“川崎市に住む中学校一年生の孫息子が夏休みに入ってすぐ滋賀県米原市のわが家に初めて一人で遊びに来ました。数日後、米原駅から新幹線に乗って帰途に就きました。孫は新幹線車内の三人掛けの通路側の席に座り、その後眠りに落ちたといいます。下車する新横浜駅到着の目前、通路を挟んで座っていた夫婦連れらしい一人組に起こしてもらったそうです。
この二人組は一人で乗り込んだ孫を気に掛け、いろいろと話し掛けて降りる駅を聞き出してくださったとか。孫から聞く限り乗り過ごしてもおかしくないケースだっただけに、のんびりとした性格の孫にはとても良い社会勉強になったはずです。その節は本当にありがとうございました。”(8月11日付け中日新聞)
滋賀県米原市の田中さん(男・67)の投稿文です。こういうさりげない心配り、親切には全く感心する。子供の一人旅だから気にかけてあげないといけない、と思われたのであろう。このご夫婦はそれだけ周りのことに関心を持たれる方なのだ。他人には無関心な世の中である。それだけにより感心する。
昔に比べれば、多くのことを自分一人でできるようになった。人の助けがあまりいらなくなった。そうなると人が煩わしくなる。どんどん一人の世界に入っていく。すると周りが見えなくなる。自分勝手になる。世の中そんな流れの気がする。ところが一方、恵まれた分、人に優しくしたり、ボランティアに精を出す人も現れる。自分の行動を人の喜ばれることに見いだし、自分の喜びとする人も現れる。何か両極端になっている気がする。