“ある人から誕生日のプレゼントをもらったとします。「昨年この人から自分の誕生日にプレゼントをもらったから、この人の誕生日は何かでお祝いしないと」。誰もがそう考えるのではないでしょうか。
日本には、昔から中元や歳暮といった慣習があります。だからか、「ギブ・アンド・テーク」という言葉の意味を誤って、何かを与えるからには見返りがほしいという意味合いでよく使われる気がします。本来の意は相手の存在を認めて、自分と相手とは対等な関係にあるということを前提とした言葉ですが・・・。
義理堅いことは日本人の長所だとは思いますが、見返りがないとしても、「ただお祝いしたい」「あなたの笑顔が見たい」と思うことを私は心掛けたいです。”(6月7日付け中日新聞)
愛知県犬山市の会社員・鬼頭さん(男・38)の投稿文です。鬼頭さんは「見返りを求めない」と書かれています。ボクは、6月21日の「話・話」第2632話で「恩は受けっぱなしにしない」という話を書きました。これは全く逆のことを言っているのでしょうか。これは与えた方と受け取った方の考え方です。与えたてもお返しは求めない、与えられたらお返しする。これでは損をするばかりですが、そんな気持ちで過ごせば、人生、穏やかということです。これは何も損ではありません。穏やかは人生、最高の過ごし方です。与えて、お返しがないと言ってブツブツ言い、ストレスを溜めるくらいなら与えない方がいいでしょう。与えるなら素直に与えたいものです。これは言うことはできても、なかなかできないことです。これが素直にできたら聖人君子でしょう。でも、心がけたいことです。