so012
(せんりゅうつれづれそう)
第12号(14年12月)
山茶花の章
(科目)ツバキ科 (花言葉)困難に打ち勝つ・ひたむきさ
川柳連れ連れ草を立ち上げもう1年立ちました。
今月も多くの人に参加してもらいました。
盛り上げていただいた方、ありがとうございました。
(★印は英人の推奨句)
「 父 」 綾太郎 小春日和の日曜日、墓参りに出掛けようと準備をしていた。そこに、 近くに住む父が植木剪定にやってきて 「昨日、木を半分剪定したが息切れがしたので止めた。体力が無く なったなあ〜」 と、力なく言った。船乗りだった父は病気らしい病気をしたことが無く 健康が取り柄だったので、近頃の体力の衰えに戸惑っているようで、 再三不安を訴える。父は強いものと思っていたが、歳を考えると無理 もないがまだまだ元気で頑張って欲しい。若い頃は反抗もしたが今は、 親の有りがたさをしみじみ感じるこの頃である。 |
「 十二月 」 ヒロ・アキニレ
毎日が背中を押して気ぜわしく
★窓ガラス拭き来年が明るいよ
餅を搗く父よ母よと目に浮かぶ
一年を思い返すが忘れたこと
いやなことみな掃き出す年の暮れ
「石仏」 笑海
撫でてみる鼻の欠けたる石仏
先人が活けた野の花 石仏
石仏が無事を祈る 峠越え
★県境に垣根は無いと石仏
「 雪 」 瑞希
★雪が降る命光らす寒牡丹
初恋は青春の日の名残雪
風花のようにはかなく母が逝く
雪化粧家の周りのあら隠す
肩すぼめ初雪見てるネコ二匹
・風花のようにはかなく母が逝く 綺麗な句ではあるが、母が逝ってしまったと言う事実以外 何も言っていない。作者ははかなくと思っているが、お母 さんはそう思っていないかも知れない。形容詞の使用は 作者の感情の押しつけや説明のようになってしまうことが ある。この部分は読みとってもらうのがよい。感情を表す 形容詞は使わない方が無難である。 風花のように母が逝くあとに悔い(英人) |
「心の振幅」 摩夢多呂
約束はいつも反古に弱きもの
あの別れ今も心にズキズキと
忘れたい人が出てくる夢悲し
面影を求める視線に照れ笑い
この歳になっても悟れぬあの言葉
★あの道を行ったら今はどんな我
「紅葉」 酒仙
紅葉の広場で出会う幼な友
たそがれを共に味わう髪の色
★紅葉の野山を眺め酒すすむ
露天風呂 湯面に遊ぶもみじの葉
紅葉の野山と語る老夫婦
「 風邪 」 楽子
熱があることを家族に言わぬまま
子のいない間に点滴打ちに行く
★熱出して眠れば幼い頃の夢
母もまた咳する受話器の向こう側
風邪ひいて中島みゆきを聞いている
「泣いちゃったモン」 桃華
僕の手をスルリと抜けていくおもちゃ
取られても取りかえせない我慢する
ボクだけが好きと寄ってはこぬおもちゃ
★またしても僕から去ってゆくおもちゃ
ついに僕我慢できぬよ泣いちゃった
早いものです 英人 早いものですね、川柳連れ連れ草のページがもう1年分できました。 これも参加してくださる皆さんのたまものです。今後とも、継続を念頭 にいろいろ試行錯誤をしながら続けていきますので、皆さんも川柳で 自己表現する旅を続けていただきたいと思います。どう書いて良いの か、何を書いているのか、悩んでみえる方もあろうと思いますが、とも かく書き続けてください。そのうち何かが見えてきます。 平成15年1月から「課題」も取り入れたいと思います。あらかじめ 与えられたテーマで句を作ります。自由句と共に、2〜3句作って送っ てください。掲載は1句です。「題」は投稿案内欄に掲載します。 投稿された方、鑑賞された方にこの1年のお礼を言うと共に、今後 ともよろしくお願いします。 |
「おでんと酒」 英人
冷や酒は冷や酒のまま師走入り
一年を振り返る手が冷えてくる
木枯らしが胸のすき間に酒沸かす
ああ無情 おでんと酒にまかす夜
ジョークなど見つけてみようおでん鍋
決断は早いほどよい日記買う
ぬくもりを右手に感じ手紙書く
(感想文) 気ままに一言・・・ ・忘れたい人が出てくる夢悲し(摩夢多呂) 桃華 忘れたいと作者は言っているが、本当は忘れてはいけない 人かも知れませんね。 この世では会えない人、忘れなければいけない人、でも一番 大切な人、夢の中で存分お会いしましょう。 ・振り向くことが多くなる十二月(靖坊) 英人 歳月は区切りも切れ間もなく流れ続ける。しかし、人間社会は その歳月に勝手に区切りをつける。その区切りのもっとも大きな ものが12月であろう。 今年1年を振り返り、良かったことを再度喜び、悔やむことには 区切りをつけ、新たな気分で次の歳に向かう。区切りのない生 活を想像するとぞっとする。素直な良い句だと思う。 更なる投稿をお待ちしています |
「川柳連れ連れ草」への投稿案内 次の要領で川柳及び感想文を募集します。 投稿をお待ちしています。 1)毎月15日までに自由句を5句程度、課題句を2句程度 メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて ください。課題の題は2)の通りです。 2)2003年「課題」 (1月)リンゴ (2月)歌 (3月)赤い (4月)くちびる (5月)寄せる (6月)黙る (7月)青い (8月)空 (9月)言う (10月)気持ち (11月)分かる (12月)かわいい 3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文 (150字以内)も募集いたします。 4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行 います。感想文もその句のページに随時掲載します。 掲載方法は一任してください。 5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。 川柳投稿 |