so019
     (せんりゅうつれづれそう)

             
第19号(15年7月)

捩花(ネジバナ)の章

(科目) 蘭 科  

岐阜県中津川の方を歩いていて、ネジバナ(別名・モジズリ)の群生に
出会う。こんなに群生して咲く花なのか・・・感激して今月の花とする。
自然の中にはいろいろな発見がある、社会や生活の中にも・・・・

                   (★印は英人の推奨句)


 課 題 「 青 い 」

青い鳥 何羽も出会ってきたけれど    楽子
暑くても青色見ればリフレッシュ   ルナロッサ
雨降ればあじさいの色青くなる    ぺ天使
空の青海の青にも染まる男    ぺ天使兄
青い実を日に向け熟す時を待つ    綾太郎
あの甘い思い出浮かぶ青と白     摩夢多呂
過ぎたこと忘れて煙青空へ      桃華
雨の日に青空色の浴衣買う     瑞希
青いねと言われ嬉しくなる年よ    靖坊
完熟を青いと言われ腹を立て     酒仙
くちばしの黄色い意見じっと聞く     みいちゃん
梅雨の間の空に息子を恋しがる    ヒロ・アキニレ
落とし穴落ちて知るまだ青い僕    英人


  「 く ぎ 」     酒仙

ねじれてる心でうつと曲がるくぎ
下にでる上にでる くぎたたかれる
いろいろの形が多く惑わされ
くぎを打つひとつひとつを手渡され
曲がるくぎ直して打つがまた曲がる



「雨の日」    瑞希

孫歩く背より高い傘を持ち
雨嘆きポトリと落ちた沙羅の花
春戻る十七年目の電話です
じめじめをぶっつけられた猫不運
★降ることに疲れましたか今日休み



「 夢 」      綾太郎

 ★絵手紙が一期一会の夢ひろげ
 正夢になれと合わす手熱をおび
 夏草の花束似合う日焼け顔
 還暦を自然にうけて歩く人
 年かさね至福の顔で夢語る


「 雫 」 靖坊...........
梅雨明けまであと少し、
ギラギラの夏が待ち遠しいです。

左手に雫が垂れたままの傘
天からの雫を受けて葉の雫
★本心の雫を流す君の頬
水面へと無数の雫隠れ去る
人の中わたしの雫見失う


          ・・・英人の20句抄・・・「 コーヒー飲む 」
一日の始まり妻のコ−ヒーで
コーヒーを飲みながら書く人生図
さわやかな風が三日と吹かぬ家
曲がり角親指立てて合図する
蒸し暑い日に来る友とよく話す
人差し指人を差して嫌われる
夏なのに小指からませ人が行く
行き先を間違えたまま終着駅
乗り換えの赤い電車が見つからぬ
乗客は私一人で動かない
目をつむる夢は正夢信じきる
考える振りして寝てる通勤者
乱視の目で見る世間が面白い
愚痴ばかり聞かされ梅雨がまだ続く
プライドを捨てた場所が気にかかる
雨音に静かな気分とりもどす
鉛筆を転がし決意新たなり
くちびるに確かな決意赤味増す
吉報が匂うコーヒーゆっくり飲む
一駅を歩き楽しみ増えた朝



「目に入れても・・・」   ぺ天使

ままごとはバアバが相手と決めている
   かき氷一口ねだればプイッとされ
      本当は緑色だと青信号
         ★好きな色選んで食べる金平糖
            ゆっくりと歩くこと知らぬ孫娘


        「黙りこむ」    ぺ天使兄

           嫁ぐ娘に父の視線はさまよいぬ
              ★乱れる世に花は黙って咲いている
                 赤信号突っ込む車に青くなる
              熟年に続く畑は休耕地
            黙りこむ後ろ姿が怖くなる


「七十歳の喜怒哀楽・16」  
          みいちゃん


お若いと言われついつい仕事増え
すいすいと仕事はかどる夜中です
★薔薇色の好きな女の好奇心
高齢化のニュース聞くたび身が凍る
突然の祝辞の指名うろたえる



「 靴 音 」    こゆる

花束がガードレールで語ること
コーヒーに溶けるな氷 透けたまま
ハガキ書きケータイ電話で住所聞き
シャツの皺 目尻の皺までそのままね
嫌いなの堅くて冷たい靴音が



 「 七 夕 」   ヒロ・アキニレ
    梅雨のうっとうしさも、来る真夏の水源と
      おもえば、感謝に変わります。

      何光年離れていても逢いたくて
     はかなくも逢えない想い星に寄せ
    ユカタ着せ汗の髪上げ孫が来る
       ★孫来れば気兼ねなく祭見に行ける
          織姫に景気を願う一の宮


    
  「捨てる」     ヒロ・アキニレ

 梅雨の真っただ中、空気の湿っぽさが、体にも心にも移住して、
何となく気が重だるい。それをなんとか吹き飛ばそうと考えてみた。
 そこで家の中を整理してみようと思った。 満タンのタンスや戸棚、
押入れに積まれた箱類、クローゼットの衣類の山、見るだけでうんざり。
 そこで一日に一箇所づつ整理しようと決心した。まずは飾り戸棚、
小引き出し、思い切ってどんどん捨ててったら、十分の一になってしまった。
スッキリした戸棚、なぜか清々しい気分、捨てる事がこんなに
小気味良いとは、これなら、毎日やれる。
 以前高峰秀子が言っていたが「年をとったら、小さな家に好きな男と、
好きな本が少しあればいい」と、そのとおり。
 さあ今日は何を捨てようか、毎日が楽しみになった。
うっとうしい梅雨もいつかは上がる。
それまでにかなりな物を捨てきって、シンプルライフといこう。



「丸坊主になっちゃった」    桃華

髪を切るパパの嬉しそうな声
だんだんと涼しくなっていく頭
あれれれれっ僕の髪の毛なくなった
★鏡見る僕とは違う人がいる
変な顔変な頭で闊歩する


「 蚊 」    もりぞう

蚊取り器を持って移動する老あるじ
ワイワイと蚊が騒ぐ部屋で昼寝する
二人いて何故か僕だけ蚊に好かれ
庭に出てあちこち刺す蚊が愛し
痩せ過ぎに悩んでいても血を吸われ


 

「事故」     楽子
先月車をぶつけられてしまいました。
今まで十年間、無事故無違反だったので、
しばらくショックで憂鬱な日々でした。

こんなにもあっさり帰っていく警官
加害者のように座らされる小部屋
相応といわれる代車をあてがわれ
次々と代車が替わる慣れぬまま
探偵のように目撃者を訪ね



          「 梅 雨 」    摩夢多呂

                雨続き草伸び伸びと僕沈む
              梅雨明けをボクたちも待つセミも待つ
           やがて来る暑き夏にビール買い増して 
           花に露 赤鮮やかな鉢並べ
           梅雨空にカラ元気でも行って来ます
               躁の日は滑らないでねと声が追う
                 ★梅雨寒に出し迷う暑中見舞い  



             


    (感想文) 気ままに一言・・・ 

    ねじれてる心でうつと曲がるくぎ(酒仙)    英人
       そういうものなのですか?神主さんがそう言われれば確かでしょう。
       ねじれた心はいろいろなところに影響をしてくる。
       自分のためにも心は清く、正しく、真っ直ぐにしていたいものだ。

   黙りこむ後ろ姿が怖くなる(ぺ天使兄)    桃華
       最近は長崎の幼児誘拐殺人事件、女児4人監禁事件など子供が
      係わった事件が続発。なぜ?どうして?と疑問符を連発したくなる。
      何がこういう事件を引き起こすのか・・・・・
       親はよく子供を観察していないといけませんね。黙りこんでしまう
      子供には特に要注意かしら。
       子育て終了組みの夫婦もお互いの伴侶に要注意かもね。

        投稿をお待ちしています




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  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2003年「課題」
    (7月)青い  (8月)空  (9月)言う  (10月)気持ち
    (11月)分かる (12月)かわいい
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
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  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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