“ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会が、各地で行われています。夫は高校からラグビーを始め、大学もラグビー部。社会人になってからも趣味で続けていました。だから、W杯が日本で行われることを何よりも楽しみにしていました。日本-サモア戦のチケットもあらかじめ手配し、心待ちにしていました。
しかし、重い病で昨年末に亡くなり、観戦することはかないませんでした。一年前の今ごろは、病にも気付かず、今大会の開幕を見られないとは、想像もしていませんでした。夫はラグビーを心から愛していました。母校のOBとして活動したり、トップリーグの試合だけでなく、母校の試合観戦にも足しげく通ったりしていました。ラグビーに対して、熱い思いを持っている人でした。
W杯を前に、ミスターラグビーの故平尾誠二さんの記事や特集を目にすることが多くありました。夫は平尾さんと同じ病で、亡くなったのも同じ年齢でした。夫の無念さを思うと、本当に胸が苦しくなります。私はラグビーのルールも分かりません。せめて夫の遺影とともにテレビ観戦し、亡き夫にW杯を楽しんでもらおうと思っています。”(10月6日付け中日新聞)
名古屋市の派遣社員・宮井さん(女・50)の投稿文です。ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会に、ボクもにわかファンであった。テレビ観戦でもかなり興奮した。ボクの同級生で、豊田にも横浜にも出かけた人もいる。日本中を興奮に包んだ日本大会であった。そんな大会に絡んだ話である。そして、また前回に続いて命の話である。
ミスターラグビーと言われた平尾誠二さんは胆管細胞がんで、53歳の若さで亡くなった。宮井さんのご主人も、高校時代からラグビーを始め、愛された。それが奇しくも平尾さんと同じ病で同じ年齢で亡くなる。全く無念であろう。日本-サモア戦のチケットも手配してあったという。全く病の気配を感じておられなかったのであろう。何ともむごいものである。
こういう話を持ち出せば、日本中毎日どこかでこのようなことが起きているのだろう。ボクももう3年前になるが、がんセンターに通っていた。多くの若い人を見かけた。その人たちは今頃どうされているのだろう。こういう人たちを見ると、人間本当に自分で生きているのではない、生かされているのだと言うことを感じる。ボクはもう70代半ばである。ここまででももう十分に生かされてきた。これからどのくらい生かしてもらえるのだろうか。先日ボクは骨密度や足指力の検査を受けてきた。実年齢以上にまだまだ十分に若いことを知った。肉体的に若くても、いつどのようになるか分からない。元気なときには元気に生き、死が近いと知った時には慌てふためかないように、心構えを作っておきたい。