“家の車を手放して、電動アシスト付き自転車に乗るようになって三ヵ月。喫茶店や図書館、買い物に行くのに愛用している。寒い日もあるが、ペダルは軽くて電動補助のおかげで楽に快走できている。
この自転車が突然、わが家に届いたのは昨年十二月六日。持ってきた自転車店員から受け取ったメモに「長い間、車の運転ご苦労さまでした。あすからこの自転車に乗り換えてください」とあった。同じ市内に住む長男が、すっかり年を重ねた私のこの先の車の運転について心配して新たな手段にと贈ってくれたのだ。五十八年間握った車のハンドル生活を終えることを決意し、すぐに長男に電話して礼を伝えた。私は今、この自転車で行く先々の春を見つけたいと思っている。”(3月6日付け中日新聞)
愛知県豊川市の赤松さん(男・86)の投稿文です。車を手放す決意はなかなか難しい。ボクなど車の運転が苦手でそれ程乗らないし、タクシーの方が余程経済的であろう。それでも手放せない。手軽さがあるのだ。ボクは数ヶ月後、免許の更新である。当然受ける。そしていつ運転をあきらめるのだろうか。
赤松さんは息子さんから電動自転車を贈ってもらって、それが自動車を手放す決意をされるきっかけになった。86歳である。周りから運転を止めるように言われてもなかなか承知しなくて、困っている話もよく聞く。この息子さんの知恵はどうだろうか。電動自転車も乗ってみればその良さを理解できるかも知れない。これなら車を手放しても良いと思えるかも知れない。争いもなく自然の流れになる。賢い方策と思う。ボクはどうなるのだろうか。そう遠い話しではない。