so018
     
(せんりゅうつれづれそう)

             
第18号(15年6月)

百 合 の 章

(科目)ユリ科    (花言葉)威厳・偉大・高貴・稀少  

梅雨らしい毎日になってきました。梅雨には梅雨の句が・・・・
自然と共に生きる川柳を楽しんでください。

                   (★印は英人の推奨句)


 課 題 「 黙 る 」

黙っててと大きな声で耳打ちし   ぺ天使妹
見上げても黙ったままの星々よ    靖坊
沈黙が彼の意志だと思いやる    綾太郎
悪口を言う人の口封印を    みいちゃん
黙り込むことふえ心が遠くなる    楽子
黙っている娘の目元温かい    桃華
言葉なく互いに心拾い合う     ヒロ・アキニレ
ここだけよと廊下の隅の良い話    摩夢多呂
親と子が黙って酒を酌み交わす   酒仙
黙りこむ夫婦の仲に子も黙る    瑞希
あと三年黙って過ごすは長すぎる    英人


「七十歳の喜怒哀楽・15」  
             みいちゃん

こなせない予定を立ててストレスに
★翳のある女にわたし見えません
傾斜のある道好み歩きます
甘いもの好きな友人太り気味
出会い系のメールが入る古希なのに



  「ものわすれ」   酒仙

気がついて取りに行ったがわからない
  老親が自分のことをもう忘れ
    人の名を思い出せずにうろたえる
       ★ドラゴンズ開幕時とは違いすぎ



「草刈り」 靖坊..............

根元から引きちぎるのがわたし流
新緑の雑草もはや息をせず........................
剥き出しの土が虚ろな息をする...... 
困惑の羽虫が顔の前で舞う.................
★刈り取れぬ草が一本胸の中..........



「 梅雨空 」  綾太郎

約束を破ると慣れになる私
5・7・5 今夜は指を折るゆとり
恋人の名前にちなむ百合が咲く
梅雨空に鬱病完治 良い知らせ
あじさいの移ろいに似て 今日の人



          ・・・英人の20句抄・・・「 梅雨と忍耐 」
束縛がない梅雨急いでやってくる
梅雨だから気の向くままに過ごすかな
面白くてやがて寂しい雨が降る
雨だからベテランの技生かせない
一人だけビールを飲む人許せない
愚痴がでる梅雨は始まったばかりです
自画像を塗りつぶし悔い残す明日
週末は雨 電車は遅れがち
電車待つ線路が揺らぐ影揺らぐ
約束を破って今日も花ぐもり
忍耐に慣れたはずの首痛む
占いは吉で急いで電車に乗る
視界ゼロ地下鉄の中は眠ること
醒めた目で通勤客を見渡す朝
車内で化粧する人見いる人
耐えるだけ耐えて止まった腕時計
鉛筆が立つと良い日になるだろう
いやなこと早く済まして明日を待つ
挨拶を元気にするとこだまする
愚痴はもうよそうけなげに百合が咲く



「あじさい」   こゆる

雨受けてガクアジサイの大花火
苔むした境内の碧(あお) 目がゆるむ
あじさいにナチュラルメイクの極意聞く
★髪切って見慣れた景色も新しき
あじさいと一息ついて通り雨



       「泳ぐ」     楽子
            運動神経は桁外れに鈍い私ですが、
             なぜか泳ぐのは好きで、水に入るのが
             うれしいのです。


       週一度通うがやっと でも泳ぐ
      ★バタフライ つまらぬことは泡になれ
      やせてきたつもり もいちど泳ぎだす
      人魚にはなりきれぬまま水を出る
      脱ぎ捨ててきたもの山になっている


                     

「 蛍 」     瑞希
今年は例年になくホタルが乱舞しました。
どうか来年もまた新しい命と巡り会うことが
できますように祈りながら・・・・

風呂上がり地上の星に和む宵
蛍来てホタルブクロも咲いた庭
さすがです鳴かず愚痴らず蛍飛ぶ
★客が来る待っていたように蛍舞う
ホタル絵ののれんが揺れて私揺れ


    
 「  蛍  」       英人

  蛍の飛びかう季節となりました。と言っても蛍はどこにいるのでしょう。
 私の子供の頃は近くの堤でよく見られたものですが、
 全く見られなくなってもう長いことたちます。
  ところが先日、一宮の木曽川河川敷で見てきました。
「一宮平成ホタルの会」が河川敷の竹藪を開削し、
そこで蛍を飼育しているのです。飼育した蛍を自然に放ち、
3日間ばかり市民に観賞の機会を提供したのです。
 感激の時間でした。今、蛍が自然の中で生きのびるのは大変難しい
 と言う話でした。現在愛知県ではいろいろな地域で蛍を飼育しています。
 いつか飼育しなくても自然に見られる環境にしたいものです。


(随想を依頼しておいた方が体調を崩され、投稿できないと
いうことで、急遽私が書きました。早く回復され、
また投稿していただけることを祈っています)




              「紫陽花」    ヒロ・アキニレ

                     紫陽花の色移ろいて何求む
                 降る雨に命咲かせて輝やけり
              寺々は花に名を借り人を寄せ
                  ★紫陽花にひととき心預けてる
                        捉われぬ心を花に誓う朝



  「迷い道」    摩夢多呂

  サイコロに迷いを託す勇気なし
★あの人の機微が分らず南風
  生きる道クイズに例え有無を問う   
決心を見透かし雨が降り続く
  寝て待って結果良しとはうらやましい



 

「分からないモン」    桃華

泣きそうになったら始めるシャボン玉
空高くキラッと光るものがある
シャボン玉追うなとママのきつい声
どうしてと聞くたび困った顔をする
★分からないことが多いよ周りには




    (感想文) 気ままに一言・・・ 

  約束を破ると慣れになる私(綾太郎)    英人
      約束を守るということは社会生活をしていく上で、非常に重要なことで
     ある。しかし、先を拘束することであり、負担になることが多いものである。
     一度破ると、もういいやと破ることに抵抗を覚えなくなる。作者はこんな
     句を作りながら、自分を戒めておられるのであろう。
      来月の投稿もお待ちしています。

  出会い系のメールが入る古希なのに(みいちゃん)   桃華
     
「古希なのに」はよかったですね、いくつになってもこの種の話しには
     胸がときめきます。特に気持ちの若いみいちゃんはご用心を!
        ”だんだん若く美しくなっていくような、そんな人生が
        あったらさぞ良いでしょうにねえ”(チェーホフの手帖)
     私もこんなことを思うような年令になりました。

  紫陽花にひととき心預けてる(ヒロ・アキニレ)    英人
      梅雨さなか、何をするにも鬱陶しい。ふと窓から紫陽花が目にはいる。
     その美しさにしばし心を奪われ、見入っている。至福の時間である。
     そして、我に返ったとき何が待っていたのだろうか。
 
           投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2003年「課題」
    (1月)リンゴ  (2月)歌  (3月)赤い  (4月)くちびる
    (5月)寄せる  (6月)黙る  (7月)青い  (8月)空
    (9月)言う  (10月)気持ち  (11月)分かる 
    (12月)かわいい
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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