so014     (せんりゅうつれづれそう)

              
第14号(15年2月)

節分草の章

(科目)キンポウゲ科     

投稿された句を読んでいると、バラエティーに富み、
個性に溢れていることが感じられます。
統一された思想が無いとも言えますが、それぞれが
自分の句を求めて研鑽していただければよいと思っています。

                   (★印は英人の推奨句)



「課題・ 歌 」

歌っているうちはストレス消えている    桃華
気がつけば歌を忘れていたわたし     楽子
バロックの歌が目覚まし 春近し    摩夢多呂 
院内はハミングさえも歌えない    ぺ天使
持ち歌を人に盗られて悔しがる     酒仙
言葉より体が歌う一歳児     瑞希
大口を開けて歌おうカバさんと     靖坊
歌に連れ思い出たどる顔浮かぶ     みいちゃん
晩年に寡黙な父の演歌節     綾太郎
本心を歌に託して楽になる     英人




「バレンタイン・デイ」   楽子

街中にハート溢れてもう二月
思い出せぬ名もあり はるかバレンタイン
十年後たぶん会わない人にチョコ
★チョコレート自分のためにも一つ買う
チョコ買って惣菜買ってホームへと


  「 二の月 」     綾太郎

 気分良し苦手な歌が口をでる
 冬深く誕生の日母訪ね
 独り者 自由と孤独合わせ持つ
 君に似てうつむいて咲く寒椿
 ★凛として身体に沁みる白い月


          

    ・冬深く誕生の日母訪ね
       誕生日はお母さんなんでしょうか、作者なんでしょうか?
       どちらでも読みとれます。どちらかは重要なことですので、
        例えば、
        お母さんであれば「冬深く誕生の日の母訪ね」として、
       お母さんのお祝いの訪問を表す。
        作者であれば、「冬深くわが誕生日母訪ね」とはっきり
       書いて、この年まで元気にやっていますと言うお礼の
       訪問を表す。いかがでしょうか。

  



「 病院だより 」   ぺ天使

逝くときはこんなふうかなMRI
バイバイと孫の大声こだまして
留守番の夫の食事気にかかる
★看護師のマスクの上に優しい目
少しずつ良くなっていく陽がまぶし



「天上天下唯我独尊」   靖坊

★頂にたどり着いたは我のみぞ
万物が我を見上げる苦しうない
見下ろせば星さえも目を伏せるとは
四方から吹く寒風に目が覚める
では下ろう 流れる水に従って



      

「七十歳の喜怒哀楽・11」   みいちゃん
 
地球の命は揺れる内戦で
生きているのが不思議乱世だ
奇麗事言ってるうちは幸せだ
正義なのはアメリカですかイラクですか
★自分では消せぬ命を燃えて生き



 「如月の花」      瑞希

如月の陽を浴び笑ったいぬふぐり
冬枯れの野にタンポポが自己主張
★意地通し凍てる庭にも咲いた花
うぐいすと一緒にいたい梅の花
マンサクが名残の雪と握手する 




「 箸休め 」     こゆる

冬の日は奥へと遠慮なく入る
★絵筆持つ時間は今日の箸休め
ケータイと一緒に揺れる恋心
気詰まりでコーヒーの湯気たどってる
花粉症誰かが噂しているか
 


  
   「 求める気持ち 」    こゆる

   純粋に求めることの大切さを考えることが良くある。
「欲」ではなく、素直に「求める気持ち」なのだ。
この人に会ってみたいと思ったり、この人のことが知りたいと
いう思いを抱いていると、不思議にその情報が
向こうからやって来てくれるような気がしている。
ふと立ち寄った書店で、何気なく目にとめて手にした雑誌に、
その人の記事が書かれていたりするのだ。そんなとき、私はけっして
これは偶然ではないぞと思う。私の思いが引き寄せた出会いなのだと
確信する。人であれ、情報であれ、ものであれ、人の一生という短い
サイクルの中での出会いは、まずは自分から求めて、
そして引き寄せていくものなのではないだろうか。
まだ見ぬ人よ、大いに出会いましょう。





 「 梅 」    摩夢多呂

東風吹かば 句に誘われて梅見酒
春告げの鳥は今日も梅を待つ
墨絵から匂う梅に絵を描く
盆栽に父の歓喜の花一輪
★恋しい人 立つが如く夜の梅



  
  「 歌うたう 」     酒仙

    歌は好き 音痴と言われひとのこと
    音痴だと人をけなして僕うたう
   ひとの歌 独り善がりでポーズする
    好きな子とデュエットで歌う浮気歌
   ★人様に聞いてほしい孫の歌
   夫婦酒 好きな子と歌い顔赤い
   


「取らないで」    桃華

自転車に乗ったら雲もついてきた
暖かい庭はボクらの遊び場に
★よその子がママの膝に座っている
ママの膝ボクだけのもの取らないで
長所だけパパ似ママ似と言っている


 

「 節 分 」        英人

福は内
 開幕前に足痛め
足痛め春は遠いと書く日記
約束をして幸福はこないもの
知らぬ間に鬼が潜んだ内ポケット
僕の愚痴聞いてください夜の街

重い土持ちあげ春は近づきぬ
春を呼ぶ携帯という電話買う

 



    (感想文) 気ままに一言・・・ 

    ・如月の陽を浴び笑ったいぬふぐり(瑞希)     綾太郎
         「笑ったいぬふぐり」のところが瑞希さんの優しさが感じられ
        素敵です。いぬふぐりも良く見れば可愛い花。
        今日は、いぬふぐりと菜の花を小さな篭に活けてみました。
        部屋に春が訪れたようです。

           
          

    ・自分では消せぬ命を燃えて生き(みいちゃん)     英人
         自分のものでありながら、消すことが許されないのが命。
        命とはなんとも不思議なものである。そんな命なら燃えつきる
        まで思い切り燃えて生きよう。作者はもう70歳を過ぎている。
        こんな句を作るほどに、意欲はますます旺盛である。
         頑張ってください。

    ・東風吹かば 句に誘われて梅見酒(摩夢多呂)     桃華  
        「東風吹かば・・・」と聞けば、私は
           「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花主なしとて春な忘れそ」
        道真の句を思い起こす。道真は都を思い、悲しんでいたのに、
       摩夢多呂さんは句に誘われて酒を飲んでいらっしゃる。優雅で
       幸せな時間の流れを感じる。対照的で気になる一句。


      更なる投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2003年「課題」
    (1月)リンゴ  (2月)歌  (3月)赤い  (4月)くちびる
    (5月)寄せる  (6月)黙る  (7月)青い  (8月)空
    (9月)言う  (10月)気持ち  (11月)分かる 
    (12月)かわいい
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
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