so004     (せんりゅうつれづれそう)
第4号(14年4月)

 花海棠の章

(科目)バラ科  (別名)垂糸海棠  (花言葉)友情・艶麗 


「窓」    靖坊

窓辺には早起き鳥の羽ひとつ
窓の向こうは僕の居ない風景
窓を開けきょうの不幸を解き放つ
開けておこう しあわせはいつやって来る?
永遠に閉ざされている僕の窓



  「引き出し」  こゆる

 古傷をなぞって笑える今が好き
 約束は逃げ水ほどの確かさか
 引き算を繰り返してなお吾のあり
 開きたくない引き出しが2つ3つ
 くすり指 指輪に2度目の夏が来る



    「うば桜」  瑞希

  春嵐一夜明ければただの風
  蕪のスにはっとわが身に思い寄せ
  もの忘れ激しくなったうば桜
  人生はこんなものだと桜舞い
  ひとりいて今日の私はおぼろ月




  「七十歳の喜怒哀楽」   みいちゃん


    難題をクリアニコニコ顔をして
  九十四歳の母にパソコンでお知らせを
     七十歳時々鬱になるんです
    親娘して受賞喜ぶまぐれでも
       元気さを外で振りまき0になる


「 母 そして春 」    喜美子
  
 一心に草抜く母の背の丸さ
何事もなきように母 その笑顔
娘の名出てこぬというもどかしさ
丹精のアスパラガスに笑み浮かぶ
草原に子雲雀遊び花ふぶき
 
           

      「 ふたり 」     酒仙

ちぎりごとふたりできめてつい忘れ
ひめごとがなくなり妻は妻の顔
夫婦酒ひとりで飲んで連れを待つ
雨足が遠のくように友が逝く



「 初 夏 」     綾太郎

 ウィンドーあわてて初夏に着せ替える
   初夏までの畑を守るねぎ坊主
     新茶摘み縁者が語るはしり事
       新茶頃 両親の顔活き活きと
         ふる里に姉弟を呼ぶお茶畑


  「街に出て」     楽子

会えないが毎週街に出て探す
自分ではやっぱり嘘を知っている
11時 鏡に疲労告げられる
口実は春になったということで
欲しかった自由 無責任な自由


   「僕は1歳児(2)」   桃華

  サクラ散りつぎにくるもの待っている
花道を僕の台車がお通りだい
                 君の都合で僕は抱かれてやらないよ
電車乗るどうしてみんな寝ているの
疲れたら疲れたように眠るだけ


       「巣立つ鳥」      英人
             今年3月23日に二女が結婚しました

軒下に鳥が2羽 春の近さ知る
若さかな話はいつも明日のこと
子離れの覚悟ができて許すこと
親離れ子離れときは止まらない
あっけらかんと飛び立つ鳥を見てる妻
花嫁の父という演技苦手です
青空に勇気を持って巣立つ鳥




    (感想文)  気ままに一言・・・ 

 ・一心に草抜く母の背の丸さ(喜美子)    桃華
   一心に草を取るお母さんの背は何とやすらかなんでしょう。
   多くの荒波を乗り越えてこられたのでしょうに、穏やかなたくましさが
   感じられます。そして、老いたお母さんの背はいつ見ても優しさで溢
   れていますね。
   



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