so010
     (せんりゅうつれづれそう)


             
第10号(14年10月)

 秋桜(コスモス)の章

(科目)キク科    (花言葉)調和・美麗・乙女の真心 

                   (☆印は英人の推奨句)

 「逝く秋」   瑞希

夕闇に存在知らすキンモクセイ
晴々と髪も木の葉も秋色に
逝く秋に命を刻む虫の声
☆華やかに命燃やして散るモミジ
あちこちと寄り道しつつ秋が逝く


 「 柿 」    靖坊

買っちゃった 六個で二百円の柿
ふかふかと実は液化でも食べられる
甘いけど渋みもあるね君みたい
種を植え八年間の夢を見る
☆柿の色 寂しかった日の残照
 



          「みいちゃんの喜怒哀楽・7」    
                      みいちゃん

        ☆上野駅でおのぼりさんの顔になる
             一人旅緊張の顔隠せない
                  改札で友が手を振る緩む顔
                      七十歳みんな荒波越えて来た
                             クラス会二年後約し指切りを



     
「 パ ン 」  酒 仙・・・・・・
  いつまでも口に留まるパンのみみ・・・・・・・
  ふたりして奪い合うパンすぐつぶれ・・・・
   近寄るとすぐパンねだる野良の猫・・・・・
☆男一匹母の教えが基となる・・・・・・
 君と僕 同じ職場で競い合う・・・・・・・・・・

  
    「恵みたまへ・幸へたまへ」
      
・・・・・ 神職にお仕えして歩む   酒  仙
                    
                          
   60歳で45年間勤めた会社を去り、これからどうしようかと考えていて、
  夜学当時の同級生が尾張5社である犬山市の針綱神社の宮司である
  ことを知りそこを訪ねました。子供のときからのあこがれもあったので、
  神職を生きがいとして務めることが出来ないか相談したところ、名古屋
  市内の神職養成学校で講習会に参加して、資格を取得することを勧め
  られました。
   しかし、聞く言葉、所作、祭典の方法などまったくはじめて体験すること
  ばかりであり、右往左往の連続でした。でも資格を貰い今では「針綱神
  社」で一月10日のご奉仕しています。
   通勤に車で1時間掛かりますが、子供の時からのあこがれがきっかけと
  なっているため、孫と同じ年代の子供の笑顔や手を合わせくれる仕種を
  見ると自然と心が和み、やりがいを感じている今日です。
   ぜひ皆様も「国宝犬山城」の下にある針綱神社へお立寄りください。



      「秋の家族」    モツ子

 虫の声家族で聞いて聞きほれる
 眠い顔 うす暗い中出掛けゆく
 旅に出る息子の相手気にかかる
 ☆この病気口だけ達者と言う老母
 


         


「移りゆく時」     綾太郎


 
中年の噂話に痛む耳
 怒ること止めて魅力を無くす友
 休日は職場が広い宇宙船
 みこし引く綱は世代を繋いでる
 ☆コスモスと仲良く風の中にいる


     、「山の秋」     こゆる

         ☆活字追う吾を誘うな赤とんぼ
         小説の一行に酔う寒露かな
         山肌のルージュとなりぬナナカマド
         黄昏れた地球の白髪か枯れススキ
         モジリアニの絵の具のような山の秋



「彼岸花」   ヒロ・アキニレ       

 
彼岸花 いつか私に来る彼岸
 お彼岸へ行くその日まで此岸にて
 花々や月星たちと語り合い
 さやさやと自然の風に包まれて
 ☆数々の優しい人と糸むすぶ

 
    

   
    お彼岸へ行くその日まで此岸にて
       
       彼岸と此岸が組み込まれて大変面白い。
      しかし、言葉遊びの感じがする。そして、彼岸で
      なければ此岸というのは当然の理屈である。
       「此岸にて」を「夫婦です」とか「君と僕」とか、
      彼岸に行くまでの作者の思いの言葉に置き換
      えたい。



                       「大忙しの十月」     楽子

                          大忙し いやなことから先にやる
                      考えない方がうまくいく私です
                   今日だけは誰の役にも立たぬ日に
                      ☆カレンダーびっしり埋めてホッとする
                           頑張った私に口紅一つ買う

 


   「怖くないモン」    桃華

風邪ひいてうんと甘えるママの膝
白衣見てすぐに泣き出す僕だけど
今日だけは踏んばってみる医者の前
じっと我慢しているうちにもう終わり
☆わあわあと泣き叫ぶ友見ておりぬ



 「コスモス畑」    英人

休耕田コスモス植えて 夢植えて
赤と白 仲良くみえるコスモス畑
乱れ咲くコスモス畑にある 秩序
愚痴を言うにはあまりに青い 空
花びらは風に任せて 悔いいくつ
夕焼けに気持ちは素直 手紙書く
秋の夜はネクタイはずし 話する




    (感想文) 気ままに一言・・・ 


     華やかに命燃やして散るモミジ(瑞希)    桃華
         散るモミジはどことなく頼りなげで、寂しそうですが、その前は
        生き生きと燃えていたのですね。最後の最後まで美しく燃えて
        いるモミジの強さにかんぱい!
            裏を見せ表を見せて散るもみじ   良寛
         私はこの句が大好きです。

      (感想の感想)
            裏を見せ表を見せて散るもみじ(良寛)   英人  
               この句は俳句のつもりなのでしょうが、川柳としても
              立派なものだと思います。「モミジ」を植物のモミジと
              解釈すれば俳句、モミジを人間を擬したものと解釈す
              れば川柳です。非常に面白い、楽しんでください。

     カレンダーびっしり埋めてホッとする(楽子)    英人
         カレンダーがびっしり埋まれば忙しくて大変なのに、なぜホッと
        するのだろう。それは現代人にとって「忙しい」という言葉が「有能
        な人」「有意義な生活」の代名詞となっているからだろう。
         しかし、それは本当だろうか?「忙」は「心が亡ぶ」という文字
        からなっている。心豊かな人生のために、もう1度生活を見直し
        たいものだ。現代人への警鐘である。

           更なる投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに川柳5句(程度)をメール(下記)で送付
    してください。
  2)テーマは自由ですが、タイトルと雅号をつけてください。
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

             川柳投稿

川柳&ウォーク