたスイカに愚痴があり
       ★蝉の声今ひとたびの命燃え
            夕まぐれエノコロソウと遊ぶ風
      秋雨が嬉しく響く胸のうち
     夏盛り売り場はすでに秋模様




「川柳始めて一年」    摩夢多呂

★苦心作 蝉はミンミン冷ややかに
木戸またぎ思い出せない自信作
やまと語の難しさ知るこの歳で
さりとても言葉遊びでひととせ過ぎ
今の我言葉遊びとしか言えぬ 


 「喫茶店」   綾太郎

   灯を落とし茶店の気分かもしだす
永遠に話していたい喫茶店
  ★砂時計何度も返す喫茶店
 気晴らしの話しの先はいつも雨
    数分も苦になる人と喫茶店

     


 「 お 盆 」    ヒロ・アキニレ

  迎え火にあの世とこの世の客が来る
  ほおずきの高値に半分切って挿す
  素麺に客涼を得て帰って行く
  施餓鬼して子孫の幸を約束す
  ★送り火にまた来年と天仰ぐ



「七夕ウォーク」     酒仙

短冊が風にゆれてる夏の道
短冊に愛をたくしてただ歩く
★どこまでも一緒に歩く青い空
歩くためただひたすらに足を出す
顔を見て飲んだようだととがめられ



          ・・・英人の20句抄・・・「 冷夏悶々 」
涼しい夏 真っ白な予定表
愚痴ばかり言っている人に明けぬ梅雨
許されぬこと多く夏らしからず
座禅する携帯電話が鬱陶しい
電話鳴るアリバイのために出ておこう
蝉の音に妻の話が聞き取れぬ
老木で時間のかかる仲直り
赤くなる時機を失したスイカの罪
ほおずきを捧げ夏は夏らしく
遅咲きのひまわりに蜂待ち疲れ
ベテランを生かし切れない不況風
記憶力自信喪失の引き金に
どこもかもGパンで欠ける面白み
Gパンは禁止にしよう待合室
空席の前に立っている偽善者
空席の理由があった夏疲れ
人災と気づかぬ車中の馬鹿笑い
効き過ぎる冷房悩み一つ増え
眠気がさしてきたから降車駅
冷夏悶々 鈍行は走るのみ



「母入院」     楽子

明日母は入院 お守りも買えず
本心はどこにニコニコ医者座る
★上昇のボタン押したが地下に着く
入院の母より毎朝電話来る
母の夢見ては目覚める十日間



「バイキング」  靖坊

とりあえず 牛肉 刺身 マスクメロン
飲み物は別料金?じゃあ水ください
★食べられるつもりで盛った五人前
山盛りはもはや拷問涙出る
こっそりと持参のタッパ取り出して



「夏がゆく」    ぺ天使

夜空見て明日の予定を変更し
墓参する子らをウナギでもてなそう
ひとつだけねだる孫の目燃えている
子ら帰り残り物で二人膳
★夏がゆく暑中葉書を出さぬまま


    
  「 満 月 」     ぺ天使

 
孫娘がまだ三歳の頃だった。一人で泊まれるようになり
ママが一緒ではないので少し夜更かしをした。
「外のお月さまを見てごらん!まんまるよ」
と、おんぶして見せた。返ってきた言葉は

「バアバ、満月よ」

バアバだって知っています・・・・・。




「もうすぐ3才」    桃華

悪いことしてから逃げる猛ダッシュ
なにごとも反対言葉で抵抗し
おふざけも過ぎるとパパの大目玉
転んだらやっぱり泣いてしまう僕
三歳になるのを待っているケーキ



     「パレット」    こゆる

    ため息と一緒に渡す万円札
  車内にて眠る幼子丸い頬
   どら焼きが私のウソを聞いていた
    ★パスワード入力しても梅雨明けず
   パレットの24色で染める夏


「七十歳の喜怒哀楽・17回」.........
                  みいちゃん


人の気持ち素直に受けて幸せよ
★揺さぶるものあって私忙しい........
勢いが余り心が傷つく日.................
勇気とかやる気自分で作るもの
思いやり生きる力を与えられ




「一ノ宮」    もりぞう

糸の町あの賑わいはどこにいる
笑顔に寂しさ隠す店の人
★赤い糸たどっていくと君がいた
結ばれずただ会うだけの二人連れ
糸が切れそれでだめだと思わない




    (感想文) 気ままに一言・・・ 

     飲み物は別料金?じゃあ水ください(靖坊)   桃華 
        飲み物もすべて込みと思っていたのに有料。当てがはずれて
       ガッカリ・・・・・こんなことよくありますね。
        でもウェイトレスを呼んじゃったし・・・仕方ない、有料でも注文
       するか・・・・と思うのは私、見栄っ張りなんです。娘なら水ください、
       というでしょう。若い人は素直で経済観念もしっかりしています。
         「バイキング」の5句すべてが実感がこもっていて面白い。
  
     夏がゆく暑中葉書を出さぬまま(ぺ天使)    英人
         今年の夏は雨が多く、気温も上がらぬままに夏が過ぎていく。
        灼熱の暑さになったら暑中見舞いを出そうと待っていたが、もう
        その機会はない。何か気にかかる、そんな思いが句になった。
         一般には気候に関わりなく、時期が来れば義理、形式で出し
        そうであるが、作者は心を込めた暑中見舞いを出したい。作者は
        真心の人である。人間としてとても大切だと思う。

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  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2003年「課題」
    (7月)青い  (8月)空  (9月)言う  (10月)気持ち
    (11月)分かる (12月)かわいい
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
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