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第238号  2024年4月

 

(第3661話) ビューポイント

2024年04月29日 | 行動

 “仕事を退職するまでは、名鉄犬山線で名古屋駅へ通う毎日。ラッシュで身動きがとれない通勤時の楽しみは、窓から外の景色が見える位置を確保して「名古屋城」を見ることでした。帰りは暗いのでお城は見えませんでしたが、いつの頃からかライトアップされ、夜も見ることができました。
 電車のスピードは、あまり速くないので、お城の緑色の屋根や金シャチが、はっきりと見えていました。ビューポイントは、名古屋駅に向かって東枇杷島駅手前あたり。本当に毎日のルーティンでした。考え事をしていて「あっ」と気づくも遅し、見過ごしてしまうことも多々ありましたが。
 退職後は、滅多に電車で名古屋駅には行かなくなりました。昨年、久しぶりに乗車する機会があり、いつものビューポイントで目を凝らして見ていたのですが、お城が見えません。見えていた空間にビルが建ち、お城は見事に遮られてしまっていました。うーん、残念。
 その後、何回も名古屋駅に行きましたが「お城が見えないのは寂しいなぁ」と思っていました。が、先日見つけたんです。新たなビューポイントを。庄内川を渡る前あたりで一瞬、お城がど~んと姿を現してくれるんです。密かな私の楽しみ復活です。”(3月27日付け中日新聞)

 愛知県江南市の田崎さん(女・66)の投稿文です。犬山線で名古屋へ通う、ボクも長年田崎さんと同じ生活であった。昔の犬山線の混み具合は尋常ではなかった。よく通ったものだと、懐かしく思う。今は混んでいても比較にならない楽さである。そんな状況で田崎さんは楽しみを見つけておられた。名古屋城を見ることである。それが大きなビルが建ち、時と共にビューポイントが変わっていく。そして新たなビューポイントを見つけられた。ボクも何となく名古屋城を見ていたと思うが、それ程に意識することはなかった。田崎さんの楽しみを知って、ボクも今度気をつけたいと思う。小さなことでいい、いろいろなところで楽しみを見つける。これも生活の知恵であろう。この投稿が縁で、田崎さんと繋がるか。


(第3660話) 一日一善

2024年04月27日 | 行動

 “小学生のときからずっとボーイスカウトに携わっています。現在は指導者として子どもたちと公園や道路の清掃をはじめ、街頭で善意を募るといった社会奉仕もしています。
 あれは3年ほど前でした。子どもたちと街頭で活動していたとき、地図の前で老夫婦が周囲をキョロキョロと見渡していました。「どうしました?」と私が声をかけたら、近くの写真店が分からず困っていました。そこで私が自分のスマートフォンで店の場所を調べ、道順を教えました。
 こんな声かけが自然とできたのもボーイスカウト創設者の考えである「一日一善」を私が意識し続けてきた結果だと思っています。社会貢献できる人材を育てるには、まずこの私が率先垂範しなきゃ!”(3月26日付け中日新聞)

 名古屋市の会社員・岩原さん(男・55)の投稿文です。ボーイスカウトのあることは、ボクも小さな頃から知っていた。しかし、無縁なものと思って過ぎていった。これは別世界、憧れの存在であった。大人になってから、知人が指導者をやっていて参加したことがある。夜間ウォークである。親なども世話で参加していた。2年ほど前に、従兄弟がボーイスカウトの団長を長年やっていることを知った。もっと付き合っておけば良かった、と思ったが遅きに失した。ボーイスカウト創設者の考えである「一日一善」、これも初めて知たっし、そんな元で活動していたのか、と感心する。ボクも関われれば良かったな、人生がもっと違っていたかもしれなかった、改めて思う。


(第3659話) 30回そしゃく

2024年04月25日 | 知識

 “役員を務める高齢者クラブでも口腔機能の衰えを表す「オーラルフレイル」が話題になる。歯科医師や看護師らはクラブで講演するたび、具体例を示しつつ「食べこぼしをしたり、硬い物をかみにくくなったりといった症状から始まって、滑舌も悪くなり言葉で相手に気持ちをうまく伝えられなくなる。ひどい場合は家にひきこもりになるケースもある」と説く。そんな話を聞くと、とても人ごととは思えなくなってくる。
 そんな対策として私は最近、今は亡き母や祖母から教わったように食事では30回程度かむことを励行している。そしゃくは脳への刺激になり認知症予防にもつながるそうだから。人生100年時代。できる限り他人の世話にならず、長く健康で過ごしたいものだ。”(3月23日付け中日新聞)

 愛知県日進市の水藤さん(女・75)の投稿文です。30回そしゃく、これがいいこと、大切なことは多くの人が知っているだろう。でも行えない。これだけゆっくり時間が掛けられないからでしょう。なぜ掛けられないのだろう。考えてみると、自由時間の有り余っている高齢者に掛けられない理由などどこにもない。会話をしながら何回も噛む、ボクもおおいに反省しなければならないところである。
 ボクのところでも、老人会の行事で何回も歯科衛生士に来てもらって、口腔衛生の必要なことを話してもらった。こんなにも歯が重要な働きをしていること、また口回りの筋肉の衰えが危ないこと、ビックリして聞いた。聞いただけで終わるのなら聞かない人と同じである。聞いた効果を発揮しなければならない。“


(第3658話) アプリで結ぶ

2024年04月23日 | 活動

 “私が住職を務める寺の無料通信アプリの公式アカウントを創設して間もなく1年。檀家や墓地利用者、地域の皆さんに手軽にメッセージを伝える手段として有効だと知って導入しました。
 最初は何をどのように発信すれば良いか分かりませんでしたが、アドバイザーから「文章は簡潔に」「写真を入れた方がいい」との助言を受けて改善を重ねました。週1度の配信で寺の行事や各種活動などを紹介しています。今や登録数は150ほど。現代の文明の利器を介することでコミュニケーションが随分スムーズになったように感じます。
 住職になって20年になります。皆さんにとってより身近な寺になることを目指して、さらに精進していくつもりです。”(3月22日付け中日新聞)

 岐阜県神戸町の僧侶・桑海さん(男・47)の投稿文です。今やいろいろな情報発信方法がある。うまく使いこなしたいものだ。これを宗教関係者が利用された、と言うことに興味を覚えました。既存の宗教は今や衰退の一途ではなかろうか。ボクは浄土真宗である。ボクの関わる丹羽郡十八日講を例にとって話すと、もう100年以上の歴史があります。昔の話を聞くと、凄い団体、行事も凄かったようです。でも今や会員は50名ほど、それも80代が大半です。若い部類のボクがもう80歳近いのですから、先が見えます。年々行事の参加者も減っています。この会は有志の会です。その宗教を職業としている方はどのようにしておられるのだろうか。桑海さんは、コミュニケーションに通信アプリを利用され始めた。年数回の行事にしか縁の無かった人達に、週一度の話しかけを始められた。これは大きい。ボクは仏教は良い宗教と思っています。是非関係者には、ひと踏ん張りしてほしいものです。


(第3657話) 進んで声かけ

2024年04月21日 | 行動

 “毎日ウオーキングを1時間ほどしています。1月半ばのことです。歩道で小学校4年生ぐらいの男児がしゃがみ込んでいました。周りにいた女児数人に「どうしたかね?」と尋ねたら、「転んで足をけがしたの」と。なるほど男児は左膝を擦りむいて出血していました。近くのコンビニまで男児を連れて行ってばんそうこうを買い求めて傷口に貼りました。残りのばんそうこうを手渡して私は「すぐ冶るよ」と言い、女児らと登校する男児を見送りました。その1カ月ほど前には認知症の男性を自宅まで送り届けました。
 この私が困っている人の少しでも力になれ、相手に喜んでもらえたらうれしい。積極的な声かけを今後も続けていきたいです。”(3月21日付け中日新聞)

 愛知県安城市の加藤さん(男・80)の投稿文です。ウォーキングなどで外に出る、そしてためらわず声かけをする。体も口も動かす、高齢者に必要なことである。まずは自分の為である。そして出かけていればこんな場面にも出合わす。人助けになる場合もあろう。
 ボクも心がけている。人と出会えばほとんど挨拶言葉を出す。応じる人も応じない人もある。ボクは構わず声を出すことにしている。応じない人も度々会えば、挨拶に応じるようになるかもしれない。そして思いがけない発展があるかもしれない。そんな時が来れば、してやったりである。これも楽しみにしている。


(第3656話) 絵手紙1000通

2024年04月19日 | 行動

 “小学校4年生から大学2年生までの孫4人にそれぞれ絵手紙を描くようになって12年-。送った絵手紙の総枚数はついに千通を超えました。絵手紙は当初、主に岐阜市に住む長女の息子と娘に宛てて描きました。電話でそれぞれから聞いた小学校や幼稚園、家族の話題を色鉛筆で描き、説明書きを添えました。孫から「絵が上手になってきた」と言われるのがうれしく、私は認知症予防も兼ねて筆を執り続けました。やがて同市在住の次女の娘2人にも送るようになり、次女によれば、その娘2人は郵便ポストに私の絵手紙が届いているかをチェックするのが楽しくなったそう。
 長女宅、次女宅とも私の絵手紙はファイルにとじて保管してくれています。うれしい限りです。”(3月15日付け中日新聞)

 岐阜県各務原市の久保田さん(男・79)の投稿文です。12年で1000枚の絵手紙、1年約80枚である。毎週1~2枚、それを続ける、なかなかできることではない。それを孫との交流に使う。もらった方も大切に保存している。もう言うことなしである。いろいろなやり方がある。知恵は使いどころである。
 ボクも絵手紙ではないが、英人書を始めて2年半になる。101枚書いた。ボクは発想を楽しんでいる。句と絵である。良いものを見つけたと思っている。今のところ、ホームページに載せているくらいだが、いつか発表する場が来ないであろうか。と言っても、知り合いに見せられる代物であるだろうか。それにはもう少し努力が必要であろう。


(第3655話) 数独

2024年04月17日 | 出来事

 “午後2時半過ぎ。私がパートから帰宅すると、主人は居間のソファに腰かけ俯いています。決して眠っているわけではありません。毎日、数独の問題集に取り組んでいるのです。そもそも数独へのチャレンジは、私の方が先でした。本紙のサンデー版「頭脳チャレンジ」を毎週、楽しみに解いています。そんな私を見ても何も興味を示さなかったのに・・・。
 数独が毎日の紙面に載るようになってから、私がやろうとすると、既に数字がいくつか記入されているようになりました。途中放棄したらしく、私が続きをやってみせると「やるなぁ」とポツリ。「慣れだよ」と返事しながらも、いい気分の私。
 そんなやりとりが何日か続いた後、スーパーで数独の問題集を見ている主人。種類が少ないとはいえ、いきなり「超上級」を購入したのでびっくりです。「ここは3と4が入らんもんで」などと1人でブツブツ言いながら、数字を埋めています。私も、こっそりその問題集にチャレンジしてみると、何と難しいこと。「随分進んだねぇ」と誉めると「どうしてもわからん時は、答えを見て少しヒントをもらってる」と教えてくれ、少しホッとする私。今日も新聞を開くと、マス目は全て埋まっていた。先を越されたあ。”(3月13日付け中日新聞)

 静岡県磐田市のパート・鈴木さん(女・65)の投稿文です。ボクが数独をしたのはかなり前である。少しの間していたが、いつの間にか止めてしまった。ところがいつからだろうか、妻が新聞の数独を始めた。かなり真剣である。今ではほとんどの新聞が埋まっている。これでボクが始めたら、この夫婦と一緒である。取り合いである、それもありであろうか。
 数独、慣れの部分もあろうと思うが、それでもかなり頭を使う。呆け防止には役立たぬという意見もあるが、ボクには役立つ気がする。マア、役立っても役立たぬでも、楽しければそれで良しである。高齢者は役立つ、役立たぬということより、まず何かをする、そしてそれが楽しければ言うことなしである。いろいろなことをしながら元気に生き抜き、寿命が尽きてコロッと死ぬ、これで行きたいものである。


(第3654話) 進路の選択

2024年04月12日 | 人生

 “教員歴14年目にして2度目の高校3年生担任を務め、1日の卒業式で送り出しました。前回の卒業生の担任は10年前。前任校の進学向けクラスでした。ほとんどが大学を受験する中、クラス室長の男子生徒は皆より早く社会に出ることを望み進学も就職もせず、あえてフリーターとなりました。進路指導をする私も当初それが彼の意向とはいえ、「これでいいのか」と悩みましたが、彼の性格や誠実さを知るうちに彼の選択を信じることにしました。高校卒業後、彼は自転車会社のアルバイト、店長を経て今やその会社の社長をしているそうです。
 今回送り出したクラスでも大半の生徒が進学を希望しました。残念ながら卒業しても進学先が決まらない生徒もいます。生徒は十人十色、進路選択に正解はありません。卒業生を信じ、卒業後も私は彼らを応援したいと思います。”(3月9日付け中日新聞)

 愛知県北名古屋市の高校教員・小川さん(女・37)の投稿文です。優秀な生徒が、高校で止めてフリーターになるという。進路指導の先生は驚いた。就職するというならまだしも、フリーターである。でもこの生徒は後に店長、社長にもなるのである。この生徒なりの考えがあったのであろうか。人間学歴でないことや、人柄が重要なこともボクにも分かっているつもりだ。でもそれが分かるのは結果を見てである。事前にどこまで信じられるだろうか。
 この話を聞くと、ボクの孫のことを思わざるを得ない。大学を中退、今24歳、フリーターである。今時間を見つけて絵を描いている。何とか自活しているようであるが、それで生活ができるとは思えない。30歳までに自分の道を見つけるとボクの前で言ったので、今はそれを信じるのみである。先生と同じ状況かもしれない。


(第3653話) 先生の花丸

2024年04月10日 | 人生

 “小学校4年生の担任の先生は50歳前後の男性で、児童の長所を見つけては褒める、優しい先生だった。初夏のある日、登校した教室内に四十数人のクラス全員の習字が張り出されていた。それほど上手だとは思わない私の字に何と花丸が付いていた。私なりに丁寧に書いたからだろうか? それでも私はうれしかった。帰宅後、父に早速「習字を習いたい」と言った。6年間、習字教室に通った。上達するうちに自信がつき、それまではどちらかといえばおとなしかった私はどこかにいってしまった。高校では書道部に属した。
 書道は今も趣味として続けている。子育てに何かと苦労したときもあったが、「自分ならできる」と信じて乗り越えられたのは習字の成功体験があったからだろう。”(3月7日付け中日新聞)

 愛知県豊田市の主婦・伊藤さん(74)の投稿文です。先生の生徒に及ぼす影響は大きい。これは高学年低学年を問わないだろう。少しの褒め言葉が大きな転換になる。この伊藤さんの話もその見本みたいなものです。花丸が一生に影響を及ぼした。気持ちをよくなりより励むことになる。そして今も書道を趣味としておられる。
 こういう出会いをいくつ持つかで、人生はかなり違ってくる。そしてこの出会いは学校時代に限らない。生涯機会はあるのである。ボクにしてみれば、川柳は35歳の時、ウォークについては48歳の時である。それが今も生活の大きな部分を占めている。
 そして逆のこともある。チョットしたことが元で、生涯避けることも生じる。ここは少し間を置いて、冷静に対処することも必要であろう。


(第3652話) ごみ収集

2024年04月08日 | 出来事

 “わが家近くのごみステーションは集うカラスに荒らされることが増えたため、3年前、愛知県春日井市から黄色い網を支給してもらった。ごみを出したら網をかけるが、ごみ収集車が来て回収した後も網がそのまま乱雑に置かれていて、そこにごみを捨てる人が後を絶たなかった。こんな状態だと不衛生ゆえ、私は気づく範囲で、この網を奇麗に畳んでステーションわきに置いてきた。
 ここ1年ほどだろうか、網が時折ステーション内に畳んであった。ごみ収集車にたまに乗っているのを見かける年配の男性作業員の心遣いらしかった。こんな善意の配慮に触れ、皆で使うごみステーションを、私なりにこの先も快適に保たせるようにしていきたい。そんな思いを強めている。”(3月4日付け中日新聞)

 愛知県春日井市の主婦・中井さん(62)の投稿文です。ごみ集積箇所の網の話である。カラスなど鳥に荒らされる集積場所は多いであろう。多くは網など覆って被害を防いでいる。それでもキチンと網で覆わなくて、鳥に荒らされごみが散らかっている場所も多い。本当に見るに耐えない状況である。まずはこのマナーをしっかり守ってほしい。中井さんの言われるのは、ごみが収集された後の網の始末の話である。いい加減に置いてあるのか、キチンとたたまれているかである。中井さんは、その網をキチンとたたむことを始められ、後には収集車の人がたたんでいた、と言われる。良いことは伝わるのである。誰もが、気の付いたことを始めてみる。この行動が重要である。批判したり、ただ言うだけでなく、まずは行動である。その見本のような話である。




川柳&ウォーク